こんにちは。矢田@インドネシアです。

 

日本でも新聞やテレビを通して、インドネシアの森林火災が大きく報じられているようですね。この数週間、主にスマトラ島で発生している火災の煙が、隣国のシンガポールやマレーシアに流れ、深刻な状況を引き起こしています。

 

 

報道から読み取れるように、一口に森林火災と言っても自然火災ではなく、森を切り開き、アブラヤシ(オイルパーム)のプランテーションを作るための大規模な火入れが引き起こしている、人為的な災害です。

アブラヤシの苗木を植えるためにプランテーションを造成する際、手間とコストを省くために森を焼き払うことが火災に繋がっています。

 

 

アブラヤシのプランテーション

 

 

このアブラヤシから採油される「パーム油」、多くの皆さんにとって、耳になじみがないかもしれませんが、実は私たち日本人の生活には大きく関わりのある植物油です。

皆さんが普段口にされるスナック菓子やインスタント麺、洗剤や化粧品などの生産過程で用いられる油で、今や大豆油や菜種油の生産量を追い越して、世界中で最も多く生産されている植物油がパーム油なのです。

 

アブラヤシの実

 

 

このパーム油を世界中で最も多く生産している国がインドネシアで、2220万トンの年間生産量(2010年値)は、世界生産の約50パーセントを占めるまでになっています。

 

森林を皆伐して造成されるアブラヤシのプランテーション。
こんな風景がどこまでも続きます。スマトラ島上空にて撮影。

 

 

多種多様な生き物が生息する豊かな森が切り開かれて、モノカルチャーのプランテーションに代わってしまうことの恐ろしさを想像してみてください。

 

 

アブラヤシの生産地は特にスマトラ島やカリマンタン島が代表的ですが、ジャワ島内でも開拓が進んでおり、このプロジェクトを実施している「グヌン・ハリムン・サラック国立公園」のすぐ近くでも、プランテーション開拓が始まっています。

 

 

 

 

7年前には原生林が広がっていたこの場所も、今や広大なアブラヤシのプランテーションに代わってしまいました。

プランテーションの背後に見える山は、実はこのプロジェクトを実施している国立公園なのですが、森林を伐採して作られるアブラヤシ農園の開拓は、もうすぐそこまで来ています。

 

 

 

このプロジェクトで生産する生姜湯は、在来種のサトウヤシの木の樹液から作られるヤシ砂糖をベースにしています。サトウヤシは地域の人たちによって伝統的に利用され、里山を維持するうえで重要な木のひとつでもあるのです。

 

サトウヤシの木

 

 

おなじヤシ科の植物でありながら、多様性を維持したままの森で育つサトウヤシと、モノカルチャーで栽培されるアブラヤシとでは、自然環境への影響に大きな違いがありますね。

 

プロジェクト実施地の里山です。

森の中にサトウヤシの木が点在しているのがわかりますか?

 

 

 

プロジェクトでは、森を伐採してプランテーションにしてしまうのではなく、森は森として維持しながら、樹液だけを頂いて作るヤシ砂糖を有効利用した商品開発の一環として生姜湯の開発を進めています。

 

 

プランテーション開拓のように森を切り開いてしまうのではなく、森を守りながら利用するというこのプロジェクトの意義に賛同を頂けると嬉しいです。

 

次回はサトウヤシの樹液からどうやって砂糖を作るのか、その過程をご紹介したいと思います。お楽しみに!

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