コンテンポラリーダンスをパーキンソン病患者さんへ

コンテンポラリーダンスをパーキンソン病患者さんへ

支援総額

357,000

目標金額 250,000円

支援者
25人
募集終了日
2023年11月8日

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プロジェクト本文

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▼自己紹介

 初めまして。私は穀内 洋介と申します。現在、神経内科医としてパーキンソン病をはじめとした神経疾患や神経難病の患者さんの診療に携わってます。大学院では筋疾患の研究を行い、学位取得後はフランスパリにあるサルペトリエール病院に留学する機会を得ました。そこは神経内科発祥の地であり多くの神経内科医が働いており、研究や臨床に関して多くのことを学ぶことが出来ました。帰国後は大阪北部に位置する箕面市の市中病院に勤務し、その後、神経難病の患者さんの在宅医療に携わる生活を送ってます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼プロジェクトを立ち上げたきっかけ

 フランスに滞在している間、偶然、ハンチントン病ダンスワークショップを観覧する機会に恵まれました。ハンチントン病は遺伝性の神経疾患の一つであり、不随意運動や精神症状を認める進行性の疾患です。そこで指導的な役割を担っていたシェール氏に出会いました。

 シェール氏(Philippe Chehere)はダンサー兼振付師であり、主にパリで活躍されてます。本邦においてはこれまでに広島における被爆者や熊本における水俣病患者を対象としたダンスワークショップの開催をはじめとした多数の仕事をこなされてきました。

 

 それらのダンス活動に加えて、ハンチントン病、パーキンソン病、認知症などの神経疾患や自閉症スペクトラムなどの精神疾患患者さん達に対して独自のダンスを考案し、フランスや日本をはじめ様々な場所で講演会やワークショップを開催されてきました。また、サルペトリエール病院遺伝学教室のハンチントン患者群におけるダンスの有用性を科学的に検証するプロジェクトにも参加されています。

 

 音楽療法の一分野であるダンスは近年、欧米を中心として注目を集め、臨床の場で積極的に実践されつつあります。ワルツやタンゴなどの様々なタイプのダンスが世界中で神経疾患に対して試みられてます。また、臨床研究としてその有効性を証明した報告も散見されます。

(参考文献: 1)J Santos Duarte et al. PLoS ONE 18(2) 2023: e0281204. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0281204

      2) M Delabary et at. Aging Clin Exp Res. 2018. Jul30(7) 727-735)

 

 シェール氏のダンスは決まった振り付けはなく曲に合わせて自身でその場で踊りを考え音楽に合わせて踊るというコンテンポラリー形式であることが特徴です。その為、手足の自由が利かない神経疾患の患者でも精神的な緊張を強いることはなく自身の身体能力の範囲内で自由に踊ることが出来るのです。ダンスには自分のいまある状況を全身を使って思いのまま表現するという芸術的(アート)側面もあります。

 そして重要なのは患者のみでなく医療従事者も参加することで患者側と医療側との垣根を取り除くことにもあります。それはシェール氏がハンチントン病ダンスワークショップを始めた目的の一つでした。普段であれば患者と医師は病院内のみでの関係ですが双方がワークショップに参加することでその関係がより緊密になると考えたのです。実際、初期のワークショップではサルペトリエール病院の中庭にある木々にロープを張り、その中でハンチントン病患者と医師がともに曲に合わせて自身を自由に表現するというパフォーマンスが行われました。

 

フランスでは多数の有名な美術館が休館日に無料で公的な目的にて使用すること許されており、ワークショップは病院や公園に加えて美術館においても定期的に開催されます。実際に私がオランジュリー美術館におけるハンチントンダンスを見学した際、参加者がメロディに合わせて意欲的に自分の思いつくまま名画の前でダンスを披露されていた姿が印象的でした。これまでの外来では見たことのない程、表情は豊かで目が輝いていたことに感銘を受けたことから日本でも同様のワークショップを開催したいと切実に思うようになりました。

