プロジェクト概要

 

広島・長崎の原爆を経験した被爆者の証言は、国立広島原爆死没者追悼平和祈念館と国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館に合わせて約1300人分が保存されています。しかし、その多くが日本語の証言であることから、私たち「記憶の継承と言語」研究プロジェクトは、「被爆者証言の世界化ネットワーク(略称NET-GTAS)」と連携して各国の言語に証言を翻訳してきました。

 

しかし、今年で終戦から72年が経過し、被爆者の平均年齢が81歳となった今、被爆者の証言を聞ける機会が減ろうとしています。「被爆者の証言を語り継ぐ人が居なくなってしまうこと」。私たちは危機感を感じました。
 

そこで、今年7月、国連での「核兵器禁止条約」採択に水面下で大きな役割を果たした米国出身の世界的平和活動家、キャサリン・サリバンさんを招聘して講演を行うことにしました。被爆者と共に、若者たちに「被爆体験」を語り継ぐためクラウドファンディングに挑戦いたします。

 

 

 

 

あと10年もすれば、唯一の被爆国・日本から被爆者が居なくなるかもしれない。次世代の若者たちへ引き継ぐバトン。米国の高校生ら約3万人に被爆者の証言を聞かせてきた平和活動家、キャサリン・サリバンさんと共に講演を開きたい。

 

はじめまして。私たちは筑波大学人文社会国際比較研究機構(ICR)の「記憶の継承と言語」研究プロジェクトです。私たちは、筑波大学・横浜国立大学・京都外国語大学などの教員有志をはじめ、高校教師、翻訳家、大学生などで組織する国際的な市民団体「被爆者証言の世界化ネットワーク(略称NET-GTAS)」と連携して研究を進めています。NET-GTASは2014年1月に設立し、約170名のメンバーが「被爆体験を世界各国の言葉に翻訳・発信」する活動を行っています。

 

英語、中国語、韓国語、ドイツ語、フランス語、ロシア語、スペイン語、イタリア語、ポルトガル語、スロベニア語……これまで私たちが生み出した翻訳作品は88本。現在は、広島・長崎の国立原爆死没者追悼平和祈念館の共有サイト「平和情報ネットワーク」で公開している被爆者の証言動画の中で字幕として活用され、世界に被爆体験を広める原動力になっています。

 

被爆者の証言を外国語に翻訳する活動を中心に取り組んでいます。
外国人留学生も、その活動に大きな関心を寄せています。
(筑波大での発表会にて)

 

しかし、今年で終戦から72年が経ち、被爆者の平均年齢は81歳となりました。病気などにより、1年で9000人以上の方が亡くなり続け、すでに広島で30万人、長崎で17万人以上の被爆者が亡くなっています。このままだと、10年後には被爆体験を語る人がほとんど居なくなるともいわれる状況です。「唯一の被爆国である日本から、被爆者の証言を語り継ぐ人が居なくなったらどうなるのか?」。私たちの中に、そんな強い危機感が生まれています。

 

昨年、オバマ米大統領(当時)の歴史的な広島訪問が実現したことで海外では原爆の災禍への関心がこれまで以上に高まっています。核保有国の不参加、北朝鮮の度重なる弾道ミサイル発射や核開発の暴走など依然、厳しい国際政治の現実が立ちふさがっていることも事実です。

 

こうした現状を打破するため、私たちは「次世代」を担う若者に希望を託します。米国人でありながら、広島・長崎の被爆者の体験を若者たちに伝える活動を行っている世界的平和活動家、キャサリン・サリバンさんを招聘し、関東と関西で講演とワークショップを行います。このプロジェクトには、キャサリン・サリバンさんや被爆証言者の方々への旅費や宿泊費をはじめ開催費用として300万円が​必要です。どうか、皆さまのお力をお貸しください。

 

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米国人の高校生らに被爆体験を語りかける広島の被爆者・笹森恵子さん(左)
真剣な表情で証言に聞き入るキャサリン・サリバンさん(右)
=米・ニューヨークの高校で、2014年

 

「ヒロシマ」「ナガサキ」を知らない若者が増えている。「被爆体験」を風化させることなく、残された時間の中で若者たちに受け継ぎたい。

 

近年、大学生などの若者に接すると、驚き、言葉を失うことがあります。それは、若者の多くが「ヒロシマ」「ナガサキ」の被爆体験を直接耳にしたことがないということです。8月6日や8月9日に何が起こったのか、8月15日が何の日か、知らない若者がいるということが珍しいことではなくなっています。こうした傾向は、特にここ10年ほどで強まっているように感じます。

 

「なぜ、そうなってしまったのでしょうか?」

「終戦から長い年月が経過したことが原因なのでしょうか?」

 

私たちは、学校現場での「平和教育」の変化、教員自身の意識の低さ、被爆者の高齢化に伴う証言活動の弱体化……様々な原因が考えられます。

何より、「日本人ひとりひとりの中で、被爆体験が風化してしまっているのではないでしょうか?」

 

