小児がん患者に治療を。BRAF遺伝子変異をもつ小児がんの臨床試験へ

本試験薬（小児用製剤）の承認に関するお知らせ

昨年末、ダブラフェニブカプセルとトラメチニブ錠が特定の体重以上の小児患者さんへの効能追加承認を受けたのを受け、本試験では小さなお子様向けのダブラフェニブ分散錠およびトラメチニブ経口液（ドライシロップ）の患者申出療養を継続してまいりました。

このたび、両小児用製剤は2024年9月24日に製造販売承認を受け、

本日11月20日付で保険適用となり、新発売されたことをお知らせいたします。

対象となる患者さんとそのご家族にとって、大変喜ばしい知らせであり、心よりお祝い申し上げます。

この成果は国際共同治験に基づくもので、製造販売企業、医療関係者、行政機関の皆様の多大なご尽力に加え、患者さんやご家族のご協力、さらに趣旨にご賛同いただいた多くの一般の皆様のご支援の賜物です。関係者の皆様に心より敬意と感謝を申し上げます。

本試験には、全国より9名の小児患者さん（組織球症を含む）にご参加いただき、治療を行ってまいりました。また、国立がんセンター中央病院および京都大学医学部附属病院に分担施設に加わっていただきました。

試験薬の保険適用開始に伴い、本患者申出療養は終了となり、今後は地元の医療機関で保険診療により治療を継続いただけることとなります。

本試験は、引き続き特定臨床研究として約1年間継続し、治療効果と安全性に関するデータを収集・整理したうえで、総括報告書、および一般の方向けのわかりやすい概要書（レイサマリー）の作成を予定しています。

また、今回の承認に至る過程で、組織球症に関するデータが極めて少ないことが判明したため、今後は組織球症に対する治療効果および有効なバイオマーカーを検討する観察研究を開始する計画です。

皆様からのご寄付は、本日に至るまでの患者さんの試験参加費用、薬剤輸入費用、そして多施設化に活用させていただきました。今後は、これらのデータ整理や関連する観察研究のために引き続き使用させていただく予定です。

研究成果がまとまり次第、改めてご報告申し上げます。
引き続き、皆様のご支援を賜りますようお願い申し上げます。

研究責任医師　木下一郎