 

 

▼プロジェクトの内容

 パーキンソン病は表情の乏しさ、手のふるえ、小刻み歩行、動作の緩慢、バランス障害などを呈する神経疾患です。脳の黒質・線条体における神経伝達物質であるドーパミン産生が減少することが関与しているとされてますが根本的な原因についてはまだ解明されておりません。進行性の変性疾患であり、緩徐ではあるものの症状は進行していきます。脳内で不足したドーパミンを補う薬物療法が主に行われてます。また、定期的に体を動かすリハビリテーションも重要と考えられてます。初期には薬剤に反応し症状は改善するものの病態の進行とともに薬も徐々に効かなくなり動けなくなる時間帯が増えていきます。体の動きが悪くなるとともに精神的にも内向的となり、引きこもりがちになります。

 

  これまでハンチントン病の患者に対して行われてきたコンテンポラリーダンスをパーキンソン病の患者に対しても行うことが出来ないかをシェール氏に相談したところ賛同頂くことが出来ました。

 

 そして実際に2018年、2019年と小規模ではあるものの大阪北部の市立病院にてパーキンソン病患者に対するワークショップを開催するに至りました。

 2018年、2019年に開催したパーキンソン病患者に対するダンスワークショップでは各々20名程度の患者、リハビリスタッフ、医師が加わり総勢30名前後が参加されました。自力歩行が困難な状態の参加者もいた為、椅子に座りながら行えるような運動やダンスを中心に行いました。

 終始、和やかな雰囲気で進行し、参加者同士でも笑顔で話しをされながら曲に合わせて体を動かすことにより自身を表現されてました。また、自己紹介や疾患や治療に関するご本人の悩みを相談する場も設けられ、患者同士の親睦も深めることも出来ました。

 

 ワークショップ終了後に外来で参加者の経過を観察したところ大多数で少なくともワークショップ1カ月間は動きが良かったという印象を受けました。参加者にワークショップに対するアンケートを行ったところ参加者全てよりワークショップに対する好意的な意見や、今後の継続を強く希望される内容の意見を頂きました。

 その為、ワークショップを継続する方針で計画を進めてましたが、新型コロナウイルス感染拡大とともに海外からの渡航も困難となりワークショップの開催は中止となりました。

 

 

 

 

 

 

 この度、新型コロナウイルス感染の拡大が一旦、落ち着いたこともあり2023年11月に再度、パーキンソンダンスワークショップを開催する計画を立てました。具体的には2023年11月8日14時~17時に大阪府箕面市に位置する会議室にてパーキンソン病及びその類縁疾患の患者さんを対象としたダンスワークショップを開催する予定です。なお、当ワークショップでは医療行為は提供しません。今回は大阪の北摂周辺にお住いの患者さんに参加して頂ければと考えてます。

 

 本年度は物価高騰の影響もあり、ワークショップに関する諸費用の捻出が難しい状況です。その為、我々のプロジェクトに賛同頂ける方々に金銭的な支援をお願いしたいと考えてます。

 社会情勢や自然災害などの影響によりワークショップを開催することが出来ない場合には、皆様からの支援金は返金させて頂きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼プロジェクトの展望・ビジョン

 

 シェール氏はこれまでに本邦で何度もワークショップを開催されて来られました。今回はパーキンソン病に対するワークショップを大阪にて開催する計画ですが、より多くのパーキンソン病患者にワークショップに参加して頂きたいというご本人の希望もあり今後は複数の個所で多くの患者さんに対してワークショップを開催し、コンテンポラリーダンスの魅力を伝えていきたいと考えてます。

シェール氏はフランス人ですが英語は堪能であり、片言の日本語も話せることから意思疎通には問題はありません。

 

更に以下の点を視野に置き、ワークショップをより実用的に充実した内容にしていきたいと考えてます。

 

