コンテンポラリーダンスをパーキンソン病患者さんへ
【ご挨拶】
この度は我々の活動をご理解頂いた上でご支援を頂き有難う御座いました。皆様の貴重なご支援によりパーキンソン病ワークショップを無事行うことが出来ました。
参加されたパーキンソン病患者さんやご家族は終始、笑顔でダンスやパフォーマンスに取り組まれており、我々やご支援を頂いた皆様に感謝されておりました。
【プロジェクトの結果】
今回のパーキンソンン病ダンスワークショップの詳細について報告させて頂きます。
2023年11月8日14時30分~16時30分に大阪府箕面市人権センターにてダンスワークショップを実施しました。パーキンソン病患者、その家族、医療従事者の合計16名が参加されました。
1)自己紹介:
私が司会進行を務め、最初に参加者の自己紹介を行いました。順番に自身の名前に加えて治療状況や困っている点などを話されてました。
2)筋肉のマッサージ:
最初は準備運動も兼ねて筋肉の緊張をとるためのマッサージを行いました。2人1組となり椅子に座った状態で、一人がもう一人の腕から手先に向けてマッサージを行いました。音楽に合わせてまずは筋肉をゆっくりと揉むようなマッサージを行い、その後は筋肉の表面をやさしくさするマッサージを行いました。次第に体が温まり筋肉の緊張がほぐれたころに最後に両耳の耳たぶを手で撫でて下に引っ張る動作も行いました。
3)風船を用いたパフォーマンス:
二人一組で一人が椅子に座った状態でもう一人が相手の腕を二つの風船ではさみ軽く圧力をかけます。腕から始まり手先、肩へと圧力をかけながら二つの風船を転がしていきました。曲に合わせて楽しい雰囲気のもと自分のペースで動作を進めていきました。
参加者の話では風船を手に持ち相手の筋肉にあてる操作を行う側も風船を握り、転がす動作を行う為に手先の筋肉の微調整が必要となる為、程よいリハビリになったとのことでした。
4)背中を合わせて行うパフォーマンス:
二つの椅子を向かい合わせて配置し、そこに二人が背中を合わせて座り、相手の背中に向けてお互い押し合いするという動作を行いました。まるで押しら饅頭のようでした。また、お互いの首の後ろに風船を入れて首の部分を緩く押し合う動作も追加されました。
暫くして司会者の合図のもと、大きく息を吸った後にあ行を順番に大きな声で発語するという運動も併せて行いました。この運動自体は発語や呼吸に関係する筋力を訓練する意味があるということでした。合計8セット行いました。

5)ミラー(鏡)動作:
これはその名のごとく他人の動作を真似るというパフォーマンスです。これも二人一組で行われました。病状の軽い参加者はまるでダンスのように全身で自身を表現し、相手は必死にその動作を真似されてました。自由に自身を表現するコンテンポラリーダンスの側面もあり背景にはジャズ様の曲を流しました。
起立が困難である参加者は椅子に座った状態で手足を動かし自身を表現されてました。真似をする方は相手が次に行う動作を即座に判断し、次に自身の動作をプログラミングし、実行に移さないといけない為、注意力や集中力が要求され大変なようでした。勿論、完璧を求めてませんので間違いは問題ありません。四肢の運動に加えて認知面での訓練にもなったようでした。
6)ショートパフォーマンス:円状に配置した椅子に全員が向かい合うように座り、まず、最初に一人目の参加者が即興で自分の思いつくままに皆の前で自由な動作を披露し、終了と同時にランダムに次の人を指名します。指名された人は指名直後の反応と自身のパフォーマンスを行い更に次へ繋ぐということを繰り返していきます。
最初は皆、自分が次に指名されたらどうしようという緊張した表情でしたが慣れてくるに従って、心にも余裕が出来て、表情やパフォーマンスも豊かになっていきました。椅子から立ち上がりゴルフボールに見立ててスイングをして次の人に回すという仕草や、相手から指名された事を飛んできた虫のように表現し、虫が自身の服の中を動き回った後に最後に捕まるという短いストーリーを表現するなど様々な工夫が見られました。最後の部分になってくると他の多くの人の笑いを取ろうとパフォーマンスの質もかなり高くなり、笑いの絶えない時間が流れました。

7)アンケート:ワークショップ終了後に参加者に簡単なアンケートを記入して頂きました。その感想として、パフォーマンスを楽しむことが出来た、次回も参加したいという意見が多かった半面、パーキンソン病の参加者がもう少しいても良かった、もう少し激しいダンスを踊りたかったなど意見も頂きました。
今回は、事前に全国パーキンソン病友の会大阪支部に協力頂き、会の情報を連絡網で広げて頂き、会員の方々にも参加して頂くことが出来ました。今回の開催場所が車でないと来場することが難しく不便な場所にあったことから参加を諦めた方もおられたようで開催場所は次回への反省点と考えられました。
※今回はシェール氏と私で会を進行し、参加者個人にパフォーマンスの説明や指導を行った為、十分な量の写真を撮影する時間がなく申し訳御座いませんでした。
【収支報告】
シェール氏の旅費(航空券)に200000円、滞在費(食費・移動費など)に50000円、会場費に2700円、リターンの作成・郵送費用に15000円を使用させて頂きました。残額については2024年4月に開催予定での次回ワークショップ費用に使用させて頂く予定です。
【リターンの発送状況】
お礼状、絵葉書については11月末頃より作成に取り掛かります。作成の終了後、順次郵送させて頂き、12月末までには完了する予定としております。
動画に関してはシェール氏と相談の上で進める為、少し時間を頂くこととなります。なお、動画に関してはプライバシー保護の観点から今回のワークショップの内容ではなく、シェール氏のこれまでの代表的な活動から編集し作成させて頂く予定です。2024年3月末までに発送させて頂く予定としております。
(写真は参考です)
【今後の活動予定について】
2024年4月にシェール氏が再度、来日されることは決定している為、パーキンソン病ワークショップも再度、行う方針で調整を進めます。シェール氏は本ワークショップ以外にも複数のプロジェクトを抱えられており、大阪以外に北海道、広島、熊本にも滞在する予定です。私どもはまずはパーキンソン病ワークショップを大阪で再度、開催する方針で調整しますが、他県でも行うことは可能ですので事前にご連絡下さい。
大阪でのワークショップの詳細は現在は未定ですが、大阪府に広域に在住されている希望者が参加しやすい、交通の便の良い複数の場所で開催しようと考えております。
この度は我々の活動をご支援頂き本当に有難う御座いました。当活動を今後も継続できるよう努力致しますので今後とも宜しくお願い致します。





















