プロジェクト概要

松山が誇る大正時代の文化資産・同人誌『朱欒』を翻刻出版したい!

 

ページをご覧いただきましてありがとうございます。私たちは文芸雑誌『白樺』の影響を受けた松山の若き文化人たちが制作した同人誌『朱欒』の翻刻出版を目指しています。松山市、久万高原町、町立久万美術館、愛媛新聞社が共同で立ち上がり、プロジェクトに取り組みます。

 

『朱欒』は、旧制松山中学時代に同人誌『楽天』を作っていたメンバー(伊丹万作、中村草田男、重松鶴之助など)が中心となって大正末期に作られたもので、後にそれぞれが映画、俳句、絵画などの世界で著名になり活躍する前の若かりし頃の作品集です。

 

中村草田男のご息女である中村弓子様(フランス文学者、お茶の水女子大学名誉教授)より、このたび町立久万美術館へ『朱欒』の寄贈があり、この話が持ち上がりました。大正時代、文芸雑誌『白樺』の影響を受けたグループが発行した雑誌はいくつかあるようですが、制作したメンバーがそれぞれの分野で後に名を上げることになったのは珍しく、また文学的・芸術的価値も高いものと考えています。

 

翻刻出版にかかる費用の補填と、全国的な情報発信を検討していたところ、クラウドファンディングの活用という案が出ました。今回は出版費用の一部となる100万円を目標に挑戦したいと考えております。どうか皆様、このプロジェクト実現のために、お力添えいただきますようお願い申し上げます。

 

左から順に創刊号、第三号、第七号、第九号(朱欒表紙抜粋)

 

 

『朱欒』とは?

松山市出身の映画監督・伊丹万作、俳人・中村草田男、画家・重松鶴之助らは、武者小路実篤や有島武郎らが創刊した文芸雑誌『白樺』に心を打たれた、いわば「松山の白樺派青年たち」でした。大正末期、彼らは同人誌『朱欒(しゅらん)』を作っています。絵画、戯曲、俳句、お互いの批評などを収録した全9冊。深い絆で結ばれ、刺激しあい、高めあいながら、「集団としての青春」を送った足跡を示す貴重な記録です。

 

手書きの原稿

 

 

高原の町の小さな美術館と文学のまち松山、愛媛新聞社が連携します。

 

このプロジェクトは、松山市久万高原町町立久万美術館愛媛新聞社の連携によって実現しました。

 

久万美術館は、愛媛の文化土壌の掘り起こしを進める中で、中村草田男家に収蔵されていた『朱欒』に注目し、「万作と草田男」「重松鶴之助 よもだの創造力」などの企画展で展示してきました。こうした活動を評価して頂き、2015年10月に中村家から『朱欒』の寄贈を受けました。これを機会に、『朱欒』の仲間たちの足跡や息遣いを感じていただくため、翻刻出版を思い立ちました。

 

そして、まず地元の愛媛新聞社へ相談を持ちかけました。『朱欒』の文化的価値、著者たちの集団での創作活動やそれに対する情熱を広く伝えるために協力してほしいと考えたからです。愛媛新聞社は提案に賛同し、両者は出版の計画に取り掛かりました。

 

計画を進めるうち、『朱欒』著者たちが生まれ育ち、ともに創作活動を行った場所である「文学のまち」松山市が、この文化事業にはかかせないという考えに至りました。正岡子規や『坂の上の雲』を生み出した明治時代から、脈々と受け継がれてきた文学の土壌の上に、大正時代の彼らの創作活動があったのです。久万美術館と愛媛新聞社は早速、松山市へプロジェクトの協力を依頼しました。松山市も協力を快諾し、実行委員会を立ち上げることになりました。

 

独自の研究活動を続けてきた美術館が掘り起こした文化資産を、地元の文化芸術の土壌を育んだ行政が連携し、地元新聞社がそれを広く発信していく、という体制が整いました。

 

松山市、久万高原町、町立久万美術館、愛媛新聞社が手を取り合い、このプロジェクトを実現します。

 

 

