北米での森林火災も史上最悪に！ GEO-5が危惧していた悪循環

昨年7月～今年2月まで続いたオーストラリアでの森林火災は史上最悪であったが、今起きている北米での森林火災も史上最悪になろうとしている。

 

カリフォルニア州では、９月１０日の時点で昨年の20倍の規模になっていた。米西海岸全体では、９月１５日までに20000平方Km以上が焼失（東京都の９倍）。

 

大量の煙が放出され、そこに含まれる黒色炭素（スス）が、雪や氷の表面を暗くし、アルベドを低下させて、日光の吸収を増加させる。そのため、大気の加熱に加えて、北極地方、ヒマラヤ山脈、他の氷河や雪で覆われた地域など、世界中の融雪と融氷を加速させる（GEO-5上巻P.56）。海氷が融けると、これまで反射して宇宙に戻っていた太陽光は海にもろに吸収されて海水温を上昇させ、温暖化を加速する。温暖化すると、森林火災がさらに発生するという悪循環（正のフィードバック）に陥る。

 

　　　　　　　NASAの人工衛星がとらえた米西海岸のオレゴン州での大規模な森林火災

　　　　　　　　　　　　出典：NASA　https://www.nasa.gov/image-feature/goddard/2020/nasas-aqua-satellite-captures-devastating-wildfires-in-oregon

 

 

　　　　　　　　　米西海岸で現在も続いている森林火災（赤い部分）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2020年9月15日の状況。 

　　　　　　　　　　　出典：NASA https://firms.modaps.eosdis.nasa.gov/map/#t:adv;d:2020-09-15;l:street;@962.6,38.1,5z