「植物分子科学の進展と園芸植物ライブラリー」

応用生命化学科 准教授 華岡 光正

 

 植物分子科学は、植物に含まれる様々な物質の分析や、それらの合成や蓄積にかかわる遺伝子・タンパク質の機能を、分子レベルで明らかにしようとする研究分野です。

 自ら動くことのできない植物は、動物とは異なる独自の環境適応能力を持っています。また、植物にしか作ることのできない特有の物質を生み出すことで、病虫害や過酷な自然環境から身を守る方法を発達させています。園芸学部では、身の回りの植物や多様な園芸品種を対象として、それらが持つ特徴的な物質やはたらきを明らかにするとともに、得られた知見やノウハウを利用することで、新しい高機能性植物の開発を目指した研究を進めています。

 今回のアカデミック・リンク松戸プロジェクトでは、歴史と伝統に基づいた園芸分野の専門図書館としての機能に加えて、植物分子科学の研究成果である物質・DNA・タンパク質などのバイオデータを幅広く収集したデータベースである「園芸植物ライブラリー」を構築していきます。園芸植物に関するバイオデータバンクは海外も含めてあまり整備されておらず、植物科学を学ぶ学生や研究者のみならず、園芸を楽しまれる全ての市民の皆さんにとって「ちょっと知りたい」情報を気軽に検索でき、「カユイところに手が届く」データベースとなるよう整備していきたいと考えています。来年度の図書館のリニューアルに合わせて公開を予定している「花色素ライブラリー」をはじめとして、様々な園芸植物が持つ色素や栄養素などの成分や、ゲノム配列やタンパク質機能などのデータを拡充させていきます。

 植物分子科学は、次世代に役立つ機能性植物を作り出すために必要なバイオテクノロジーとも深く関連しています。バイオ研究は昨今の成長がめざましく、学生からの人気も非常に高い分野です。園芸学部では、実験や実習に特に力を入れることで理論と実践の両方を重視しています。このたびリニューアルする図書館の1階部分には学生実験実習室が設置され、講義で学んだことを実験や実習に活かすとともに、実験・実習の中で疑問に思ったことを階上の図書館で調べながら、アクティブラーニングスペースでお互いに議論ができるという、望ましい学習環境を提供できます。

 「ライブラリー」は「図書館」と「データベース」の両方の意味を持ちます。千葉大学園芸学部の新しい「ライブラリー」にどうぞご期待ください。

 

バイオ実験風景

 

植物分子科学実験室

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