災害による停電の危機から医療的ケア児の命を守る“K-DiPS”

支援総額

2,330,000

目標金額 2,000,000円

支援者
199人
募集終了日
2020年5月22日

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プロジェクト本文

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【達成の御礼とネクストゴールについて】

 

皆様のご支援のおかげで、目標の200万円に到達することができました!

達成するまで不安で仕方ありませんでしたが、皆様からの応援コメントに大変励まされ、ここまで来ることができました。本当にありがとうございます。

 

ここまでにいただいたご支援は、医療的ケア児や難病、事故などによって医療機器が必要な人と家族が、自分に必要な災害への備えができるK-DiPSアプリを改良していく費用の一部にあてさせていただきます。

 

皆様の応援を、これからの活動のエネルギーにして、次の目標を230万円と設定させていただきます。今後いただいたご支援では、K-DiPSアプリを個人利用していただくために必要な開発費用にあてさせてもらいます。

 

残り5日間ではありますが、K-DiPSアプリの更なる進化のためにどうか変わらぬご支援をよろしくお願い申し上げます!

 

中井寿雄 (2020年5月17日 追記)  

 

 

医療的ケア児と担当の専門職が一緒に、情報をiPadに入力して

災害時の停電や物資の供給停止に備えられるアプリを開発したい。

 

はじめまして!中井寿雄と申します。私は病院看護師やケアマネジャーを経て、現在は金沢医科大学で教員として働いております。専門は災害看護学、在宅看護学です。

 

このクラウドファンディングで、医療的ケア児や難病、事故などにより、人工呼吸などの医療機器が必要な人と家族が、普段から支援を担当している専門職(訪問看護師やケアマネジャーなど)と一緒に、自分に必要な災害への備えができるアプリを完成させたいと考えています。

 

 

 

このアプリが地域に実装されることで、3つの効果が期待できます。

 

1. 本人情報を自治体のサーバへ集約することで、当事者情報に基づいた備蓄、避難計画が実現します。

2. 災害時には、派遣されてきた外部の医療チームに、アプリを使って自分の情報を提示することで、迅速な治療や搬送が可能となります。

3. 発災時の安否確認や避難支援、救助に役立ちます。

 

 

私がこのアプリの開発に取り組むようになったのは、十数年前のケアマネジャー時代に、人工呼吸ユーザーの停電による危機を経験したことがきっかけでした。急遽、発電機や無停電電源装置をご家族や関係スタッフと共に準備しました。

 

その後、研究者として南海トラフ地震による津波被害が想定されている高知県で、医療的なケアや機器を必要とする人を対象とした聞き取り調査を行いました。その時のALSの方の言葉が印象に残っています。

「トリアージタッグ※でいうとグレーだよ。だって、電源が切れたら死ぬからね!」

「避難はあきらめている」

「有事のときは妻とここで即死だよ」

※ トリアージタッグ:災害時に多くの傷病者が出た場合に、重症度に応じて治療の優先順位を決定する「トリアージ」を行います。トリアージタッグとは、トリアージの際に用いる識別票のことです。赤:重症群、黄:中等度群、緑:軽傷群、黒:死亡群に分類されます。

 

これらの言葉から、私は、自分の置かれた状況を実際には存在しないグレーのトリアージタッグに例えなければならない方の無力感や一向に進まない災害時要支援者対策への憤り、そして、「なんとかできないか!」という期待を感じました。本当にあきらめている人は、あきらめているなんて言わないのではないか……と。

このままで良いはずがない!地域には同じ状況の人がたくさん生活しているはず!

 

私は研究を続け、「要支援者の命を守るために取り組むべき3つの結論」に行き着きました。

1, 災害への備えに当事者が参画して、自分のことを自分で決められるようにすべき。

2, 医療機器や処置など専門的な情報は、担当の専門職と一緒に整理し、本人の情報に基づいて備蓄することで、個人の状態に沿った治療やケアが提供できる体制を構築しておくべき。

3, 紙媒体の情報は古くなり使えない!したがって、情報通信技術(ICT)などのテクノロジーを活用すべき。

 

この3つを具体化したのが、当事者が参画し、担当の医療専門職と一緒に災害への備えができる「当事者参画型災害備えシステム: K-DiPSです。K-DiPSは、Kanazawa and Kochi Disaster Preparedness Systemの頭文字をとったもので「けーでぃっぷす」と呼称します。

 

左から鹿児島県肝付町のK-DiPSサポーター中窪さん、松岡さん。3人目が中井、4人目が共同研究者の福島さん。

 

 

 

2019年1月に鹿児島県肝付町にてアプリ試作版を用いた実証実験を行いました。

実証実験をきっかけに、医療的ケア児の個別避難訓練が実現。

 

