「新たな自然観を探求する」環境教育サマースクールを開催したい

支援総額

3,565,000

目標金額 3,000,000円

支援者
130人
募集終了日
2021年7月31日

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2021年07月13日 12:02

メンバーの自己紹介と想い(伊東真菜美)

 

「つながる感覚」が次の時代の鍵になるー
森の中の学校に暮らす高校生が考えていること。

 

 こんにちは。現在、長野県の森の中にあるインターナショナルスクールに通っている高校3年生の伊東真菜美といいます。

 

 私は高校一年生から、特に環境問題に関心を持ち、SDGs関連の課外活動、Fridays for futureという気候変動ムーブメントに関わってきました。高校二年生の夏からは、長野県にあるインターナショナルスクールに転校し、「人と自然とのつながりを見つめ直す」ことをテーマに、農業と食に関するプロジェクトを始めて学校に畑を作ったり、学校の森にツリーハウスを作って音楽会を開いたりしています。

 

 

 私は東京で生まれ育ったのですが、祖父母の家は東北の農家で、夏休みに帰省するたびに野山を駆けまわっていました。おばあちゃんに頼まれて畑のナスとトマトを収穫し、それを台所に持っていってお昼ご飯を作ったり、親戚と魚釣りに行って、その魚をさばいて食べたこともあります。


 食を通じて自然とのつながりを感じる一方、全く違う形で「自然」を意識するきっかけが訪れました。私が小学校1年生の3月、東日本大震災が起き、もちろん、東北の海沿いにあったおばあちゃんの町も津波で海沿いの建物はほとんど流されてしまいました。その夏帰省したときは、海沿いで見た光景が本当に信じられませんでした。

 

「自然って、時にこんなに凶暴で、私たちの力を遥かに超えたものなんだな」と直感させられた瞬間でした。

 

 きっと、このような幼少期の経験から、「自分は自然に生かされている。そして、自然は人間のコントロールを超えたものだ。」という感覚が、自分の中で当たり前になっていたのだと思います。

 

 小学校4年生ごろ、私はコンビニやスーパーで、「地球にやさしい」というマークや、環境問題の啓発に使われる「地球をまもろう」という標語をよく目にするようになりました。その時、私たちは自然に生かされていて、地球環境がなければ生きられないのに、私たちが地球に「やさしく」するという概念はとっても傲慢なんじゃないか、と違和感を覚えました。しかしその違和感を周りの人に積極的に共有することはなく、月日は過ぎていきました。

 

 

 高校生になってから、ある友人の両親とお話しする機会があり、友人の父に、「君は社会課題に取り組む上で具体的にどんなことをやりたいの?」と聞かれました。まだ社会のことなど何もわからなかった私は、「どうやって社会の中で、ビジネスと環境(問題の解決)を両立させることができるか考えて、実践してみたいと思っています。」と答えました。今思うとバブル期を生きてきたビジネスマンにこんな言葉をぶつけるとは、私も大したことをしたものだと思います。するとお父さんは、「そんなことできるわけないだろう。環境がどうだこうだなんて言ってたら経済が回らなくなっちまう。なんて呑気なこと言ってんだ。」と私にとって衝撃的な言葉を放ちました。

 

 私はその場で思い切り反論することができず、腹の中は煮えくり返りながら「そうですかね。」とだけ返しました。その帰り道、最寄駅の階段を降りながら私は、「地球環境がなくなったら人間も満足に生きていけなくなって、経済なんてあったものじゃない。それなのに多くのビジネスマンは本気で環境なんかどうでもいいと思ってるんだ。絶対そんな概念変えてやる。環境とビジネスの両立は可能だと見せつけてやる。」と泣きそうになりながら固く決心しました。この時の怒りが、私を「次の時代を探す旅」に駆り立てることになります。

 

