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2025年06月25日 16:39

「現地の方々とのつながりを大切に。」ーARROWS2025年6月の活動報告

2025年6月も、空飛ぶ捜索医療団"ARROWS"は、現地の方々とのつながりを大切に活動を行いました。

 

2月26日、岩手県大船渡市で発生した山火事。1週間以上、燃え続けた山火事で、森林や住家だけでなく、地元の人びとの生活を支える仕事場や、大切な資材なども焼失。その被害は、山から港にまで広がりました。

大船渡周辺の三陸の海で育つワカメは、地元の経済を支える重要な一次産業であり、全国の家庭の食卓にも届けられる名産品です。

 

1年でもっとも大切なワカメの収穫期を迎えようとする時期に発生した森林火災。

空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”は、ワカメ漁の“なりわいを止めない”ための支援を行うことになりました。

 

また、わたしたちは国内外への緊急支援というかたちに留まらず、他国の医療に対して技術的な向上を目指した教育や、持続可能な医療体制の構築に向けた支援に取り組んでいます。

現在、パラオ共和国の医療の質を向上させるために、パラオ国内で唯一の総合病院に常駐している診療放射線技師より、課題と支援活動についてお伝えします。

 

【岩手県大船渡市 山火事】春の訪れを告げるワカメ漁を支える。なりわい支援を通して学ぶ被災地の魅力

2月26日、岩手県大船渡市で発生した山火事は、乾燥した空気や強風などの気象状況も影響し、延焼を続けました。市は、1896世帯4596人に避難指示を発令。1週間以上、燃え続けた山火事で、森林や住家だけでなく、地元の人びとの生活を支える仕事場や、大切な資材なども焼失。その被害は、山から港にまで広がっていきました。

大船渡周辺の三陸の海で育つワカメは、地元の経済を支える重要な一次産業であり、全国の家庭の食卓にも届けられる名産品です。その収穫から出荷までの作業は、3月から4月にかけたおよそひと月の間に集中し、この時期を逃してしまうとワカメの質はどんどん下がってしまい、商品として出荷ができなくなるといいます。

 

山林火災が発生したのは、まさにこの1年でもっとも大切な収穫期をこれから迎えようとする時期。

例年に比べるとワカメ漁のスタートは大きく遅れてしまいました。ワカメ漁を一刻も早くはじめなければならない――しかし、一部の漁師は資材や作業場となる倉庫を失い、さらに刈り取り開始が遅れたぶん、人手不足も懸念されるなど課題は山積み。

こうした事態を受け、空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”は関係各所と話し合い、急遽、ワカメ漁の“なりわいを止めない”ための支援を行なうことを決定しました。

 

具体的な支援は、大きくふたつ。ひとつは、火災でワカメ漁の作業を行う倉庫や漁具を焼失した綾里漁協に対して、収穫に必要な資材を補填する支援。もうひとつは、収穫作業を助けるボランティアを集める活動を、現地の方と連携してサポートする支援です。

 

そこで、ピースウィンズ・スタッフのひとりがボランティアとして、ワカメ漁に参加しました。

ワカメ漁の多くは、家族単位で行なわれています。秋の種付けから冬の剪定、そして春の収穫・加工処理にいたるまでの作業量は膨大で、期間も集中していることから、ひとつの家族だけでまかなうことはできません。そのため毎年、地元の方々だけでなく近県からも多くの人がワカメ漁を手伝いにやってきます。

ふらっと来て手伝っていく人もいれば、「この後用事あるから」と先に帰る人もいます。ワカメ漁は、地元の人びとの生活を支える大切ななりわいであると同時に、大船渡の春の風物詩であり、地域全体で取り組む大切な営みでもあるのです。

今回の“なりわい支援”は、被災された方々の生活再建の一環として行なったものですが、ボランティアとして参加したスタッフにとっても、被災地のことを知る良い機会となりました。

今回の支援は、被災した方々の生計を支えるだけでなく、その大切な文化を紡ぐ一助になれたという点でも、大きな意義がありました。

 

ワカメがどこで育ち、どのような工程を経て食卓に届けられているのか?

それを知ることでワカメがより美味しく感じられるようになり、多くのことを学び、新しい発見と喜びをも与えてくれた支援となりました。

 

ピースウィンズ・スタッフがボランティアとして参加したワカメ漁の様子、ぜひご覧ください!

                                                                                     

 

“撮る”ことから始まる医療支援──放射線の現場、パラオで奮闘中

空飛ぶ捜索医療団"ARROWS"では、現在、パラオ共和国の医療の質を向上させるために、パラオ国内で唯一の総合病院であるベラウ国立病院(Belau National Hospital:BNH)へ、看護師1名が外科病棟で、診療放射線技師1名が放射線画像診断部門で活動を行っています。

 

今回は現地に常駐している診療放射線技師の濵野から、放射線画像診断部門での課題と支援活動についてお伝えします。

 

放射線部門には7名の診療放射線技師(technician)が在籍しています。

 

X線を使うためには安全管理が大事になってきますが、先進国には当たり前の様にある、医療用放射線の安全管理に関する法律がパラオにはありません。

被ばくに関しての意識が根付いていないことは大きな課題で、X線撮影において適切な線量、撮影方法で撮影されるよう、わたしたちが支援に入ることでルールなども整備し、改善に向けて取り組んでいます。

 

BNHは、日本をはじめアメリカや台湾などからの様々な支援を受けていますが、その中でも一番高額といえるのがMRIです。

日本の支援により、2023年7月からMRIの稼働が始まりました。

装置自体は日本政府の支援で整備され操作研修もありましたが、実際のところ現地医療スタッフは十分に使いこなせていないのが現状です。そのため日本からの機材支援に加え、私たちが実際に使うスタッフたちの技術面のサポートにはいり、MRIの撮影技術の向上を目指して日々レクチャーにあたっています。

CT検査についても、2年程前に装置が故障し、日本の支援を経て2024年11月より新たなCT装置が導入されました。使用している医療スタッフは、CT装置の使用経験はあるので取り扱いは概ね可能ではあるものの、こちらも十分に活用できている状況とは言えません。撮影法がスタッフ間で統一されていないため、誰が撮っても同じく正確に処理ができるように、統一性を持った方法でレクチャーを行っています。

実際に、現地医療従事者のみなさんも真面目でひた向きで、私たちが行っている支援から様々な技能を学び、人々に貢献したいという熱にあふれたスタッフばかりです。私たちから現在行っている現地での取り組みの内容を日本政府にも随時報告しています。それによって日本政府からの今後の国際支援がより一層現地の人々の生活に貢献できるものになれればと願っています。

さらに、パラオには画像診断を専門にする医師が不在なため、検査の適切な選択や依頼内容、撮影した画像に基づく診断にも課題を抱えています。

この課題を解決へと導くためには適切な画像診断ができる医師を育成する必要があると考え、今現在パラオ人医師がピースウインズのプロデュースで来日し、パラオ人として初めての放射線科医を目指して日本国内で研修に励んでいます。

 

パラオの医療事情はまだ発展途上であり多くの課題を抱えていますが、様々な国際的な支援が現地の医療現場で着実に実を結びつつあります。

空飛ぶ捜索医療団"ARROWS"は、引き続き現場の医療従事者の声を聞きながら、改善を図っていきたいと思います。

 



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