支援総額
目標金額 300,000円
- 支援者
- 65人
- 募集終了日
- 2020年11月17日
【二足のわらじvol.1】定年後、パレスチナ自治区へ…
医療従事者向け総合医療情報サイト「m3.com」内の特集: 医師と2足のわらじVol. 58で、5回にわたり北海道パレスチナ医療奉仕団 団長の猫塚医師の記事が掲載れれています。
こちらのクラウドファインディング 新着情報ページにも記事の掲載許可を頂けましたので、紹介させていただきたいと思います。第1回の今回は、普段の講演会ではあまり聞けない、猫塚先生のお話を知ることが出来るのではないでしょうか。
m3.com ( https://www.m3.com/?fromSp=1 )
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【二足のわらじvol.1】
定年後、パレスチナ自治区へ。医師の決心を後押ししたもの
今回は、整形外科医として現在も診療に携わる傍ら、NGO「北海道パレスチナ医療奉仕団」の団長として、パレスチナで医療支援活動を行っている猫塚義夫先生。NGO設立の経緯や活動の理由、実際の活動内容や私人として大変だったことについてお話をお聞きしました。
■虐げられる人々の役に立ちたい。
――NGO「北海道パレスチナ医療奉仕団」の団長でいらっしゃいますが、NGO設立の経緯を教えてください。
きっかけは2008年12月から翌年1月までのおよそ2か月にわたって行われた、イスラエルによるガザ地区への侵攻・空爆です。この陸海空からの攻撃で約1,500人のパレスチナ人が虐殺されました。
この事態を受けて、2009年2月に札幌市内の日本基督教団・札幌北光教会が主催する「抗議キャンドルデモ」が札幌中心部の大通公園で行われたので参加しました。デモの後、現在「北海道パレスチナ医療奉仕団」副団長をしてくれている宮島豊さんと知り合い、苦しんでいるパレスチナの人々の役に立つことをしようと話し合いました。その結果、2010年に医師と看護師、理学療法士たちからなる、人道主義に基づき、ケガ人や病人を治療することを目的とした「北海道パレスチナ医療奉仕団」を立ち上げました。
――紛争地域は世界中にあると思うのですが、パレスチナの支援をしようと思われた理由をお聞かせください。
イラク戦争が行われていた2007年に、ジャーナリストがシリアにスタディツアーに行くと聞いたので、2週間ほど長期休暇を取ってヨルダンとシリアについて行きました。当時はアンマンから砂漠の中をバスで走ってダマスカスに入れたのですが、ボランティアで診療して驚いたのはアメリカ軍の使った劣化ウラン弾の影響と思われる、鎖肛(さこう)など先天性の異常がある子どもが多かったことです。
帰国してから何故アメリカがイラクに強硬に攻め込んだのかなど、イラク戦争について勉強して、中東のさまざまな紛争の本質はパレスチナ問題にあるのだと考えるに至りました。調べてみると、中東の石油の利権問題は非常に複雑で、全然解決しそうにない上にパレスチナでは弾圧もされている。そんな時にガザへの侵攻・空爆があったので、これは黙っていられないと思い活動を始めました。
■救える命を救い、過酷な現実を伝える
――エルサレム、ジェリコ、ガザ地区などでの活動が主と伺いましたが、具体的にどのような活動をしておられるのでしょうか。
1つは医療活動です。紛争地帯では命を守ることが最優先ですから、難民キャンプにいるのは内科や小児科・産科などの先生が中心です。整形外科医はほとんどいないので、私は腰や肩、膝の痛みなどの診療を行っています。また、同行した理学療法士さんと一緒に、運動器疾患の患者さんに運動療法の指導を行っています。
始めたのは2011年2月、何のつてもなかったパレスチナ西岸地区の10か所の病院・診療所を回り私たちの目的や希望を話しました。2度目の2011年11月にはジェリコなどのパレスチナ難民キャンプで本格的支援活動を開始しましたが、腰痛・ひざ痛、肢体不自由者などの患者さんが1日200名ぐらい押し寄せてきました。難民キャンプでの運動器疾患への要望の強さも感じ「これが現実なのだ」と思い知りました。
我々はNGOとして国連の基準に依拠して活動し、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)と協力関係にあります。UNRWA保健局長の清田明宏さんから連絡をいただき、ジェリコでお会いしてお話した結果、ガザ地区にも医療活動に行くようになりました。2018年のガザの侵攻の際には下肢の切断手術・処置が必要な患者さんが急増したので、WHOとUNRWAからの要請で急遽、ガザ地区南部のヨーロッパガザ病院に行って診療しました。現在は日本赤十字社から時々臨床医が派遣されていますが、当初現地に行っていたのは私だけでした。
医療支援の他に当時のパレスチナ日本代表部大使(現・駐レバノン大使)だった大久保武さんからの依頼で、ガザ地区の難民キャンプにいる患者さんの診療や病状報告を行ったりもしています。
もう1つはエルサレム、ジエリコ、ガザ地区など、パレスチナ自治区の現状を日本に伝える講演活動です。私は報道に関しては素人なので、北海道新聞社の元カイロ支局長だった坂東和之さんに「現地の人々と上手に交流する勉強をさせて欲しい」とお願いしたところ、2019年から同行して下さるようになりました。彼は会社を早期退職しましたがジャーナリストとして非常に敏腕で、私が診療をしている間に患者さんの写真を撮ったり地元の人と仲良くなって、いつの間にか名前や年齢などを聞き出しているので驚きました。人柄がよく、人の懐に飛び込んでしまうんでしょう。彼の力も借りて、パレスチナ問題の現実や本質について、一人でも多くの方に知ってもらいたいと考えています。
