伝統的カラスミ作り消滅の危機!復活をかけ祖母から孫へ−100年先へ

伝統的カラスミ作り消滅の危機!復活をかけ祖母から孫へ−100年先へ

支援総額

1,128,000

目標金額 1,000,000円

支援者
68人
募集終了日
2023年1月16日

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プロジェクト本文

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「100年続くカラスミ作りに次の100年を」のクラウドファンディングにたくさんのご支援、ご声援をいただきまして、誠にありがとうございます。

 

おかげさまで募集期間を約1週間残し、第一目標金額の100万円を達成することができましたことを祖母ともども感謝申し上げます。またRawのカラスミを楽しみにしていただいて いる声や、励ましの声など、多くの皆様からコメントを頂戴し、身の引き締まる思いでいっぱ いです。

 

新商品の開発など本プロジェクトの実現には総額で300万円かかる見込みです。第一目標 は達成し、募集期間は残りわずかですが、ネクストゴールとして150万円を掲げ、募集期間 終了日まで挑戦を続けてまいります。

 

仮にネクストゴールの金額を達成できなかった場合も、自己資金を元に実施はさせていただく予定ですが、皆様からの多くのご支援いただけますと幸いです。

 

Raw 代表 松本今日子

 

 

 

 

 

まもなく明治が幕を閉じようとしていたその頃、長崎の南端 野母崎樺島町で、のちの「Raw」となる「平野屋」は創業しました。イワシ漁を生業とする夫の傍らで、妻の平野マサヲは水産加工業「平野屋」を興し一代で全国に名を轟かせるほどに繁盛させました。そこから100年、脈々と受け継がれてきた「伝統的なカラスミ作り」を私たち「Raw」は今もなお、この地で継承し続けております。

 

 

 

今でこそ注目を浴びることの少なくなったカラスミですが、一時はうに、このわたと並ぶ日本三代珍味のひとつとして数々のメディアで取り上げられ、毎年旬の時期になると冬の風物詩として特番が組まれるほどでした。その当時はインターネットもなく、注文といえば電話かFAXだったため、一日中電話が鳴りやまない程だったそうです。

 

その頃のことをよく知る、初代平野マサヲの娘で私の大叔母(祖母の妹)にあたる、八重子は物心着いた時にはカラスミ作りを手伝っていたといい、10歳になる頃には大人に混じって一人前に働いていたと最盛期の頃の思い出をよく聞かせてくれました。その八重ばあちゃんは89歳になる今もなお現役で、私の師として、今日もカラスミと向き合っています。

 

 

 

 

一世を風靡したカラスミですが、いい時ばかりが続くわけではありません。戦争による石油不足、漁獲戦争の激化、消費者のニーズの変化と様々な事柄がこの100年の間に起きました。なかでも特に致命的だったのはやはり地球環境の変化です。自然を相手にしている以上、全く予測していなかったことが次々と起こりました。その変化は急激で著しく、地球温暖化により海の生態系は崩れ「海の砂漠化」とも呼ばれる磯焼けが深刻化するなど、この100年で全くと言っていいほど海は変わり果ててしまいました。漁礁などを用いて「海に森を」と様々な対策を講じてはいますが、その効果は僅かで漁獲量は減少の一途をたどり続けています。一度壊してしまった自然を取り戻すためには、それこそ100年単位、あるいはそれ以上の時間がかかるというわけです。

 

 

 

 

原料となるボラの漁獲量と、それを加工したカラスミの生産量には大きな差が生じます。これはメスの卵のみが原料となるため、漁獲量の約90%を占めるオスを除いた10%のメスの内、卵の有無、卵のサイズ、さらには手間ひまのかかる加工によるロスなどで、その半分以上が商品として販売することはできず、最終的に商品としてカラスミになるのは漁獲量全体の僅か3~4%と言われています。つまり、100匹獲れたとしても4本しかカラスミが作れないということです。

 

参考文献(北口様より許諾を得て掲載しています。文献内の画像は使用しておりません。)

関西学院大学大学院 現代民俗学 島村恭則研究室ー樺島のからすみ-来歴と現在ー

 

 

 

 

 

4/100という非常に低いコストパフォーマンスのカラスミ作りに加え、需要の変化や漁獲量減少の拍車がかるなか、お得意さまに支え続けていただいた「平野屋」は三代目になり屋号を「カラスミ本舗おやど鳴子」に変え、創業100周年も迎え、なんとかカラスミを作り続けてきましたが、割に合わず後継者不足問題も重なり、とうとう2017年、初代「平野屋」から受け継がれてきた「伝統的なカラスミ作り」は、残念ながら廃業という形で一旦途絶えてしまいました。 いえ、正確には途絶えかけました。

 

