プロジェクト概要

①これまでの経験を、これからのチャレンジにつなげたい


 はじめまして。同志社大学4年生の尾高孝文と申します。

 この度、来年の2月末~3月上旬にかけて、台湾の国立交通大学を主催者として日本語ディベートの国際大会を初めて開催することになりました。私は、この大会の開催に向けて結成された大会実行委員会に学生有志として参加し、その一員として、日本各地や海外にいる実行委員の皆さんと日々連絡を取り合いながら準備を進めています。また、他方で、関西の各大学のゼミでディベートに取り組んでいる学生の皆さんや、中学高校でディベートを経験したことがある学生の方々をターゲットに、本大会の宣伝活動を進めています。

私は、高校時代に日本語ディベートを始めました。当初「人前で話すことの苦手意識」や「考えていることを思い通りに言い表せないもどかしさ」を克服したいと思ったことが、ディベートを始めるようになったきっかけでした。しかし、自分が思い通りに活動できなかった後悔から、大学進学後も選手として大会に出場したり、他方でスタッフとして大会に携わったりすることでディベートとの接点を持ち続けています。

 ディベートを通じて、当初の苦手意識を克服することができたのはもちろんですが、他方で「人の話を聞く力」や「論理的に考え、表現する力」も体得することができたと思っています。いまだに「論破する」、「言い争う」、「相手を言い負かす」などと誤解されることの多いディベートですが、ディベートをやっていても悪いことばかりではありません。ディベートは、チームプレーを前提に肯否それぞれの立場を必ず経験するので、異なる考え方を横断しながらリサーチや議論の作成を行います。したがって、事前の試合準備から試合の本番まで、すべての過程において論理の構築などの総合的な言語トレーニングをすることができます。さらに、試合ごとに勝敗がつくというゲーム要素も持ち合わせていることから、個々人が目的意識を持っていればモチベーションを高めることのできる「知的な競技」であるともいえます。このような点から、私にとってはむしろ為になることが多かったというのが率直な感想です。そして、このような感想は、いかなる形であれ一度でもディベートを経験した方なら間違いなく感じることではないでしょうか。

 私たちが準備を進めているのは、ディベートの技術を磨くことに特化しない、言語トレーニングを主眼に置いた日本語ディベートの国際大会です。「日本語でディベートができる大学生」であればどなたでも申し込み可能です。つまり、日本語学習歴やディベート歴は問わないことで参加のハードルを低くしています。また、日本語学習者だけでなく日本人の参加者も募集することで、「日本語で国際交流」する場も提供します。本大会を通じて、少しでも多くの方に日本語ディベートの良さを認知していただければ、また、外国語として日本語を勉強している学生の皆さんのお役に立てることができれば、大会実行委員の一員として幸いに思います。
 

副審として試合を解説する尾高

 

 

 

②日本語学習者のニーズに応えながら、現地の先生方の抱える課題を解決するための大会プロジェクト


 近年、アジアを中心とする国々における日本語学習のニーズが高まっています。これらの国々では、日本の伝統文化や日本のアニメなど、いわゆる日本のカルチャーに関心を持った学生が、外国語として日本語を学び始めることが多いようです。しかし、そのようなニーズの高まりに対し、完全に応えることができていないという大きな課題があります。主たる例としては、世界中の日本語学習者同士が一堂に会する交流イベントが少ないという点や、日本語学習者と日本人とが直接交流する機会が少ないという点など、世界レベルの学生間の交流ネットワークの脆弱性という課題が挙げられます。

 こうした課題を解決する一つの手段として、日本語学習者を対象にした日本語ディベートの大会を開催する方法があります。これまでも韓国や台湾でもそれぞれの国の日本語学習者が出場できる日本語ディベート大会が開かれてきましたが、結果として各国の国内のニーズに応えるのみにとどまっており、先に述べた、世界レベルの学生間の交流ネットワークの脆弱性は解決できていないというのが現状です。

さらに、これらの各国のディベート指導者自身がディベート教育を学べる場や交流する場もかなり少ないため、現地における教育体制が整備されず指導者不足が起きています。最近では、審判ができる指導者が不足していることから、審判トレーニングを受けていない日本語教師の先生方に審判をお願いせざるを得なくなりますが、日本語能力の評価に偏った試合講評が却って選手からの不満を抱かせることになっています。当然ながら、先生方もその不満に耳を傾けないはずはないものの、「どのように指導したら良いのかわからない」と思いながら、審判トレーニングを受けられずに困っています。

 今回日本から審判を派遣するために私が支援金を募ることになった背景には、日本語ディベートに取り組む日本語学習者の満足度を高めたいこと、現地指導者の審判トレーニングを通じて指導の質を高めたいこと、それぞれのニーズを同時に満たす必要があるからです。
 

選手のスピーチを聞きメモを取る台湾人の主審

 

