「没後1周年 Remember Dr.中村哲」講演会

支援総額

491,000

目標金額 300,000円

支援者
65人
募集終了日
2020年11月17日

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2020年11月07日 13:00

【二足のわらじVol.3】現地で見た「医療を阻む障壁」

 医療従事者向け総合医療情報サイト「m3.com」内の特集: 医師と2足のわらじVol. 58で、5回にわたり北海道パレスチナ医療奉仕団 団長の猫塚医師の記事が掲載れれています。

 こちらのクラウドファインディング 新着情報ページにも記事の掲載許可を頂けましたので、紹介させていただきたいと思います。今回は、第3回目で日本人医師が現地で見た「医療を阻む障壁」です。占領下での生活を強いられている、パレスチナの子どもたちのケアについて書かれています。

 

 

 

 

二足のわらじvol.3

日本人医師が現地で見た「医療を阻む障壁」

 

 今回は、整形外科医として現在も診療に携わる傍ら、NGO「北海道パレスチナ医療奉仕団」の団長として、パレスチナで医療支援活動を行っている猫塚義夫先生。NGO活動で苦労されていることや、どのような方が活動に参加されているのか、診療をする上で重要なことなどお話をお聞きしました。

 

 

 

 

 

■暴力にさらされている子どもたちの心のケア

 

――現地で活動する上で、どんなことに苦労されているのか教えてください。

 

 ガザ地区はイスラエル外務省ではなくイスラエル軍の管理下なので、イスラエルからガザ地区に入るのはなかなか大変です。軍に申請を出してから2か月かかり、入る日数や期間もずれが許されません。医療活動をする病院は、国連で作っている目印として必ず旗が立っていて青と白のカラーリングで統一されています。これは空爆を避けるための識別で、私たちはそれらの病院や難民キャンプで医療活動をしています。英語が通じる患者さんたちはそれほど苦労しませんが、ベドウィンという砂漠の遊牧民が来ることがあります。彼らはアラビア語を話しますが英語が話せないので、その場合は英語とアラビア語の間の通訳を現地の医学生や医師にしてもらいます。

 

 ガザ地区からイスラエルに入国する時はイスラエル軍に尋問されます。皆で同じことを言ってあとは英語がわからない顔で流していますが、一度パスポートのミスで嘘をついたとみなされた時は、お土産も含めて全部所持品はこじ開けられ、下着の中まで手を突っ込んで調べられて、いやな気持ちがしたものでした。現地の人は毎日あんな目に遭っていると思うと、ひどいものだと思います。

 

――医療従事者の方以外にはどのような方が活動に参加されているのでしょうか。

 

 現在は特別支援学校の先生や、スポーツを教える学校の先生に同行してもらっています。私たちは当初、医療活動だけ行っていたのですが、現地では子どもたちに多大な問題が出ていました。ガザ侵攻から12年経って、当時生まれた子どもたちは現在、小学校6年生です。過酷な生活環境のために子どもが大人の暴力に晒されていて、家庭ではDVが珍しくありません。

 

 また、現地の家庭では子どもの数が6人ぐらいは当たり前で、10人になるとちょっと多いぐらいの感覚です。人口の半分が15歳以下という社会にもかかわらず、その子どもたちは決して幸せとは言えません。そういう環境下の子どもたちは、私たちのような見慣れない人種に石を投げたりします。外国人に対する恐怖心が強く、子どもたちから近づいてくることはありませんが、それは子どもたちが悪いのではなく環境が悪いのです。ですので、私たちが子どもたちに貢献できることはないのかを考え、精神科の先生や学校の先生と話し合い、アラビア語が堪能な特別支援学校の先生に同行してもらいました。

 

子どもたちとの交流も大切な活動の一つ(提供写真)

 

――その方はどのような先生で、現地でどういった活動をされているんでしょうか

 

  国際協力機構(JICA)で海外での活動経験がある女性の先生で、現地で子どもたちとお遊戯や折り紙をしたり、歌を歌うという方法でケアをしてくれています。2015年からは学校の先生によるスポーツの指導も始めました。子どもたちがぶつかっても喧嘩にならないようにしようということで、ノーコンタクトスポーツであるバレーボールになりました。コートで仕切られているから子どもたち同士で喧嘩になりませんし、チームワークも必要になります。スポーツの指導は私の高校の後輩で、北海道の女子中学のバレーボールではかなり有名な先生に来てもらっています。日本に戻って、休み明けに勤務先の学校の生徒たちに「どこに行っていたのか」と聞かれて、「ガザに行ってきた」と現地での経験を話す機会ができたそうです。日本の学生にもいい影響を及ぼせそうで、学校の先生はすごいなと思います。

