やるせなさ。

前回、私達が支援するロレガ地区の "夜になると漂う危うさ" について書かせて頂きました。

 

今回は、私が毎回ロレガに来る度に、どんなにスラムの環境に慣れてもやるせない気持ちにさせられる光景を、一枚の写真を使ってお見せしたいと思います。

 

 

 

 

奥に写る高い建物は、セブで一番高いビル、4つ星ホテルのクラウンリージェンシー。

もちろん手前はロレガの一角、大火災によって燃えてしまった、地区体育館の前です。

 

ネオンが美しく光るこのビルは夜になると嫌でも目立ち、少し開けたスペースであればロレガのどんな地点からも見る事が出来ます。

 

一日一日を生きるのに精一杯な人々が暮らす目と鼻の先に、富を象徴する様な建物がそびえ立っているのです。

 

ロレガの中でこのコントラストを見る度に私は、

 

「経済的貧困に喘ぎ、時には "その日を生きる為" に盗みや薬物取引、人身売買に手を染めざるを得ない状態にいる大勢のロレガの人達には、この光景はどの様に映るのか」

 

「彼らは一体毎日何を感じながら夜を過ごすのか」

 

という事を考えてしまいます。

 

 

別に、金を稼ぐ事も、人が裕福になる事も、街が発展する事も、悪い事じゃ全くない。

むしろ奨励されてしかるべき事。

不正や汚職等、特殊な状況下で生まれる以外の "富" を批判したり憎んだりしても、何の解決にもならない。

(しかも日本に住む私は彼らから見たらもの凄い富裕層になる訳だから、私がそんな事をする権利は全く無い)

 

けれども、毎日生きるのがやっとな人々のすぐそばには桁違いに裕福な人が居て、しかも彼らの間にはとてもじゃないけど乗り越えられない大きな壁がある事を、まざまざと見せつけられてしまっている。

 

 

私は、貧しい人々を「可哀想」といった類いの気持ちを持って見たり、彼らと接したりすべきではないと思っています。

以前の記事にも書きましたが、彼らは非常に貧しいながらもエネルギーを持って活き活きと一日を生きており、そんな彼らをそうした目で見る事は、人間として失礼だと思うのです。

 

また、彼らの貧しさの背景をきちんと見る事をせず、そうした気持ちのみで行動する事が、彼らの置かれている状況をより悪化させる可能性も有ります。

 

 

しかしこうした心構えを持つ様にしていても、

「自分がロレガの人々と同じ立場でこのビルを毎日見続けたら、一体どんな気持ちになるんだろう」

と想像すると、そんなものは吹っ飛んでしまい、ぐっと何かがこみ上げて来てしまうのです。

 

 

この光景は、皆さんに是非シェアさせて頂きたいとずっと思っていましたので、今回はこの写真を中心にお話をさせて頂きました。

 

 

 

最後に、インターン生が教えてくれたロレガで活動してみての感想の一つをご紹介します。

 

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リゾート地として知られるセブ島。日本のものに負けないくらい大きなショッピングセンターやホテルもあり、買い物を楽しむ人々で賑わう一面をもっていながら、そこからタクシーで10分乗ったところにはその華やかさとは離れた世界がある。
スラム街。
温厚な人々とは反対に、住んでいる環境は劣悪である。
下水道は整備されておらず、かろうじて作った排水溝には蓋もない。糞尿やゴミ、生活排水が溜まっているのがそのまま見える。そばを通る度に、日本では嗅いだことの無いような強烈な匂いが私たちを包む。
蛇口は地域の数カ所に設置されているが、出る水は飲料用ではなく、衣類の洗濯や体を洗うことに使われる。個人の家に水道が通っていることは稀である。飲料水は買うしかない。
人々は皆一見楽しそうに暮らしている。しかしそれは私たちが見る表向きの表情なのだ。
子供を売らないと生計を立てられない立場まで追い詰められた人、ギャンブルから手が引けない人、隠れた場所でドラッグに熱中する人、仕事がもらえないで家で寝ている大人、広場でビリヤードをして暇を潰す人…様々なバックグラウンドを持った人々が集まり、ひしめき合うように暮らしていた。
以前は、墓の上に建てた簡易なバラック小屋や、屋根のある墓を住居代わりに使用し、その周りには無数のゴミがあちらこちらに散乱していた。
現在は墓石は無くなったものの、最低限の家さえも無くなってしまった彼らの生活状況はより悪化した様だ。
ロレガを訪ねてみて、改善したいと感じるものは山ほどあった


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谷口順一

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