③日本語ディベートと国際交流のコラボレーション

 私たちが準備を進めている国際大会は、「日本語ディベート×国際交流」をコンセプトとした大会です。台湾のみならず韓国、中国などのアジアで日本語を外国語として勉強している学生の皆さん、さらには日本人学生の皆さんにも広く参加を呼びかけており、いわば国際交流という側面も持ち合わせたキャンプ形式の大会になっています。また、最終日には参加者同士の親睦を深めるため、一日観光のプログラムも企画しています。

 外国語として日本語を勉強している日本語学習者の皆さんは、おそらくかつての私以上に「考えていることを思い通りに言い表せないもどかしさ」を感じているかと思いますが、この大会を通じてそれを少しでも克服する一助になれば良いと思っています。一方で、日本人の皆さんには、日本語を学ぶ海外の学生たちと日本語ディベートを通じて交流することで、「自分の発言が相手にちゃんと伝わっているか」、「どのような伝え方が良いのか」などを意識していただき、異なる価値観を持つ他者とのコミュニケーションを円滑化させるきっかけを持っていただければ幸いです。

立論と準備中の様子

 


 

④初めての「日本語ディベートの国際大会」という種を蒔いた後の世界とは


 私たち実行委員一同としては、まずは初めて開催する本大会を成功させることが大きな目的になりますが、大会を開くだけで満足することはありません。つまり、「種を蒔きっぱなし」にするのではなく、「蒔いた種を実らせる」ためにやるべきことを考えたうえで、本大会の準備を進めています。では、「種を蒔いた後」はどのように実らせるのか。私たちは次の2点に狙いを定めています。

 1点目は、日本語ディベート大会を通じて、日本語学習者のモチベーション向上を喚起することです。本来、日本で行われている日本語ディベート大会は、ディベートを通じて「傾聴力」や「論理的思考力」などを得ることを選手に期待していますが、本大会は「日本語学習者のモチベーションを向上させる」ことが大きな目的です。もちろん、本来のディベートを通じて得られる効用も期待しないわけではありませんが、それらに比重を置きすぎるあまり、日本語学習者の学習モチベーションを下げてしまっては大会の意味を成さなくなります。あくまでも、日本語を「聞いて」「書いて」、そして、日本語で「話し合って」「伝える」こと、そのためのツールとして日本語ディベートがあり、日本語学習者の選手たちには、語学力の向上に限らず、日本語を用いた「総合的なコミュニケーション能力」を期待しているのです。だからこそ、大会を通じてモチベーション向上を喚起することが私たちの狙いの1つです。

 2点目は、日本語ディベートの指導インフラ整備による教員間のネットワーク構築と、日本語学習者同士のネットワーク構築です。日本語学習者のモチベーション向上を狙っていることは先ほど1点目でも述べましたが、私たちの大会のみでは単発的な取り組みで終わってしまうので、先に課題として挙げた中長期的な構想は実現できないどころか、現地の先生方が抱えている悩みを解消することもできません。今回の大会終了後、次回以降の大会運営については未定ですが、今後は国ごとに持ち回りで国際大会を開催することができるよう、体制整備することを検討しています。また、今回の大会では、試合の前日に学生の皆さんが準備を進めている間に、同時進行で派遣審判の方を講師に現地の先生方向けのセミナーも同時開講します。一朝一夕にできることではないので難しい部分がありますが、まずはセミナーを通じて現状の課題を解決できるよう支援する予定です。

 私たち実行委員会は、海外で日本語ディベートに取り組んでいる日本語学習者のニーズを一時的に満たすためだけでなく、これからの日本語ディベートの指導インフラ、ひいては日本語教育や日本語学習者のネットワークの強化を図るために、日本から審判を4名派遣することを決定しました。ですが、皆様からのご支援無くては、大会の成功とその後の構想を叶えることはできません。私たちの趣旨にご賛同いただける方は、どうかご支援を賜りますよう、よろしくお願いいたします。

集合写真ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
2019/2/27から2019/3/4までの間、台湾新竹市の国立交通大学へ行って、大会審判業務ならびにその他キャンプの運営に関わる業務に従事することをもって、プロジェクトを終了とする。

*渡航先のスケジュールについて
2019/2/27:日本から台湾に入国後、国立交通大学に移動し、大会に出場する学生、運営スタッフとともに前夜祭に参加する。 
2019/2/28:国立交通大学で大会に出場する学生への指導をする。
2019/3/1:国立交通大学で現地指導者養成のための講座を開催する。 
2019/3/2:国立交通大学でディベート大会の審判を行う。 
2019/3/3:国際交流バス旅行(台湾文化体験)に同行する。 
2019/3/4:台湾から日本に帰国する。

*参加する大会について 
正式名称:日本語ディベート選手権国際大会 
2019台湾(URL:https://istdebate.wixsite.com/ijdebate )
開催場所:名称 国立交通大学綜合一館、URL http://www.nctu.edu.tw/ 、住所 30010 新竹市大学路1001号 
参加の可否:参加未定(2018/12/31までに決定する) 
※仮に予定していた日にイベントが開催できなかった場合 
返金する。
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