1)ハンチントン病、パーキンソン病のみではなく認知症や自閉症スペクトラムなどの精神科領域の疾患についてもダンスワークショップを開催したいと考えてます。実際、フランスにおいてシェール氏は大学病院を協力し、上記を含む様々な疾患患者を対象としたワークショップを実践してます。

 

2) 高齢化に伴いパーキンソン病や認知症の患者数も年々、増加の一途を辿っております。大阪に限らず日本全国にて、ダンスワークショップを開催する方針です。

 

3) パーキンソン病をはじめとした神経疾患においては定期的に体操など体を動かすことも重要となります。ダンスワークショップも定期的に行うことが出来ればより効果が期待できると考えられます。実際、フランスでは月1回の程度でワークショップが開催されてます。

 ワークショップを頻回に開催することは費用面から難しい為、将来的にはオンラインやYou Tubeなどの技術を駆使して患者さんが自宅で動画を見ながらダンスを行うことが出来る環境を作ることを目指すつもりです。

 

「掲載している名称と画像はシェール氏(Philippe Chehere)より許諾を得て掲載しています」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プロジェクト実行責任者:
穀内 洋介
プロジェクト実施完了日:
2023年11月8日

プロジェクト概要と集めた資金の使途

集まった費用はシェール氏の渡航費用:200000円、日本国内移動費用:50000円、滞在費(宿泊費・食費など):20000円に使用させて頂きます。また、会場費:7000円を使用させて頂きます。

リスク&チャレンジ

プロジェクトに必要な金額と目標金額の差額について
必要金額と目標金額との差額は自己現金で補填致します。

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プロフィール

 神経内科医で神経難病患者さんの診療に従事してます。私は大学卒業後、市中病院で研修をした後に大学院に進み、筋疾患の研究を行いました。2015年~2017年フランスに留学し研究や臨床について学びました。私が研修医の頃に比べると医学は進歩し、新しい治療が次々と臨床に応用されるようになりました。その反面、根治治療法のない神経難病も多数存在します。今後はそのような疾患の加療に従事したいと考えてます。

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リターン

3,000+システム利用料


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感謝のメール

我々の活動を支援して頂きましたことに対する感謝のメールを送付させて頂きます。

支援者
4人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年12月

5,000+システム利用料


感謝メール、自家製葉書

感謝メール、自家製葉書

感謝のメールと活動状況について報告させて頂きます。また、パリの街並みやこれまでのワークショップの画像から作成した自家製の絵葉書を送付させて頂きます。

支援者
5人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年12月

10,000+システム利用料


感謝状、自家製絵葉書

感謝状、自家製絵葉書

感謝状とパリの街並みやこれまでのワークショップの画像から作成した自家製の絵葉書を送付させて頂きます。また、活動状況・今後の方針についても電子メールにて報告させて頂きます。

支援者
12人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年12月

50,000+システム利用料


感謝状、自家製絵葉書、動画

感謝状、自家製絵葉書、動画

感謝状、パリの街並みやこれまでのワークショップの画像から作成した自家製の絵葉書に加えてこれまでの活動状況をまとめた動画をお送りいたします。
 希望される場合には次年度以降に支援者様の指定される場所に伺いワークショップを開催させて頂きます。ただ、シェール氏の予定に合わせて日程調整を行う必要がある為、事前に何度か連絡させて頂くこととなります。
 社会情勢によりワークショップの開催が中止となる可能性もあるため、開催の権利については本年より3年間とさせて頂きます。

支援者
4人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2024年4月

プロフィール

 神経内科医で神経難病患者さんの診療に従事してます。私は大学卒業後、市中病院で研修をした後に大学院に進み、筋疾患の研究を行いました。2015年~2017年フランスに留学し研究や臨床について学びました。私が研修医の頃に比べると医学は進歩し、新しい治療が次々と臨床に応用されるようになりました。その反面、根治治療法のない神経難病も多数存在します。今後はそのような疾患の加療に従事したいと考えてます。

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