 

鹿児島県肝付町で医療的ケア児と養護者が、訪問看護師と話し合いながら情報入力している様子。

 

2019年1月から3月に実施した鹿児島県肝付町での実証実験がきっかけとなり、医療的ケア児の津波からの個別避難訓練が実現しました。

 

実施にあたっては、担当の訪問看護師や理学療法士、保健師らが中心となって、保健所や主治医との協議を重ね、関連部局や地域の消防関係者など、まさに地域全体の協力を得ることができました。

 

津波からの高台への個別避難訓練に向けた関係者会議の様子。

 

医療的ケア児とママが、津波到達予測時間内に人工呼吸器を作動させながら高台まで移動する避難訓練を実施しました。

 

 

実証実験より見えてきた、アプリの3つの改良点

 

地域でK-DiPSアプリを用いた実証実験を経て、3つの改良点が明らかになってきました。

 

日常的に誰もが使えるために、1.効率的で負担の少ないデータ収集、2.使いやすさ、必要な項目に迷うことなく到達する、見やすさなどの、ユーザビリティ、3.サーバーに蓄積したデータの集計や分析、地図上への可視化、分かりやすく表示するための改良や機能追加が必要です。

 

今回のご支援で改修を行う機能

1. 入力工数削減

現在の機能では、訪問看護師さんやケアマネジャーさんらが、K-DiPSアプリに医療的ケア児らの情報をその都度再入力する必要があります。基本情報について入力工数が削減されることで業務負担が軽減します。業務負担をできるだけ少なくすることで、アプリを日常業務に加えてもらいやすくなります。

 

2. 使いやすさやデザイン(ユーザビリティ)の改善

実験の結果、課題が明確化し必要項目も明らかになった一方で、入力や表示などの改善ができていません。当事者と専門職が一緒に情報を入力するため、使いやすさやデザインなどは重要な要素です。

 

3.情報を集約するサーバーアプリの開発

サーバーアプリの開発は、地域の医療的ケア児や要支援者を一元的に把握し正確な備蓄が可能となり、自助でできること、共助で助け合えること、公助で手当てすべきことの整理に繫がります。その結果、地域の実情に合った課題の抽出や、より実行性の高いオーダーメイドの備えの対策への貢献が期待されます。

 

<資金使途>

アプリUI/UX改善   3,500,000円
サーバソフト設計 3,000,000円

いただいたご支援は上記費用の一部に充させていただきます。

 

<開発スケジュール>

2020年 8月 要件定義 完了

2020年 9月 改修システムの開発開始

2020年 12月 改修システムのプロト版 完成(予定)

2021年 3月 改修システムのリリース完了(予定)

 

 

K-DiPSアプリを改良、機能追加し、2020年度の完成にご協力をお願いいたします。

 

東日本大震災以降、海岸堤防・防潮堤や津波避難タワー、高台への避難経路など、ハード面がずいぶん整ってきました。

 

一方で、地域にはタワーや高台に駆け上がることそのものが難しい人がたくさん生活しています。日々の生活に精一杯で、災害について困っていることすら声をあげられない人がいます。

 

個々の状態や状況に合わせて本人と一緒にみんなで考えて意思決定できるK-DiPSは、その対策に必ず役立つことができる唯一無二の方法だと信じています。

 

平常時にできないことは、有事はもっとできません。どうか今できることを一緒に考えていただきたいです。「K-DiPSサポーター」となり、平時から行える共助活動に参画していただきたいです。

ご支援をどうぞよろしくお願い致します!

 

 

 

プロジェクトメンバー紹介

 

中井 寿雄(なかい ひさお)

金沢医科大学 看護学部 講師

わが国の災害時要支援者対策は、未だ発展途上です。

とりわけ、停電や物資の供給停止によって容易に生命の危機をまねく人々への備えの対策は喫緊の課題です。このような人々は同じ年齢や病名であっても、個々に状態が異なるために画一的対策では限界があります。

 

K-DiPSアプリはその対策のひとつの手段として役立つものです。あと一歩前に進めて、一刻も早く要配慮者の皆さんに届け、個別的な対策が充実し、安心を提供できることが目標です。

 

私は、毎日毎日このことを考えています。

外でお話しする機会をいただいたときも、学会の発表、大学の講義やゼミ、会義やその他の仕事、趣味のテニスをしているときでさえも、ずっとこのことが脳に常駐している状態です。

 

しかし、私1人の力ではできることは限られています。

どうか皆さまに現状を知っていただき、それぞれのお立場で一緒に取り組んでいただけると幸いです。

 

 

福島 健一郎(ふくしま けんいちろう)

アイパブリッシング株式会社 代表取締役

 