 

 

■経済格差=健康格差ではいけない

 

――先生が日本でも海外でも、診察をするうえで重要だとお考えになっていることを教えてください。

 

 海外でも日本でも同じことで、経済格差がそのまま健康格差となっています。お金がなければ医療機関に行けず、十分な治療も受けられません。しかし、本来全ての人に平等に医療を受ける権利があるはずです。ですから貧富の差に関わらず、私たちは支援に行った先で可能な限りの医療を提供し、誰もが医療を受けられるような機会を私たちが持ち込まなくてはいけないと思います。持ち込めない何らかの障壁があるのなら、その障壁は政治的であれ経済的であれ取り除く努力をしなければいけません。海外だけでなく日本においても、そのために私たちも勉強しなければいけないと思います。

 

子どもたちのケアも重要な活動のひとつ(提供写真)

 

――先生と同じような目的でガザ地区に支援に来ている外国人はいるのでしょうか。

 

 イギリスの植民地でしたからイギリス人が多いですね。アジアからは唯一インドネシアの人が来ています。インドネシアはイスラム教ですから、ガザ地区の中にも自由に行けるようになっています。団体としてはイギリスの『MAP UK(Medical Aid for Palestinians)』という支援団体と、もう1つがフランスの医師とジャーナリストのグループによって作られた『国境なき医師団』です。『国境なき医師団』は現地で活動していて関わることがありますが、規模が大きく経済力もあり、活動内容がとても勉強になります。

 

 以前シリアの難民キャンプに行った時に、ヨルダン日赤の職員さんと一緒に見学に行きました。難民キャンプの中に2週間で野戦病院のようなものを建てていて、見学を申し込んだところ1時間待てば入れてくれるという返答でした。海外で活動する普通の組織なら安全管理上入れてくれませんが、1時間たったら本当に門を開けて中を全部案内してくれました。清潔な水を大量に運び込み、手術室も備えたしっかりした施設でした。日本の自衛隊にも、そのぐらいスピーディな行動ができる仕組みを作ってほしいと思います。

 

 

 

猫塚 義夫(ねこづか・よしお)先生

1973年札幌医科大学卒業。2010年に北海道パレスチナ医療奉仕団を立ち上げ団長に就任。毎年パレスチナにて医療支援や子どもの支援を行い、WHOの要請に応えて向かうこともある。日本では整形外科医として地域住民の診療をしつつ、パレスチナで目にしたことを中心に、占領の現実や医療について講演活動をしている。

 

文/久保田雄城

写真/猫塚義夫先生

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リターン

1,000


もっと、たくさんの人と繋がりたい!

もっと、たくさんの人と繋がりたい!

・講演会の実施報告とサンクスメール
・2019年に行った第13次現地活動の報告集(PDF)

※報告集はデータ(PDF)をメールに添付してお送りいたします。


 このプロジェクトを通して「活動を知ってもらう」を目標に、こちらのリターンンを追加いたしました。一人でも多くの方にご参加いただき、「繋がり」と「支援の輪」を広げていきたいと思っております。よろしくお願い致します。

申込数
3
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年1月

3,000


心のこもったサンクスメール(リターンなし)

心のこもったサンクスメール(リターンなし)

・講演会の実施報告とサンクスメール

※全額活動費に充てさせていただきます。

申込数
14
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年1月

1,000


もっと、たくさんの人と繋がりたい!

もっと、たくさんの人と繋がりたい!

・講演会の実施報告とサンクスメール
・2019年に行った第13次現地活動の報告集(PDF)

※報告集はデータ(PDF)をメールに添付してお送りいたします。


 このプロジェクトを通して「活動を知ってもらう」を目標に、こちらのリターンンを追加いたしました。一人でも多くの方にご参加いただき、「繋がり」と「支援の輪」を広げていきたいと思っております。よろしくお願い致します。

申込数
3
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年1月

3,000


心のこもったサンクスメール(リターンなし)

心のこもったサンクスメール(リターンなし)

・講演会の実施報告とサンクスメール

※全額活動費に充てさせていただきます。

申込数
14
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年1月
1 ~ 1/ 7

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