
支援総額
目標金額 10,000,000円
- 支援者
- 623人
- 募集終了日
- 2021年2月26日
新規就農の洗礼①:じゃがいも事件
県外からの新規就農、つまり誰一人として知ってる人はいない集落に飛び込むことです。
私の場合、1年間の研修を終えたあと、町役場にある農業委員会に出向くところからはじまりました。
農地を借りるには、5反(5,000平米)の農地を借りるところから始めなければいけませんが、その日のうちに見つかりました。
「なんていい人たちなんだろう。田舎の人はみんないい人だ」
都会から来た私にとって、ニコニコ笑う農家さんたちはみんないい人に見えたものです。
借りたばかりの頃は椎葉のおばあちゃんから譲っていただいたわずかな種籾しかありませんでしたので、1つ目の大きな畑にまき、2つ目の小さな畑には四国の改良品種を取り寄せて撒いてみることにしました。
しかし、トラクターがありません。中古で50万ぐらいするトラクターを探していましたがなかなか見つからず苦労していた頃、ある方から「15万でいいのがあったからいるか?」と連絡があり、二つ返事で「欲しいです!」と答えました。
そうしてやってきたのがこの1代目のトラクター。
なんと1976年製。SHIBAURAという、もう存在しない農機メーカーが最初にリリースしたトラクター・・・私と同じ年。レトロでかっこいいし馬力はないけど、とりあえず耕すことはできるのでこれで一件落着に思えました。
しかし、2ヶ月で壊れてしまいます。後ろのロータリーがあがらなくなり、交換する部品もなく・・・そのままさようなら。*でもかっこいいのでオブジェとしてとってあります。
1代目が壊れてどうしようと思っていた頃、ようやく中古で手ごろな値段のトラクターが見つかります。こちらは30万で購入しました。

このトラクターも2年ぐらいして壊れ、その後150万で再び新古車を購入して今は3代目のトラクターですが、このトラクターは結構がんばってくれました。
・・・話はそれましたが、最初の年はこんな感じでドタバタで何をやっているのかわからない状態です。
とにかく1代目のレトロトラクターで畑を耕し、麦をまきました。
でもでも・・・
いきなり役場に行ってその日のうちに貸してもらえる畑なんて、どう考えても怪しいのです。
とにかく日当たりが悪い!(案内してもらった時は日当たりもいいしバッチリじゃ!と言っていたのに)。
形も悪く耕しにくいうえに、地主さんは地区の皆から「変わり者」として疎まれている人物でした。
賃貸契約は1年でしかしてくれず、更新のたびに「地代をあげろ」と言われ、断ると「じゃあ貸さない!」と完全に足元を見てきます。5反を下回ると農家として出荷することができなくなるのを知っているからです。
またまた話がそれましたが、本題に入りたいと思います。
最初に借りた5反の畑は広すぎたので、椎葉のおばあちゃんにもらった麦の種をまいても半分以上空いた状態でした。
お金を払って借りているのにもったいない・・・
そう考えた末、地区の農業委員をしているKさんに「じゃがいもを育てようと思うんですけどどう思いますか?」と聞きました。なんでも相談してからでないと何を言われるかわからなかったからです。
「おう、それはいい。つくれつくれ」
・・・そんな感じでお返事をもらい、1反ぐらい空いている部分にじゃがいもを植えました。これがとんでもないことになるとも知らずに・・・
まず、ここの畑はとても風が強いことがわかりました。マルチシートは何度も何度も剥がれてしまい、その度にはりなおす作業をしてなんとかがんばっていました。
じゃがいもは割りと順調に育っていきました。ようやくしっかり生えそろった頃、隣の地区のAさんが怒鳴り込んできました。
「じゃがいも!?じゃがいもはタバコの天敵やぞ!」
周りの畑はタバコ農家。じゃがいもにつくアブラムシがタバコ畑にうつると全滅するので、じゃがいもは御法度だったのです。
「Kさんに聞いたら植えてもいいと言ったんですけど・・・」といっても「Kさんがそんなこと言うわけないわ!」と言われるばかり。。。
結局、言われた通り虫除けネットを貼ったりしてアブラムシが飛ばないようにいろいろしていましたが・・・ある日タバコ農家のAさんに
「こんなもん2万ぐらいにしかならないやろ。2万やるから抜いてくれんか?」
と頼み込まれます。これ以上波風を立てたくないし、向こうも生活がかかっているのはわかる・・・結局、全て廃棄することに。
いったい僕は何をやってるんだろう・・・
何度も風で飛ばされたマルチシートを直していた日々、順調に芽を出してくれていたジャガイモたち。自分の無知さ、情けなさ、悔しさで泣きました。
最初に相談したKさんに、後日聞きました。
「じゃがいもはタバコの天敵って知らなかったんですか!?」
どんな答えが返ってくるかと思えば、
「いんや、俺は知っちょった」とあっさり。
このことで、私は2つ学びました。
ひとつは、「同じ田舎の人」と思っていたKさんとAさんは隣の地区ではありますが、まったく別の地区だということ。KさんはAさんのことを思いやる気持ちはないし、逆もまた然りです。
「じゃがいもを植えてAがどうなろうが知ったことではない」
つまりそういうことです。
それともう一つ、「儲かる方が正しい」ということ。じゃがいもの方が儲かるなら、逆に「なんでタバコなんかつくってんだ?」となるわけです。
実際、タバコ農家をやめてジャガイモ農家に転身した方もいたようですが、理由は知りませんが自ら命を絶ったと聞いています。また、仲の悪い農家同士、嫌がらせでわざとジャガイモを植えるところもあるとかなんとか。
畑を借りて早々、こんな辛い出来事がありましたが、椎葉のおばあちゃんにもらった麦は順調に育っていました。
麦にも少しアブラムシがつくので、それを見たタバコ農家のAさんが目の前で引っこ抜いて私に見せてきたことがあります(さすがに殴りかかりそうになりました)。
じゃがいもは何も取れませんでしたが、麦は無事に収穫を迎え、黄色く美しく輝く麦の穂は、私にとって希望の光でした。
次回もまだまだ苦労は続きます。
リターン
5,000円