――ガザ侵攻はニュースなどでも報道されていると思いますが、講演活動をしようと思われたのは何故でしょうか。
日本では特に国際問題などの報道が十分ではないと思うからです。問題意識をもってインターネットを見たり本を読んで調べれば色々な情報に触れられますが、ニュースになる情報には偏りがあるように感じています。そこで、医療者はもちろん小学校から大学まで、そして市民の皆さんを対象に講演活動をしていて、時には経営者の方に向けた講演も行っています。
また、毎年年初に札幌市内のくまざわ書店で、前年の医療活動や戦場の様子、傷ついた人々の写真を集めた写真展も行っています。くまざわ書店は写真展の期間中、パレスチナ問題や中東関係の本を取り寄せて販売してくれるので、本当に感謝しています。
――現地に渡るまで、ご家族や勤務先病院への説得など、大変だったことはなんでしょうか。
私がこの活動を始めたのは60歳で、既に病院の勤務医としては役職定年を迎えていました。現在は嘱託医で頼まれた病院で院長を務めたりする自由な立場ですから、病院への説得の必要がありませんでした。
しかし家族は当初反対しました。長女が内科医、次女が看護師、長男が高校の教師をしています。妻もいい顔はしませんでしたが、長女と次女には「絶対行くんじゃない」「怪我したら困る」と強く言われました。それで、家の中に団体のパンフレットを置いておいたりして、少しずつ家族の理解を得られるように努力しました。実は私は60歳になる少し前に、患者さんの治療中に指に注射針を刺してしまい、検査したことから偶然腎臓がんが見つかって、手術治療を受けたばかりでした。そういう事情もあって、家族も最終的には「社会に有意義なことなら、やりたいことをやったらいいんじゃないか」と言って背中を押してくれたのです。
猫塚 義夫(ねこづか・よしお)先生
1973年札幌医科大学卒業。2010年に北海道パレスチナ医療奉仕団を立ち上げ団長に就任。毎年パレスチナにて医療支援や子どもの支援を行い、WHOの要請に応えて向かうこともある。日本では整形外科医として地域住民の診療をしつつ、パレスチナで目にしたことを中心に、イスラエルによるパレスチナの軍事占領の現実や医療について講演活動をしている。
文/久保田雄城
写真/猫塚義夫先生
リターン
1,000円
もっと、たくさんの人と繋がりたい!
・講演会の実施報告とサンクスメール
・2019年に行った第13次現地活動の報告集(PDF)
※報告集はデータ(PDF)をメールに添付してお送りいたします。
このプロジェクトを通して「活動を知ってもらう」を目標に、こちらのリターンンを追加いたしました。一人でも多くの方にご参加いただき、「繋がり」と「支援の輪」を広げていきたいと思っております。よろしくお願い致します。
- 申込数
- 3
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2021年1月
3,000円
心のこもったサンクスメール(リターンなし)
・講演会の実施報告とサンクスメール
※全額活動費に充てさせていただきます。
- 申込数
- 14
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2021年1月
1,000円
もっと、たくさんの人と繋がりたい!
・講演会の実施報告とサンクスメール
・2019年に行った第13次現地活動の報告集(PDF)
※報告集はデータ(PDF)をメールに添付してお送りいたします。
このプロジェクトを通して「活動を知ってもらう」を目標に、こちらのリターンンを追加いたしました。一人でも多くの方にご参加いただき、「繋がり」と「支援の輪」を広げていきたいと思っております。よろしくお願い致します。
- 申込数
- 3
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2021年1月
3,000円
心のこもったサンクスメール(リターンなし)
・講演会の実施報告とサンクスメール
※全額活動費に充てさせていただきます。
- 申込数
- 14
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2021年1月
豊かな森づくりのためにいろいろな郷土種の苗を供給したい
- 総計
- 9人
多様な方が助け合って暮らすシェアハウスと地域食堂を作ります!
- 現在
- 966,000円
- 支援者
- 41人
- 残り
- 23日
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- 現在
- 7,445,000円
- 支援者
- 371人
- 残り
- 50日
パートナー会員募集|シリアの子どもたちの教育を一緒に支えませんか
- 総計
- 1人
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- 総計
- 10人
ラヴィ保護猫シェルターのご支援を ~マンスリーサポーター募集~
- 総計
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- 現在
- 1,295,000円
- 支援者
- 63人
- 残り
- 25日