廃業の知らせを聞いた私はというと、それまで18歳で長崎を離れ、ロンドン・東京を拠点にヘアーメイク・ネイリストとして約25年ほど活動を続けていました。充実した日々を送り、からすみ作りとは全くの無縁で、専ら食べるばかり。毎年、旬の時期になると八重ばあちゃんからカラスミが送られてきて、当たり前のように初物をいただいてきました。しかし2017年の冬を境にカラスミが届くことはなくなり、冬の楽しみがひとつ消えどこか寂しい思いの中、生まれて初めてお金を払って購入したカラスミを食べてみても、長年「平野屋」のカラスミに慣れ親しんだ舌を満足させることはできませんでした。

 

 

 

どうしても「平野屋」のカラスミ味を忘れられなかった私は、直接八重ばあちゃんのもとを訪ね、「あのカラスミが食べたいから作って欲しい」と軽い気持ちでお願いしました。すると「私はもうすぐ90歳で、いつまで作れるかわからない。作り方を教えるから、自分で作ってみなさい」と返されました。そして「何事も経験だ」とまた軽い気持ちでカラスミを作り始めてみたものの、とにかく手間のかかる「伝統的なカラスミ作り」は奥が深く、満足のいくカラスミを仕上げることはできませんでした。が、私の好奇心に火をつけるには十分すぎるほどでした。そしてこの時を機に、一念発起した私は「平野屋」の味を自分の手で再現することを決心し、探求と奮闘の日々が始まります。

 

89歳の八重ばあちゃんから継承する技術はもちろんのこと、一度廃業してしまったため、技術と道具はあっても、水産加工業許可を返納しており、その申請や、原材料の確保、販路、営業戦略など問題は山積みでした。しかしそこは、現役を貫くのばあちゃん譲りの職人気質と「一度やると決めたらとことん」な性分の甲斐あって、たくさんの人に支えられながら、味はそのままに「平野屋」改め「Raw」として、「伝統的なカラスミ作り」を復活させ、お客さまの元に自慢のカラスミをお届けできるようになりました。

 

 

 

 

まず手始めに取り掛かったのが食品を取り扱う上で大前提となる衛生面。長年使用しているカラスミ製造所にはイワシ加工業を兼業で営んでいた頃の、設備や機材が使われないまま眠っており、これらを撤去しクリーンな環境を維持していくために必要な設備投資を現在行っている最中です。

 

 

40年以上変わらないパッケージデザインを見直し、一般的なカラスミが持つイメージを全く新しいものにアップデートしていきます。それにより比較的若い年代にも受け入れられることが「次の100年」の見通す上で不可欠だと考えます。さらに決して安いものではないことから、贈答用として人気を博した時代もあり、その流れをもう一度復活させるために、贈っても恥ずかしくない、手にした方に喜んでいただけるようなデザインを採用します。

 

 

廃業の大きな原因となった、ボラの漁獲量減少。これまでは野母崎で水揚げされたボラのみを原料とし、そこにこだわり持って作り続けてきました。しかしこのままでは圧倒的に数が足りません。昨年野母崎で水揚げされたボラから採れた原料となる卵はたったの49kg。しかも年々減り続けていきます。これでは到底100年先など見えるはずもなく、このこだわりは捨てるより他はありません。しかし「平野屋」の名にかけて品質を落とすことだけはできないので、数ある長崎の漁港を中心に、その範囲を関東まで広げ、八重ばあちゃんの目にかなったもののみを仕入れることで品質は確保し、長崎産から国産へとアップデートしていきます。

 

これまでは手の届く範囲の方に直接買いに来てもらうか、あとは全て電話注文を受け発送してきました。一時はネット販売を試みたこともあったそうですが、高齢では使いこなすことができず、昔ながらの方法でお客さまの元に届けてきました。今後はこれまでの方法も継続しつつ、WebやSNSなどあらゆるメディアに注力し、ネット通販を再び再開させ、販路を最大限拡大していきます。

 

今回のプロジェクトの大本命となるが、原料となるボラの確保にも関わる、新商品の開発です。きっかけとなったのは原料の確保で相談に乗ってくれていたフードコーディネーターさんからのアドバイスで「他の魚でカラスミを作ってみては?世界にはいろんな魚で作るカラスミがありますよ」という、それまではカラスミといえば「ボラ」と、子供の頃から当然のことのように思っていた固定概念さえもアップデートしてしまいました。先代に言わせれば「それは平野屋のカラスミではない」と言われるかもしれませんが、八重ばあちゃんもこのアイデアに賛成してくれました。

 

