「没後1周年 Remember Dr.中村哲」講演会

支援総額

491,000

目標金額 300,000円

支援者
65人
募集終了日
2020年11月17日

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2020年11月05日 13:00

【二足のわらじvol.2】 日本人医師が驚いた「現実」

 北海道パレスチナ医療奉仕団 団長猫塚医師の記事が5回にわたり連載されている、医療従事者向け総合医療情報サイト「m3.com」内の特集「医師と2足のわらじ」第2回目です。

今回は、PMS・ペシャワール会の中村哲医師との関わりについても触れられています。

 

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二足のわらじvol.2】

医師でも月給6万、失業も…日本人医師が驚いた「現実」

 

 今回は、整形外科医として現在も診療に携わる傍ら、NGO「北海道パレスチナ医療奉仕団」の団長として、パレスチナで医療支援活動を行っている猫塚義夫先生。活動をするうえで注意していることや、団体や企業との連携について、日本の勤務医という目線で驚いたことなどお話をお聞きしました。

 

■まずは安全第一、そして患者さんの治療がミッション

 

――NGOペシャワール会の中村哲さんが2019年12月にアフガニスタンで凶弾に倒れましたが、海外でNGO活動をするうえで、どのようなことに注意されているのでしょうか。

 

 中村先生とは面識がありました。2010年には福岡市天神の本部まで伺って札幌講演のお願いをして、お会いする手筈を整えたのですが、中村さんがアフガニスタンから出国できなくて実現しませんでした。代わりに当時の事務局長の福元満治さんが札幌に来てくださって。非常に感銘を受けましたが、その後も何度も中村先生の事務所に交渉して、2011年5月に中村先生に札幌に来ていただき講演会を開きました。その時にパレスチナでの活動の感想をお伝えしたところ、「思い立ったらすぐやりなさい」「立ち止まらないで、また行ってください」とお話ししてくださいました。そのお勧めを受けて、2011年11月に2回目のパレスチナ訪問を行っています。

 

 理念は中村先生の言葉通り「思い立ったらすぐ活動する」ことですが、実際に現地で大切なのは「安全第一」であることです。私たちのチームは男性医師だけでなく、女性の看護師や学校の先生なども行くので、参加してくれている全員の安全を確保することを最優先としています。最初に医療支援に行った時には、北海道のキリスト教聖光会が現地のキリスト教系の病院と連絡をとって、何か危険を感じたら教会や病院に逃げ込めるように話を通してくれていました。実際に空爆が始まると地震のように揺れて非常に恐怖を感じますし、パレスチナ日本代表部大使やJICA(国際協力機構)から「防弾車を用意するので脱出してほしい」と要請が来ます。

 

 一方で、我々には「患者さんの治療を最優先する」というミッションがあります。空爆が始まって患者さんが診療所に来られない、子どもが学校に行けないとなったら我々の活動ができませんが、基本は患者さんが診療所に来ている限り予定どおりに診療します。患者さん最優先の姿勢を守ることで、現地の人々も非常に信頼を寄せてくれるようになり、食事に招いてくれたり遊びに誘ってくれたりと帰国後も交流が続いています。

 

NGO PMS・ペシャワール会の故・中村哲先生とご一緒に(写真提供)

■国家の枠組みに囚われない

――活動をされるにあたり、どのような団体や企業などと連携されているのでしょうか。

 

 財政的に余裕があるとは言えませんが、団体・企業との連携は一切なく、全て募金で賄っています。整形外科医という仕事柄、北海道の医師会に所属している医師や全国の友人など500人ぐらいに、募金をお願いする手紙と、毎年「北海道パレスチナ医療奉仕団」で出している活動内容報告書を送っています。札幌市内の整形外科の病院から寄付をいただく他に、心ある一般の方が少額ながら毎月送って下さるお金もあり、それら個人からの募金を活動資金としています。支援活動のための旅費は自前で用意しています。企業にプロモーションをかけたほうがいいのではないかという意見もありましたが、NGO(非政府組織)でやりたいという私の判断で行っていません。NGOという立場は国家の枠組みを超えて活動ができるので、現地での自由度が大きいのが現地の活動への信頼を得るうえで大切なのです。

 

 