 そして、私の思考を180度変えることになったのは、マレーシア・ボルネオ島に環境問題を学びにいった旅でした。私は、「環境とビジネスの両立はどうすれば可能か?」という問いの答えを見つけるために、この旅に参加しました。

 


 ボルネオ島にはパームやしという、良質な油の原料になる木のプランテーションの拡大が進み、熱帯雨林が伐採されて絶滅危惧種が増えている、という現状がありました。環境問題について関心があった私は、環境破壊を進めるパームプランテーションは悪だというマインドセットで現地に行きました。


 しかし、パーム農園を案内をしてくれたおじさんは本当に親切で、持続可能な農園認証の取得のために奔走しており「僕も、絶滅の危機に瀕している象やオランウータンがこの島にいる未来が欲しいんだ。」と切実に語ってくれました。しかもパームはマレーシアの経済に不可欠なものでもありました。「パームを売ることで人々の生活は豊かになっている。これは悪ではない。」と私は気づきました。


 誰も悪者になろうとしてはいない。より良い世界を願っているだけなのに、どうしてこんなに上手くいかないんだろう。何を変えなければならないんだろう。と、環境と経済の両立という問いに対する答えを得るはずだったのに、私はこの旅の中で、本当にどうすればいいのか全く分からなくなってしまいました。
 
 それから日本に帰国し、ゆっくりゆっくり時間をかけて私の頭と心は整理されていきました。そのなかで気づいたこと、それは、今変える必要があるのは「片方が立つと反対側が倒れる」というシステムだ、ということでした。全部がうまくいく、次のシステムはどんなものだろう。ゆくゆくは、既存のシステムを変容させていく思想はどんなものなんだろう。それが、私のその後を形作ってゆく大きな問いになったのです。

 

 

 今の社会は、おカネが回ることで成り立っているのだと私は知りました。その中で、GDP、経済成長など数字で測れる物質的な豊かさだけを追求することが社会を動かす価値観、そして実質的な力になっているのです。お金で測れないところに本当の価値があるはずなのに。少しずつそのシステムに違和感を感じ始めている人も、社会で生きていくためには現状のシステムの中でやっていくしかありません。


 このシステムは、最初はうまく働いていたのかもしれませんし、ある程度までは、物質的な豊かさと幸せは比例するのだろうと思います。しかし、知らぬ間に地球の北と南に信じられないほどの格差を作り、社会の中で持てるものと持たざるものの分断を生んでいます。そして、世界各地にあった文化や伝統もどんどん消滅させていきます。どの国の人も、たくさんのビルが立ち並び、自動車が行き交う「発展した」都市を目指しています。だから、どの国に行っても都市の光景は似たようなものです。

 

 そんな中で、次の社会に必要なのはどんなビジョンなのでしょうか。私たちに求められているのは、「自然に生かされている」そして「全てのものはつながっている」という原点に立ち返り「つながる感覚」を見つめ直すことではないでしょうか。食べるものを通して自然とつながる。地域の伝統文化に触れ、昔その土地に住んでいた人の自然とのつながりを追体験する。家族や近所の人とのつながりを見つめ直してみる。そのようにして、私たちの自然観、社会観をアップデートしていくこと。経済成長を最優先にする社会から一歩引いて、自分が自然や他者とつながる感覚に心を従わせてみれば、私たち一人一人が大切にしたいものはおのずと見えてくるのではないかと思います。

 

 

 社会のことは、なんでも国や権力者が決めてやっているわけではありません。社会の動きを変えられるのは、あれこれ指図しているお偉いさんではなく、実際に手を動かしてモノを作っている私たち市民のはずです。すでに変化の方法は分かっています。やるかやらないかは、私たち次第なのです。

 

 一人一人が自然と人との繋がりを見つめ直し、見たい社会を描く時、もう社会変革ははじまっているのだと思います。これから「多様でゆるやかに繋がる」市民の手によって作られる新しい社会は、どのようになっていくのでしょうか。私はとってもワクワクしています。

 

