伝統医療の『明日』に向けて

 

 

※この記事はカンボジア日系フリーペーパー「Phnom」の連載記事です。 

 

6回の連載で、カンボジアの人々の生活にとっては欠かせない、伝統医療について紹介してきました。今後、西洋医学一辺倒ではなく、人々が守ってきた知恵、伝統医療を確立させていくために、伝統薬原料となる薬用植物の安定供給は重要な課題です。

 

 

隣接する近隣諸国は、この豊富な資源の獲得のため地方の村と直接交渉し、村人は現金収入目当てに森林から無計画な伐採を行っています。伝統医療や薬用植物の正しい情報を国内外に示し、不法行為に対し国際的な圧力をかけると同時に、カンボジアの人々が資源の価値を理解し、不法な伐採を抑制していくことが重要です。その上で、安定供給に向けた栽培の推進や、カンボジア産の伝統医療製品開発を進めることができます。この取り組みには、先進国からの技術協力が不可欠です。

 

 

天然資源と製品開発に興味をもつ良識ある海外の機関もありますが、伝統医療に関する基礎的な資料が欠如しているため、調査に踏み切ることさえ困難な状態です。そこで我々は、これまで収集した伝統医療関連データを集約し、出版物を製作するプロジェクトを始めています。限りある天然資源を活用しながら、未来の自然環境を守っていくことの重要さを、カンボジアの人々と国際社会に浸透させ、人類の財産である自然の叡智を次の世代に引き継いでいくための大切な取り組みです。

 

 

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