日本の心、かけがえのない京都の桜をボタニカルアートで未来へ伝えます

今年の春は私にとって、桜スケッチの最も気合のいる時でした。

なぜなら今年100周年を迎える子どものころから大好きな京都府立植物園へのお礼も込めて、植物園にて描いた桜たちをお伝えするこの本を、どうしても今年中に出版したいと願っていたからです。

今年は例年よりも開花が遅く、私がこの春作品展を開催させていただいた、大津の桜の名所であるコミュニティカフェ近くの琵琶湖疎水や三井寺の桜ライトアップも、桜の咲いていない中での開催となってしまっていました。

ライトアップ期間とあわせてくださった私の『桜と笑顔展』がちょうど終わるころに、ようやく桜も見ごろになってきました。

私にとっては作品展の会期中は会場に居たため桜のスケッチへ行けなかったので、作品展終了後から心置きなくスケッチに向かい、当初予定していた200種類の桜を上回る250種類の桜のスケッチを無事に終えることが出来ました。

今年春のスケッチで最後に訪れたのは、京北町にあるお寺に管理されている、京都唯一の天然記念物の桜でした。

そちらのお寺の規則上お名前は伏せさせていただきますが、とても大切な桜との出会いになりました。

桜に会いに行く道中、なぜか胸が騒いだお寺がありました。

そこは『神護寺』、帰ってから調べてみたところ空海に縁のあるお寺でした。

実は京北町に行く前日には、京都府立植物園でのスケッチを終えて、なぜか東寺へスケッチに行かなくてはと思い立ち、終了間近でしたが急いで立ち寄りました。

東寺は平安時代に空海の開いたお寺として有名で、現存しませんが西寺は最澄が開かれています。

桓武天皇の時代、平安京にお寺を建てることは厳しく制限されていて、都の守護として建立が許可されたのは東寺と西寺だけだったそうです。

東寺には、空海が名前を付けたと伝わる『不二桜』があります。

不二とは仏教の言葉で宇宙の根源の存在から見れば、良いも悪いも存在しないという意味です。

今回の桜の本制作を通して、延暦寺や最澄に何かしらご縁を感じている私でしたが空海も？

長くなってきましたので明日へ続きます。