『感謝の雨』

僕が暮らす弓削島ではここ数日、雨の日が続いています。今日も朝から霧のような細かな雨が静かに降っていました。

大きな川がない弓削島ですが、こうして雨が降ると土壌に雨水が浸み込んで、やがて山のあちこちで、雨でできた川が流れ始めます。そんな時山道を散歩すれば、あちこちから水の流れる音が響いてきます。​
 

そして植物は、その水を吸い込んでグングン大きくなります。

たとえばヨモギ。


 

お風呂に入れると入浴剤になります。よく温まるし、ぽかぽか湯冷めしづらい気がします。
そしててんぷらにしてもうまい！ビールがすすみます！
また、島の人たちはこのヨモギを使ってとっても美味しい草もちを作るのです。何度もごちそうになったけれど、よい香りがして、これもまたほんとにうまい。

 

と、つい食べる話になってしまいましたが・・・。

 

正直僕は弓削島で暮らし始めるまでは、野草のことなんて意識したことがありませんでした。ああ、その辺にあるなあ、と思うくらい、いや、それどころか見えていないことの方が多かったもしれません。

そんな僕に、移住してから出会った島の方たちは、身近にある野草を、これは食べられる、こうすると美味しいと教えごちそうして下さいました。
僕が意識できず、また知らなかっただけで、僕の周りには沢山の恵みがあり、島には、それらを生かす沢山の知恵があったのです。

大げさかもしれませんが、弓削島に暮らし始めてから、これまで見てきた世界がちょっと違って見えました。

 

雨の音を聞きながら、僕は、島の暮らしの中にある、たくさんの知恵、そして喜びを、海賊の学校に参加してくださったみなさまと分かちあうことができたら、どんなにいいだろうと思います。
そして雨の音を聞きながら、僕は、弓削島で出会った方々と島の恵みに、あらためて深く感謝するのです。