がんの「手遅れ」をなくしたい－血液診断ですべてのがんに早期発見を－

肺癌は日本人における癌死の第１位であるにも関わらず、肺癌健診の受診率は約4〜5割程度と報告されています。肺癌健診で用いられる胸部X線の検出感度も約６〜8割程度と言われており、現行の肺癌健診で十分とは言えない状況が続いています。

実際に、治癒不能の進行肺癌で発見される肺癌が全体の過半数を占めます。肺癌を治すためには早期発見、早期治療が必要不可欠なのですが、改善の余地が残されています。福山先生は、こういった現状を変え、癌で亡くならない次世代医療を実現したいという熱い思いを持っています。

福山先生とは産業医科大学大学院時代からの付き合いです。福山先生は就職氷河期と言われた時代に内定を勝ち取ったにもかかわらず、あえて茨の道を選び、私たちと4年間、苦労しながら研究生活を送っていたこと、今でも鮮明に覚えています。

私たちは共に体内の免疫を利用した新たな治療薬開発にむけて研鑽に励んでいました。その時に福山先生が発見したがん抗原の一つである「KK-LC-1」が治療だけではなく、15年の時を経て「前がん診断」という新たな分野を切り開くことに、感慨深い思いです。福山先生は常々「大きくなったがんを治療することは難しい。大きくなる前に、がんができる前に処置する必要がある」と言っていたことを思い出します。20年前から福山先生が目指していたことの実現に向けてスタートが切れるよう、皆様からの温かいご支援をお願いしています。