ユネスコ部員による、観光スポットのご紹介：1年次 高須賀天真

▶「これからも東平を照らせるように」

 

　皆さん、写真に写る赤レンガ造りの建物は一体何をしていた施設だと思いますか？

＜第三変電所＞

　ここは、ガイドブックで紹介されている遺産のひとつ、

　「第三変電所」です。この建物は東平に残る遺産です。

　「第三」といいますが、三番目という意味ではなく、第三集落に建てられたことが名前の由来です。

　この第三変電所は明治37年（1904）に建てられ、昭和40年（1965）までの62年間使用されました。

　ここでは水力発電所から送られてくる電気を家庭用や坑内電車などの工業用に使いやすい大きさに調整する役割を担っていました。

　このひとつの建物から歴史の移り変わりを感じ取ることができます。

＜第三変電所の前でガイド研修をする私＞

　東平地区にも多くの近代化産業遺産を有していますが、東平地区では、レンガ造りの建築物は２か所のみです。

　当時貴重だったレンガをさらに苦労して標高750mの山中へ運び上げ、頑丈に建てた先人の粘り強さには驚くばかりで努力の結晶です。

　また、第三変電所は東平の人たちの暮らしと産業を支え続けました。

　役割を終え、築100年を迎えてもなおしっかりとたたずむ姿から、そのような歴史を感じることができます。

　そのことが、東平が人々の生活の場でなくなった今でも変わらずここにあるのです。

　第三変電所は観光という光を新たに放ち続け、この第三地区を照らし続けてくれると思います。

　僕は、そんな思いで観光ボランティアガイドを行っています。

＜観光ガイドへ挑戦する様子＞

　そのことをガイドブックからも知っていただきたい。

　この第三変電所をはじめ、88か所の別子銅山に関わる場所を紹介しているガイドブックは、持って歩けばガイドブック、家で読んだなら別子銅山の発展・歴史を知るための教科書にもなります。

　この本は別子銅山の近代化産業遺産を過去から未来へと繋ぐ「タスキ」です。

僕はそんなガイドブックをより多くの方に見ていただきたいと思っています。　　　

ご支援をよろしくお願いします。

１年次　高須賀 天真