この夏、若い熱気の中にいました。

全国各地でボランティア活動に取り組む高校生たちの集いに参加したのです。

歌手のさだまさしさんが設立した公益財団法人「風に立つライオン基金」による「高校生ボランティア・アワード2017」は8月9、10の両日、さいたま市で約100校の高校生ら約700人が活動内容を発表し、交流を深めました。

 

集いでNET-GTASの紹介チラシを配ったところ、原爆の被爆者証言を多言語化する活動に少なからぬ関心を寄せてくれました。

基金の狙いについて、さださんは毎日新聞のインタビューに「ボランティアの人たちをボランティア(支援)したい」と答えています。志のバトンを引き継ぐ大切さを感じます。

同じころ、長崎であった平和首長会議に京都外国語大学のNET-GTASの学生サポーターが招かれ、平和を作るための「若者の役割」をめぐり、自治体関係者や他大学の学生と語り合ってきました。自らの立ち位置から一歩、踏み出すことで新たな気づきとネットワークが生まれて、平和構築につながるとの思いを強くしたようです。

その夏の終わりに、長崎で2人の被爆者が相次いで亡くなりました。日本原水爆被害者団体協議会代表委員の谷口稜曄(たにぐち・すみてる)さんと元長崎大学学長の土山秀夫さんです。谷口さんは原爆で真っ赤に焼けただれた自分の背中の写真をかざし、核兵器の恐ろしさを訴え、土山さんは核兵器廃絶・平和運動を理論的にリードしてきました。

被爆者の平均年齢は81歳を超え、やがて「被爆者なき時代」が訪れるでしょう。この夏、出会った高校生はもとより、若い世代が被爆者の言葉を語り継ぎ、行動を起こすことが「核なき世界」の実現に向け、社会を引っ張る力になると確信しています。

(京都外国語大学教員 池田昭)