被爆者が元気なうちに私たちができること。貴重な被爆証言と被爆者の思いを直接、聞ける日々はもう、あまり残されていません。

 

だからこそ、限られた期間のなかで被爆体験を「次世代」の若者たちへ語り継いでいきたいのです。ただ被爆証言を聞くのではなく、あの日の出来事を二度と繰り返すことのないよう、その意味を問い直す機会を設けます。

  

広島の被爆者・笹森恵子さん(中央に座っている女性)を囲み、
記念写真におさまるキャサリン・サリバンさん(笹森さんのすぐ後の女性)と
被爆証言を聞いた米国人高校生ら=米・ニューヨークで、2014年

 

なぜ原爆を投下した米国出身の彼女が被爆者と寄り添い、平和活動を行うのか?被爆者とキャサリン・サリバンさんを通じて「被爆体験」に向き合ってほしい。

 

「被爆者の証言がいかに大切か、あなたは分かっているの?」

私たち日本人にそう問いかけるのは、今回招聘するキャサリン・サリバンさん。そこには、「日本人は、被爆体験をしっかり受け継いでいるのか?」という強いメッセージが込められています。

 

日本に原爆を投下した米国出身でありながら多くの被爆者と親交を持ち続けるキャサリン・サリバンさんは、「原爆で大切な人や町を一瞬にして奪われてしまうのは耐えられない」「すべての核兵器を世界からなくしたい」。そうした思いで平和教育活動を続けています。

 

今回は、そうした思いで活動を続ける米国人平和活動家、キャサリン・サリバンさんを招き、被爆者と共に、来年1月に講演会やワークショップを行います。

 

長崎を訪問し、親交のある被爆者らと再会を喜ぶキャサリン・サリバン氏
=長崎市で、2013年

 

【講演会】

筑波大学・東京キャンパス(関東)と京都外国語大学(関西)で200名規模の会場で1回ずつ開催。キャサリン・サリバンさんが世界の核兵器拡散の状況や「非核」に向けた世界の取り組みなどについて講演し、被爆者が被爆体験を通じて核兵器使用の非人道性を訴えます。

※参加応募詳細は後日お知らせします。

 

【ワークショップ】

横浜国立大学(関東)と京都外国語大学(関西)で1回ずつ開催。キャサリン・サリバンさんと被爆者が参加。核兵器廃絶に関心がある同大学の大学生、大学院生に加え、一般公募で抽選の市民、若者など30名程度が対象。核兵器の無い世界の実現に向け、何が必要かなどについて、ディスカッション、グループ作業等を通し、掘り下げて考える。

※事前申し込み制で応募者多数の場合は抽選となります。

※参加応募詳細は後日お知らせします。


この講演会やワークショップには、核兵器廃絶についてのキャサリン・サリバンさんの思いやこれまでの活発な活動について知りたい一般市民の方々、大学生や大学院生など特に若者の参加を期待します。

 

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被爆証言後、米国人高校生と抱き合う笹森恵子さん(右)
=米・ニューヨークで、2014年

 

「被爆体験」を語る人が減り続ける今、「核兵器廃絶」に向けて動き出した世界とどう向き合うべきか。

 

被爆者の高齢化が進む中、遠くない先に地球上から自らの被爆体験を語る人がいなくなる日が訪れます。そのときを前に、被爆体験をどう「次世代」に継承するかは、国連などでも議論され、人類にとっても喫緊の課題です。

 

我々日本人は被爆体験のそんな重要性をどれだけ認識しているでしょうか?毎夏の恒例行事として定着した「ヒロシマ」「ナガサキ」の原爆式典をどこか他人事と思っていないでしょうか?

 

その風化が北朝鮮の核開発をはじめとする国際政治の危険な現実を招いているように思えてならないのです。

 

原爆による白血病で亡くなった佐々木禎子さんの死を悼む「原爆の子の像」の前で、
核兵器廃絶を誓うキャサリン・サリバンさん=広島市の平和公園で、2012年

 

一方、今年7月、国連では被爆者が長く求めてきた「核兵器禁止条約」がようやく採択されました。史上初めて、核兵器の保有や使用を法的に禁じた条約の採択は夢への大きな後押しとなりました。

 

条約は前文で「ヒバクシャ」という言葉を使い、その「核兵器使用による被害者の受け入れ難い苦悩と被害」に留意すると明記、被爆者の核廃絶に向けたこれまでの尽力を評価しました。また、核兵器の開発、実験、生産をはじめ、こうした活動を支援、奨励することも禁じています。条約は、今年9月20日から各国の署名が始まり、50カ国が批准すれば90日後に発効します。

 

しかし、被爆国である日本は条約に参加していません。同盟国・米国からの要請を受けた不参加表明に、広島、長崎の被爆者の多くが抗議し、落胆しました。戦後72年一貫して核廃絶を訴え、核保有国と非核保有国の「橋渡し役」を自認してきた日本の真価が今、改めて問われています。

 

「あなたにとって一番大切な人のことを思い浮かべてください。核兵器の脅威がある中で、その人に暮らしてほしいですか?」。そう強く訴えるキャサリン・サリバンさんとともに、「ヒロシマ」「ナガサキ」を深く見つめ直しましょう。被爆体験を若者に継承し、唯一の被爆国・日本としての責任を果たすためにも、皆さまのお力をお貸しください。

 

キャサリン・サリバン氏は親交を深める被爆者・下平作江さん(右)を「母」のように慕う。
=長崎市で、2013年

 

※ページ上の写真には高橋弘司撮影・提供したものが含まれています。転載などは原則不可となります。

 

プロフィール

 

▲キャサリン・サリバンとはどんな人?

