昨日、ザンビアから帰国をしました。


目標金額である370万円を達成した後も、1000人以上の方が関心を寄せてくださっていること、とても嬉しく思います。
 

支援してくださった方のアンケートの中に、このようなものがありました。

 

先生がエボラに取り組むきっかけとなった出来事や、研究のモチベーションになっている思いなどを知りたい

いままでの活動についてのまとめのページがあると良い

 

私の中でのエボラ研究年表は、ざっくり以下のような感じです。

 

①アメリカでエボラウイルスの研究を始め
偽エボラウイルスを作った

②同時にエボラウイルスが
細胞に侵入するメカニズムの研究を始めた

③日本に帰国後にエボラウイルスに対する
抗体の研究を始めた

④コウモリなどのウイルス保有調査を開始した

⑤エボラウイルスの細胞侵入を阻害する抗体が
治療薬として有望であることを実証した

⑥5種のエボラウイルスを全てに効く抗体を発見した

⑦抗体を使ってエボラの迅速診断キットを開発した

⑧抗体と同じ効果を示す化合物を発見し、治療薬開発へ


今後、新着情報にて、上記の研究内容を少しずつお伝えしていければと思います。

 


今回は、まず、なぜエボラの研究に至ったのかという①アメリカでエボラウイルスの研究を始め偽エボラウイルスを作った「そもそも」のお話をできればと思っています。


*ここからは、クラウドファンディングのプロジェクト担当:田中が、インタビュー方式でお話をお伺いしました。先生のエボラウイルス原点となる、きっかけのインタビューをぜひご覧ください。

 

たまたまそこではウイルスを研究していました。
細菌を研究している教室だったら、細菌学者になっていたかもしれません。”

 

一 高田先生が研究職を目指そうと思ったきっかけを教えてください。


子どものころ(たぶん小学生低学年ころだと思います)から生き物が大好きで、自転車で行ける範囲の野山、池、田んぼ、に出かけていって、昆虫、甲殻類、魚類、爬虫類、両生類など、いろいろな生き物を捕まえていました。捕まえた生き物を飼育したり、標本を作ったりするのが趣味でした。魚釣りも大好きで、釣った魚は食べることもありますが、玄関に水槽を置いてもらって、飼育するのも楽しみでした。

 

両親の出身地である北海道に毎年夏に連れて来てもらっていて、本州にはいない生物を捕まえるとすごく嬉しい気持ちになったのを覚えています。

 

特に、標本がきれいな蝶にはまり、どこに行くにも三角紙(これがあると、捕まえた蝶をはさんで、羽を傷つけないように家に持って帰れます)を持ち歩き、珍しい蝶を見つけると必死に追いかけたものでした。

 

その頃読んでいた本と言えば、月並みですが、ファーブル昆虫記やシートン動物記といったものでした。小学生高学年頃になるとブラックジャックを読み医学関係の分野に漠然とした憧れは持ちました。

 

中学生の頃には、研究者になろうと決めていたと思います。ただ、物理や数学も好きだったので、どの分野かまでは決めていませんでした。生物学かもしれないし、医学かもしれないし、はたまた工学かも、という感じです。
 


一 中学生の時から、すでに研究者になろうと決めていたのですね。研究者の中でも、「ウイルス」の研究をはじめたきっかけは何だったのでしょうか。


北大に入り、獣医学部に進学し、5年生で(獣医学部は6年制です)配属教室を選ぶときに、微生物学を選びました。

 

ウイルスに猛烈に興味があったわけではありませんが、動物が病原体に感染して病気になるって、どういう事?という根本的な疑問が芽生えたことと、獣医学領域では感染症というのは重要な領域だと思ったこと、が微生物学教室を選んだ理由です。

 

たまたまそこではウイルスを研究していました。もしそこが細菌を研究している教室だったら、細菌学者になっていたかもしれません。

 

あまり研究が進んでいない謎だらけのウイルス、エボラとの出会い


一 微生物学の教室で、たまたまウイルスを研究していた…。偶然が重なり今のエボラウイルスの研究があると思うと感慨深いですね。ウイルスの中でも、「エボラ」の研究を選ばれたのは、なぜでしょうか。


エボラウイルス研究の始まりは、北大での博士課程を終えた後、アメリカに留学していた1996年頃です。当時『ホットゾーン』という小説が話題になっていて、それを読んだボスに「エボラウイルスの研究をやってみない?」と言われました。

あまり研究が進んでいない謎だらけのウイルスでしたので、とても興味をそそられ、即答でした。

 

しかし、エボラウイルスを取り扱える安全度が最高レベルの施設(BSL4施設)がそこにはないため、ウイルス自体を持っていたわけではなく、エボラウイルスの一部の遺伝子断片しか材料がありませんでした。

 

 

一 『ホットゾーン』を読んで、エボラの恐ろしさを知ったというのは、応援コメントの中にもありましたね。エボラの研究を開始するにあたり、まずは何をしたのでしょうか。

 

まずは、エボラウイルスの遺伝子の一部を使って、人に病原性を示さない「偽エボラウイルス」を開発しました。それで、病原性が低い病原体を扱っているような普通の実験施設でも、抗体や治療薬の研究ができるようになりました。

 

2000年頃から、カナダに新設されたBSL4施設を使わせてもらえるようになり、本格的にエボラの研究がスタートしました。今は、アメリカのBSL4施設と共同研究を進めています。

 

 

一「偽エボラウイルス」を開発が、今回の抗体や治療薬の研究の一歩に繋がっているのですね。今後も、先生のエボラ研究年表にそって数回にわけ、お話をお伺いできればと思います。

 

 

”誰も知らなかった事を解明する、誰もやらなかったことを試みる”
それが、”誰かの役に立つ”

 

一 第一回のインタビューの最後に、先生が研究者として大切にしていることを教えてください!


知的好奇心とオリジナリティーだと思います。

基本的に研究者は、それが興味深いと思ったら、どんな些細な事でも、あらゆる現象に科学的説明をつけたくなるものだと思います。

 

新しいものを発見した後で、それが何かの役に立つかどうか自分自身で考えるはじめる場合もありますし、他の誰かがその原理を応用して役に立つものに仕上げていくこともあります。

 

私の場合は、研究対象が感染症の病原体ですので、まずはそれについて知り尽くして、感染症対策確立のために科学者として貢献する事という目的が最初から存在します。

 

しかし基本的には、誰も知らなかった事を解明する、誰もやらなかったことを試みるというような事が結果的に重要な知見を提供して、誰かの役に立つものなのだと思います。

 


 


プロジェクトの支援の受付は、3月29日(金)まで。

この新着情報を使って、随時進捗と今回のプロジェクトに至るまでの研究について更新していきますので、引き続き応援お願い致します。

 

 

 

 

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