サンプル支援A|ごはん豆+コンセプトブック
古代大豆を水戻しなしで白米と炊くだけで手軽に食べられる「ごはん豆」サンプル(2合分)と、古代大豆に出会った物語を収めたコンセプトブックを郵送でお送りいたします。
<お送りするもの>
・ごはん豆(2合分)
・コンセプトブック(14P)
・お礼状、ごはん豆の食べ方
- 申込数
- 28
- 在庫数
- 1971
- 発送完了予定月
- 2021年4月
5,000円

食べて応援A|プレゼントにも最適!ここく全商品サンプルセット
ここくの全商品のサンプルが楽しめるだけでなく、贈答用としても使用できる箱入り(包装付き)セットです。
<お送りするもの>
・コンセプトブック
・本染手拭い
・お礼状
・ごはん豆(コリコリ香ばし豆ごはん:2合分)
・ごはん麦(プチプチ麦ごはん:2合分)
・きょうははんなりお豆はん(ほんのりピンクの古代黒豆ごはん:2合分)
・むかし麦茶(出がらしも食べられるピンク色麦茶:2リッター分)
・古代大豆で仕込んだ麦味噌(全て自社原料・無添加仕込:100g)
・沖の潮 (自社製造・沖の海水→平釜薪炊き:30g)
・大麦粉(ホワイトソースの素:30g)
- 申込数
- 468
- 在庫数
- 531
- 発送完了予定月
- 2021年4月
5,000円

サンプル支援A|ごはん豆+コンセプトブック
古代大豆を水戻しなしで白米と炊くだけで手軽に食べられる「ごはん豆」サンプル(2合分)と、古代大豆に出会った物語を収めたコンセプトブックを郵送でお送りいたします。
<お送りするもの>
・ごはん豆(2合分)
・コンセプトブック(14P)
・お礼状、ごはん豆の食べ方
- 申込数
- 28
- 在庫数
- 1971
- 発送完了予定月
- 2021年4月
5,000円

食べて応援A|プレゼントにも最適!ここく全商品サンプルセット
ここくの全商品のサンプルが楽しめるだけでなく、贈答用としても使用できる箱入り(包装付き)セットです。
<お送りするもの>
・コンセプトブック
・本染手拭い
・お礼状
・ごはん豆(コリコリ香ばし豆ごはん:2合分)
・ごはん麦(プチプチ麦ごはん:2合分)
・きょうははんなりお豆はん(ほんのりピンクの古代黒豆ごはん:2合分)
・むかし麦茶(出がらしも食べられるピンク色麦茶:2リッター分)
・古代大豆で仕込んだ麦味噌(全て自社原料・無添加仕込:100g)
・沖の潮 (自社製造・沖の海水→平釜薪炊き:30g)
・大麦粉(ホワイトソースの素:30g)
- 申込数
- 468
- 在庫数
- 531
- 発送完了予定月
- 2021年4月

緊急支援|ミャンマー地震へのご支援を

- 現在
- 5,329,000円
- 寄付者
- 663人
- 残り
- 35日

緊急支援|岩手県大船渡 山火事被害へのご支援を

- 現在
- 7,605,000円
- 寄付者
- 805人
- 残り
- 4日

夜の世界で孤立・困窮している女性たちに、必要な支援を届けたい

- 総計
- 172人

【大船渡 山林火災】3.11の被災地が再び被災. 緊急支援を開始!

- 現在
- 3,621,000円
- 寄付者
- 397人
- 残り
- 4日

真の復興は間近!奇跡の美酒、世界流通に向けてあと一押しのご支援を。

- 現在
- 5,294,000円
- 寄付者
- 214人
- 残り
- 4日

継続寄付でミャンマーに希望を ~繋がる支援で避難民の明日を~

- 総計
- 123人

今後の日本の生産者、消費者を救う自然栽培「半夏生米」にご支援を!

- 総計
- 42人