テクノロジーを活用して社会の課題を解決するという取り組みを営利/非営利問わず、取り組んできました。これまでにもたくさんのプロダクトを開発して世の中に出してきましたが、あるとき、大災害時に命の危険にさらされる可能性がある要配慮者に対する対策が不十分だという現状を知りました。

 

なんとかその課題を解決したい、その思いでこのK-DiPSの開発を何年もおこなっています。

 

「明日、要配慮者という立場になるかもしれない」、誰もがそう感じて自分ゴトとして、このシステムに興味を持ってもらえたら嬉しいです。

 

 

西 聡士(にし さとし)

アイパブリッシング株式会社

私は、K-DiPSのシステム開発を担当させていただいております。

 

これまで実証実験でサポートさせていただきましたが、その中でも避難場所を知らなかったので調べるきっかけになったとの声を頂いたり、 避難訓練の実施に繋がったりと、災害への不安のない町づくりに繋がっていると考えております。

 

K-DiPSが要配慮者の方々に広がるように、何卒ご支援のほどよろしくお願いいたします!

 

 

高田 律子(たかた りつこ)

金沢医科大学 研究推進センター 主任産学連携コーディネーター

災害時に必要なもの・情報・環境の変化に限りなくリアルタイムに対応できる優しい世界を目指す研究姿勢に共感し、 研究成果の社会導出を支援する大学職員として、そして3人の子供の母親として、このプロジェクトを応援しています。

 

日々の生活に溶け込み、そして災害発生時には大きな力を発揮するシステムの実現に、皆さまのお力をどうかお貸しください。

 

木村 洋輔(きむら ようすけ)

金沢医科大学 研究推進課 課長

鹿児島県肝付町、石川県内灘町での実証実験を経て、K-DiPS は、災害時要配慮者の方々が有事の際に必要となる医療機器・資材等の備蓄管理に大変有効なシステムであることを確信しております。

 

本事業の最終目標である、K-DiPSのデータベースに基づいた医療避難所兼備蓄保管庫の社会実装が実現できるよう、皆さまのご協力を賜りたく、何卒ご支援の程よろしくお願いいたします。

 

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プロフィール

金沢医科大学看護学部 講師です。金沢医科大学とアイパブリッシング株式会社との共同研究で、K-DiPSを開発しています。高知県出身です。酒に弱い土佐人です。

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リターン

5,000


K-DiPSサポーターシンプルコース

K-DiPSサポーターシンプルコース

・感謝のメールをお送りします。
・K-DiPSサポーターとして、最新情報をメールでお送りします。
・アプリの「K-DiPSについて」にお名前を掲載します(希望者のみ)。

支援者
94人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年3月

10,000


K-DiPSサポーターベーシックコース

K-DiPSサポーターベーシックコース

・感謝のメールをお送りします。
・K-DiPSサポーターとして、最新情報をメールでお送りします。
・アプリの「K-DiPSについて」にお名前を掲載します(希望者のみ)。

支援者
81人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年3月

30,000


K-DiPSサポータースペシャルコース

K-DiPSサポータースペシャルコース

・感謝のメールをお送りします。
・K-DiPSサポーターとして、最新情報をメールでお送りします。
・アプリの「K-DiPSについて」にお名前を掲載します(希望者のみ)。

支援者
21人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年3月

50,000


K-DiPSサポーターブロンズコース

K-DiPSサポーターブロンズコース

・感謝のメールをお送りします。
・K-DiPSサポーターとして、最新情報をメールでお送りします。
・アプリの「K-DiPSについて」にお名前を掲載します(希望者のみ)。

支援者
2人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年3月

100,000


K-DiPSサポーターシルバーコース

K-DiPSサポーターシルバーコース

・感謝のメールをお送りします。
・K-DiPSサポーターとして、最新情報をメールでお送りします。
・アプリの「K-DiPSについて」にお名前を掲載します(希望者のみ)。

支援者
3人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年3月

200,000


K-DiPSサポーターゴールドコース

K-DiPSサポーターゴールドコース

・感謝のメールをお送りします。
・K-DiPSサポーターとして、最新情報をメールでお送りします。
・アプリの「K-DiPSについて」にお名前を掲載します(希望者のみ)。

支援者
0人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年3月

300,000


K-DiPSサポータープラチナコース

K-DiPSサポータープラチナコース

・感謝のメールをお送りします。
・K-DiPSサポーターとして、最新情報をメールでお送りします。
・アプリの「K-DiPSについて」にお名前を掲載します(希望者のみ)。

支援者
0人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年3月

プロフィール

金沢医科大学看護学部 講師です。金沢医科大学とアイパブリッシング株式会社との共同研究で、K-DiPSを開発しています。高知県出身です。酒に弱い土佐人です。

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