そこでボラに限らず様々な種類の魚卵を「伝統的なカラスミ作り」を用いて商品化するために開発をスタートさせました。すると、地方には鮮度が命のため世の中に出回ることのない、その土地でしか食ることのできない魚卵が多く存在することを、地元の漁師さんを通して知りました。まさに「漁師めし」としてどれも逸品揃いです。しかもこれらは産卵期が被っておらず、カラスミ加工の弱点でもある1年の約半分以上がお休み期間となってしまう閑散期対策にも一役かってくれ、一年を通して安定したカラスミ作りを行うことができます。

 

 

 

 

1. 通販システムを含む

   Webサイト構築と運営費。 

 

2. パッケージのリニューアル等、

  リブランディングにかかる費用 

 

3.  新商品の開発にかかる費用 

 

4. リターンの発送や撮影等、

  本クラウドファンディングにかかる費用 

 

このプロジェクトはAll or Nothing形式での実施となりますので、万が一目標金額に到達しなかった場合でも、自己資金を使い、必ずプロジェクト成功へと一歩一歩進んで参りますので、どこかで見かけた際には何卒応援の程よろしくお願いいたします。

 

 

 

正直このコロナ禍に、まさか自分がカラスミ屋の4代目になるとは夢にも思っていませんでした。長い自粛期間を経て、当たり前だったことができなくなり、いつもあったものが手に入らなくなり、本当に必要なものだけが残っていく中で、無くして初めて大切なことに気づいたり、自分と向き合い、自分にとって本当に大切なものとは何かが少しずつ見えてきました。それが私にとっては「カラスミ」だったのです。

 

幸いにも手遅れになる前にそのことに気づくことができたのは、生涯現役を貫き続け、伝統をの灯火を切らさずに燃やし続けてくれた、八重ばあちゃんの尽力の賜物にほかなりません。そんなばあちゃんへの恩返しと感謝の気持ちを伝えるためにも、私はプロジェクトを成功させ、この食文化を「次の100年へ」と伝えていくことに人生を捧げることを決意しました。

 

食を愛する皆さま。ぜひ一度「Raw」のカラスミをご賞味ください。

 

そこには伝統と革新が入り混じった、豊かな味わいと体験があります。

プロジェクト実行責任者:
松本今日子
プロジェクト実施完了日:
2023年1月16日

プロジェクト概要と集めた資金の使途

集まった資金応援者の皆さまを中心に各種リターンをお届けいたします。資金は工場設備や今後の新商品開発費用に活用させていただきます。

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プロフィール

ロンドンと東京をを拠点にヘアーメイク・ネイリストとして国内外の大手化粧品メーカーや企業の広告撮影。 また全英女子オープンゴルフのツアーに参加しトーナメント中の選手たちのポスターやカレンダー、メディア取材用のヘアーメイク、ネイル全般を担当する。また外国人選手が来日した際、メディア用ヘアーメイクを担当。 東日本大地震を機に安心安全な環境で子育てしたいと考え、全てを手放し地元長崎に戻りネイルサロンHana and May をオープン。 現在ネイルサロンを経営しながら、からすみ製造業を復活させるため2022年9月「Raw」を立ち上げる。

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リターン

3,000+システム利用料


alt

感謝のメールコース

感謝のメールをお届けします。
活動内容をご報告します。
*このコースは、リターン費用がかからない分いただいたご支援金はサービス手数料を除いた全てを活動内容に充てさせていただきます。なお寄附金控除の対象にはなりません。

申込数
1
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年2月

5,000+システム利用料


5000円コース

5000円コース

お礼のお手紙
カラスミスライス5〜7枚(30g〜50g)
燻製カラスミを薄くスライスして真空パックにしてお届けいたします。
【常温にて郵送】

申込数
14
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年2月

3,000+システム利用料


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感謝のメールコース

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*このコースは、リターン費用がかからない分いただいたご支援金はサービス手数料を除いた全てを活動内容に充てさせていただきます。なお寄附金控除の対象にはなりません。

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1
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制限なし
発送完了予定月
2023年2月

5,000+システム利用料


5000円コース

5000円コース

お礼のお手紙
カラスミスライス5〜7枚(30g〜50g)
燻製カラスミを薄くスライスして真空パックにしてお届けいたします。
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申込数
14
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年2月
1 ~ 1/ 13

プロフィール

ロンドンと東京をを拠点にヘアーメイク・ネイリストとして国内外の大手化粧品メーカーや企業の広告撮影。 また全英女子オープンゴルフのツアーに参加しトーナメント中の選手たちのポスターやカレンダー、メディア取材用のヘアーメイク、ネイル全般を担当する。また外国人選手が来日した際、メディア用ヘアーメイクを担当。 東日本大地震を機に安心安全な環境で子育てしたいと考え、全てを手放し地元長崎に戻りネイルサロンHana and May をオープン。 現在ネイルサロンを経営しながら、からすみ製造業を復活させるため2022年9月「Raw」を立ち上げる。

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