米国と旧ソ連の核開発競争が激化した1960年代生まれ、核開発競争を強く憂慮、平和運動に携わっていたおばの影響もあり、核兵器廃絶運動の活動家として世界各地で活躍。なかでも、2008年から2015年までの8年間、「ヒロシマ」「ナガサキ」の被爆者たちを米国に招聘、ニューヨークの高校や大学数百校で、高校生ら延べ約3万人に「被爆体験」を聞かせる証言活動を展開してきたことで注目を浴びた。その後も米国在住の高校教師を引率して、広島、長崎を訪問するなど被爆体験の継承に指導的な役割を果たしている。卓抜した行動力と交渉力で知られ、核廃絶に向け運動している世界各地の活動家や外交官らとの幅広い人脈を持つ。その熱意と明るい人柄で、広島、長崎の被爆者にも友人が数多い。

 

資金使途について

 

今回皆さまからいただいたご寄附は、以下に充てさせていただきます。

■キャサリン・サリバンさん・・・85万円

(往復交通券、宿泊費、謝礼費)

■被爆体験証言者(2~3名)・・・60万円

(交通費、宿泊費、謝礼費)

■通訳者・・・40万円

(交通費、宿泊費、謝礼費)

■プロジェクトスタッフ・・・15万円

(交通費、宿泊費)

■その他・・・100万円

(会場使用料、会場スタッフ雇用経費、通信費など)

 

税制上の優遇措置について

 

筑波大学へのご寄附に対しましては、確定申告を行うことにより税制上の優遇措置が受けられます。(詳細はこちら)


優遇措置の内容

■ 個人でご寄附をされる場合
− 所得控除
所得税法上の「寄附金控除」の対象となる特定寄附金(所得税法第78条第2項第2号)の税法上の優遇措置を受けることができます。具体的には、総所得金額等の40%を上限とした寄附金額について、「寄附金額-2,000円」の額が所得から控除されます。

 

− 住民税の軽減
お住まいの都道府県・市区町村が、条例で筑波大学を「寄附金税額控除」の対象として指定している場合、総所得金額等の30%を上限とする寄附金額について、下記の金額が翌年の個人住民税額から控除されます。

・都道府県が指定した寄附金 [寄附金額 - 2,000円]×4%に相当する額
・市区町村が指定した寄附金 [寄附金額 - 2,000円]×6%に相当する額
※県・市町村の両方が、寄附金税額控除対象指定を行っている場合、都合「寄附金額 - 2,000円」の10%に相当する額となります。

※本学を寄附金税額控除対象指定している自治体は、茨城県、千葉県、つくば市など多数があり、詳細は「寄附金に係わる税制の優遇措置に関するご案内(2017年1月)313KB」をご覧ください。

 

− 計算例
課税所得500万円でつくば市にお住まいの方が、10万円寄附された場合の計算方法は以下のとおりです。

(所得税の軽減額)
・寄附していない場合
  5,000,000円×20%(税率)-427,500(控除額)=572,500円
・10万円寄附している場合
  {5,000,000円-(100,000円-2,000円)}×20%-427,500(控除額)=552,900円
  572,500円-552,900円=19,600円(所得税の軽減額)

(個人住民税の軽減額)
(100,000円-2,000円)×10%=9,800円(個人住民税の軽減額)です。したがって、つくば市にお住まいの方が10万円寄附された場合、 19,600円(所得税の軽減額)+9,800円(個人住民税の軽減額)の合計29,400円が税制上の優遇措置による軽減額となります。
※上記はあくまでも目安です。実際は収入の種類、各種所得控除等により変動が生じることがあります。

 

優遇措置を受ける手続き

本学では、寄附金のご入金を確認しますと、ご寄附を頂いた方へ「寄附金受領証明書」をお送りしています。この証明書を添えて、所轄税務署で確定申告を行ってください。(住民税の寄附金控除のみを受ける場合は、市区町村に申告することになります。)なお、この証明書は、税制上の優遇措置を受けるために必須の書類ですので、大切に保管してください。


※一般的な所得税の確定申告提出期間は、毎年度、翌年2月16日から3月15日までの1ヵ月間です。なお、この期日が土曜日・日曜日と重なると順次繰り下げ、月曜日までとなります。

 


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