■紛争地帯の医療水準の低さ、設備のなさに驚き

設備のない環境でも現地の医師たちは知識に意欲的(提供写真)ョン

 

初めて現地に渡った時に、日本の勤務医という目線で驚いたことについて教えてください。

 

 医療設備の悪さと医療の遅れ、医療従事者の待遇の悪さです。

医療設備は国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の清田明宏先生からの指示もあり、4、5年かけて電子カルテが導入されました。しかし、レントゲンの機械がある診療所は少なく手術に必要な麻酔の道具も相当古いものを使っています。日本ではレントゲンもデジタルデータでPCで見ていますが、あちらではひびが入ったり壊れたりしたシャウカステンを使ってレントゲン写真を見ています。

MRIはありませんし、CTはガザ地区全体で2台ぐらいしかなく、診療所では簡単な血液検査ぐらいしかできません。

 

 医療は日本の40年前ぐらいの水準の場面もあります。例えば骨折した患者さんを治療する際、日本ではプラスチックギプスを巻きますが、ガザではまだ石膏ギプスを使わざるを得ないぐらい「完全封鎖」下で医療材料が枯渇しているのです。

 

 医療従事者の待遇の悪さも悲惨です。私たち勤務医は技術の進歩に合わせて、いつも勉強していなければいけないものです。しかし医療従事者の数も足りておらず、次々来る患者さんの対応のために二交代制でチームを組んでいるほどで、勉強している余裕がありません。しかも30代や40代の家族もいるような医師が、月6万円らいの安い報酬で生活しています。国連のUNRWAには労働組合があるので賃上げ交渉もしていますが、病院や診療所でも雇うお金がないので、医師免許や看護師免許を持っていても失業することがあって、非常に厳しい環境にいます。それにもかかわらず、アラビア語と英語の通訳についてくれる医学生や、大学を卒業して1年目の若い医師に診断について説明するとすぐに理解してくれます。こんな若い研修医がよくわかるなと思うほどです。博士号をとれるような方法など、希望が持てるような何かがあれば彼らも頑張れます。少なくともガザ地区について言えば、封鎖は直ちに解除してほしいと切実に思います。

 

 

 

猫塚 義夫(ねこづか・よしお)先生

1973年札幌医科大学卒業。2010年に北海道パレスチナ医療奉仕団を立ち上げ団長に就任。毎年パレスチナにて医療支援や子どもの支援を行い、WHOの要請に応えて向かうこともある。日本では整形外科医として地域住民の診療をしつつ、パレスチナで目にしたことを中心に、イスラエルによるパレスチナの軍事占領の現実や医療について講演活動をしている。

 

文/久保田雄城

写真/猫塚義夫先生

 

 

 

 

 

リターン

1,000


もっと、たくさんの人と繋がりたい!

もっと、たくさんの人と繋がりたい!

・講演会の実施報告とサンクスメール
・2019年に行った第13次現地活動の報告集(PDF)

※報告集はデータ(PDF)をメールに添付してお送りいたします。


 このプロジェクトを通して「活動を知ってもらう」を目標に、こちらのリターンンを追加いたしました。一人でも多くの方にご参加いただき、「繋がり」と「支援の輪」を広げていきたいと思っております。よろしくお願い致します。

申込数
3
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年1月

3,000


心のこもったサンクスメール(リターンなし)

心のこもったサンクスメール(リターンなし)

・講演会の実施報告とサンクスメール

※全額活動費に充てさせていただきます。

申込数
14
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年1月

1,000


もっと、たくさんの人と繋がりたい!

もっと、たくさんの人と繋がりたい!

・講演会の実施報告とサンクスメール
・2019年に行った第13次現地活動の報告集(PDF)

※報告集はデータ(PDF)をメールに添付してお送りいたします。


 このプロジェクトを通して「活動を知ってもらう」を目標に、こちらのリターンンを追加いたしました。一人でも多くの方にご参加いただき、「繋がり」と「支援の輪」を広げていきたいと思っております。よろしくお願い致します。

申込数
3
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年1月

3,000


心のこもったサンクスメール(リターンなし)

心のこもったサンクスメール(リターンなし)

・講演会の実施報告とサンクスメール

※全額活動費に充てさせていただきます。

申込数
14
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年1月
1 ~ 1/ 7

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