昔はどこの山でも炭焼きをやっていました。山に入り木を集め、その場で窯を作り、炭を焼きました。その時に出る煙を動物たちは嫌がりました。

 

地面に落ちた木は拾われ、大きく育った木は刈られ、山には十分な光が入っていました。

 

「昔の山は明るかった」

 

集落の年寄りは言います。

 

 

 人が入ることのなくなった山は荒れ、うす暗く、薮が人を拒み、動物が身を隠すようになります。里へ降りて来た動物達は、田や畑を荒らします。

 

 

 今年の石神菜の花畑は全体の2割程度の咲き具合でした。種や土、気候、様々な要因が考えられますが、その一つに鹿による食害があります。

 咲いている菜の花をよく見ると、茎の先端が折れていることに気がつきます。鹿が食べてしまった跡です。脇芽が育ち、花を咲かせることができた株もありますが、小さいうちに食べられてしまった株は、花を咲かせることができませんでした。毎晩、群れで上がってくるため、畑の真ん中に獣道ができるほどです。

 

 

 昔は猪や鹿の害は今ほどではなかったそう。山に人が入ることで動物と人の棲み分けが自然にできていました。

 

 

 今は獣が入らないよう、田畑や集落の周りに電気柵を張り巡らせます。山と里にはっきりとした線引きをするこの方法が最も効果的なのかもしれませんが、その風景や考え方に違和感を感じることも確かです。

 

 

昔のように自然な棲み分けがされた健全な暮らしの風景を取り戻すことはできないのでしょうか。私たち石神なの花会は美しい風景をあきらめません。新しい自然との関わり方を考え続けます。

 

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