 

■ 伊東 真菜美

 

 

Fridays For Future Tokyo/Japan メンバー。2003年生まれ、UWC ISAK Japanの高校3年生。

リターン

5,000


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プロジェクト応援コース

・感謝のメールをお送りします
・活動報告をお送りします

支援者
30人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年12月

10,000


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オンライン聴講コース

・ゲスト講義をオンライン聴講いただけます
※2021年8月17~20日のサマースクール期間中に実施する、ゲスト講師による講義をオンラインでライブ、あるいはアーカイブで聴講いただけます。聴講に関する詳細は、8月初旬までにメールにてご案内いたします。

・感謝のメールをお送りします
・活動報告をお送りします

支援者
66人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年12月

30,000


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報告会ご招待コース

・サマースクールの報告会にご招待いたします
※報告会は10月に開催予定です。詳細は9月上旬までにメールにてご案内いたします。

・ゲスト講義をオンライン聴講いただけます
※2021年8月17~20日のサマースクール期間中に実施する、ゲスト講師による講義をオンラインでライブ、あるいはアーカイブで聴講いただけます。聴講に関する詳細は、8月初旬までにメールにてご案内いたします。

・感謝のメールをお送りします
・活動報告をお送りします

支援者
20人
在庫数
10
発送完了予定月
2021年12月

50,000


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会津の自然の恵みコース

・会津伝統農法で栽培された有機米を2kgお贈りします
※必要な許認可・資格等をすでに取得している「自然農法無の会」より発送いたします。
※「自然農法無の会」はJASマークを取得しています。

・サマースクールの報告会にご招待いたします
※報告会は10月に開催予定です。詳細は9月上旬までにメールにてご案内いたします。

・ゲスト講義をオンラインで聴講いただけます
※2021年8月17~20日のサマースクール期間中に実施する、ゲスト講師による講義をオンラインでライブ、あるいはアーカイブで聴講いただけます。聴講に関する詳細は、8月初旬までにメールにてご案内いたします。

・感謝のメールをお送りします
・活動報告をお送りします

支援者
8人
在庫数
12
発送完了予定月
2021年12月

100,000


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お名前掲載コース

・ウェブサイトにお名前を掲載いたします(希望制)

・会津伝統農法で栽培された有機米を5kgお贈りします
※必要な許認可・資格等をすでに取得している「自然農法無の会」より発送いたします。
※「自然農法無の会」はJASマークを取得しています。

・サマースクールの報告会にご招待いたします
※報告会は10月に開催予定です。詳細は9月上旬までにメールにてご案内いたします。

・ゲスト講義をオンラインで聴講いただけます
※2021年8月17~20日のサマースクール期間中に実施する、ゲスト講師による講義をオンラインでライブ、あるいはアーカイブで聴講いただけます。聴講に関する詳細は、8月初旬までにメールにてご案内いたします。

・感謝のメールをお送りします
・活動報告をお送りします

支援者
3人
在庫数
12
発送完了予定月
2021年12月

300,000


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コーポレートスポンサー

・ウェブサイトにスポンサーとしてロゴ、組織名を掲載いたします。
※掲載するロゴデータのご送付に関しては、プロジェクト成立後にメールにて詳細をお送りいたします。

支援者
1人
在庫数
9
発送完了予定月
2021年12月

500,000


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スポンサー記念イベント

・ウェブサイトにスポンサーとしてロゴ、組織名を掲載いたします。
※掲載するロゴデータのご送付に関しては、プロジェクト成立後にメールにて詳細をお送りいたします。

・ご支援いただいた組織をスポンサーとして、今後の講義やイベントにお名前を記念として掲げ、開催させていただきます(例:KOTOWARI建設記念講演)。
※講義やイベントは2021年12月までに開催します。詳細は、プロジェクト成立後にメールにてご連絡いたします。

支援者
2人
在庫数
3
発送完了予定月
2021年12月

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