9月14日
それまで行なっていた、コミュニティーラボのあり方をガラリと変えた「結のファブ2.0」の日がやってきた。もし、帰国直後に起こった出来事がなければ、レーザーカッターに頼り過ぎたプログラムをずっと組み立てていたに違いない。毎週金曜日のコミュニティーラボを手伝ってくれる変わりに、レーザーカッターを使用できるとした学生との関係性もなくなる。FabLabKamakuraでプロジェクトを行ないたいという意欲だけがモチベーションになる。



新規募集した中で、どれくらいの学生が協力してくれるかは未知数だった。朝一番に、蔵に行き大窓を開けて掃除をする。朝10時から30分は、蔵の掃除をするのが日課だった。大学で経営学を学ぶヤマグチくんという学生から「Readyfor?の記事を興味深く読んでいました。ぜひ、以前から興味のあったFabLabとコミュニティーでのビジネスモデルを研究したい」と連絡があった。
 


「どんな人でも、朝の掃除からはじまるけど、それでも参加しますか?」
 

 

と彼に返信すると、「喜んで!!」という返事が帰って来た。真っ先に蔵に来たのは、ヤマグチくんだった。少し経つと、以前からずっと手伝ってくれている大学院生のカナサキくんが、自転車で汗だくになりながらやってきた。




「それでは、暑いけど、草が茂っているから草むしりをみんなでしましょう!!」と3人で、蔵まわりの雑草を抜いていた。デジタルといいながら、現実はとてもアナログなことの積み重ねなんです。草を刈りながら、カナサキくんが、




「どうやって関わるかはわからないけど、何かできることがあればしたい」

 

 

 

と話してくれた。私は彼らをサポートしようとして、どうしようもなく彼らに助けられているのだと痛感した。気を抜くと泣きそうだったので、私はひたすら草をむしっていた。歳なんて関係ないんだなと。自分に自信がないとカナサキくんは以前言っていたけど、人として本当に大事なものを彼は持っているのを彼自身は気がついていないのだとも思った。宝物のような、本当に尊いものを。



3人で一気に雑草を刈ると、以前よりも蔵がスッキリして見えていた。

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