正岡子規による俳句のほか、小説『坂の上の雲』に描かれた明治時代から愛媛・松山に脈々と受け継がれる文学の土壌。

――大正期の「松山の白樺派青年たち」による同人誌

同人誌『朱欒』には、伊丹万作、中村草田男、重松 鶴之助ら、「松山の白樺派青年たち」によって執筆されました。その執筆メンバ―の一部を紹介いたします。

 

映画監督・伊丹 万作(いたみ まんさく)


  本名・池内義豊(よしとよ)。昭和3年、同窓の映画監督・伊藤大輔の勧めで映画界入り。片岡千恵蔵プロダクション入社。知性派の監督として知られる。脚本家、エッセイストでもある。大正期には挿絵画家として活躍した。

 

 

俳人・中村 草田男(なかむら くさたお)

 

 本名・中村清一郎(せいいちろう)。高浜虚子に師事、「ホトトギス」で客観写生を学ぶ。生活や人間性に根ざした句を模索し、人間探求派と呼ばれた。「萬緑」を創刊・主宰。戦後は第二芸術論争をはじめとしてさまざまな俳句論争で主導的な役割をもった。

 

 

 

洋画家・重松 鶴之助(しげまつ つるのすけ)


  春陽会展、国画会展に出品。昭和元年、第1回聖徳太子奉賛展に出品した「閑々亭肖像」は代表作。同5年、共産党に入党し、左翼活動に奔走する。同8年、大阪で逮捕される。同13年、釈放される早朝、35歳で謎の死をとげた。(画像は同氏作の『自画像』)

 

 

 

 

『朱欒』に納められた伊丹万作の作品には、息を殺して前進する「自分」が捉えた戦場の風景を描き、最後は「恋」の話で夢が覚める「或る夢の記憶」や、数奇な運命で兄と妹になってしまった二人の男女、親しくすることは何か特別な罪悪であるかの様に感じていた男が妹に抱いた恋心が引き起こしてしまった醜い罪の記録を遺書として綴る「穴(後篇)」などがあります。

 

また、俳人中村草田男になる前の中村清一郎は、「童謡と俳句」や山本健吉が草田男の本質だとしたメルヘンの「菊畑」「夕寒い煙突」を書いています。「菊畑」は昔の中国を舞台にした幻想的な作品で、「夕寒い煙突」は未完ですが、少年の心の動きを繊細に描き、のちに「ホトトギス」に発表された原稿の初稿でもあります。

 

渡部昌は、詩や学生の恋愛を描いた小説を多く発表しており、中でも「若い詩人と王姤の恋の話」は若い詩人と王姤の恋に嫉妬した王が若い詩人を殺し、その肝を王姤に食べさせるというドキッとするような作品です。中村明も詩や小説をたくさん残しており、アンチ白樺派的な美術評論に特色があります。

 

(左)第4号口絵 伊丹万作「日本歌舞伎圖」、(右)第7号口絵 伊丹万作「お早やうの圖」

 

 

出版される書籍は、小西昭夫氏(「子規新報」編集長)、吉田拓氏(松山ビジネスカレッジクリエイティブ校・前総合デザイン学科長)による翻刻のほか、芳賀徹氏(文学研究者、東京大学名誉教授、京都造形芸術大学名誉学長)や中村弓子さん(フランス文学者、お茶の水女子大学名誉教授、 中村草田男の三女)らが解説や寄稿文を執筆。ブックデザインは羽良多平吉氏が手がけます。

 

 

愛媛・松山に脈々と伝わる文化芸術を継承するために――。

 

このプロジェクトコンセプトは「集団としての青春」「松山の知的土壌のさらなる醸成」です。

 

『朱欒』の翻刻とともに、「ことば」をテーマにした現代の若手アーティストを取り上げた企画展「Crossover(仮称)」を今秋、町立久万美術館で開催します。また、Webサイト「座朱欒(ザシュラン)」(仮称)の立ち上げも計画しています。実現すれば、このサイトでは翻刻した『朱欒』の内容や魅力、作成された背景なども掲載し、大正時代の文化資産の魅力を伝える一方、現代の若者らに「表現の場」を提供することを目指しています。

 

また現在、「ZINE」と呼ばれる自費制作本が数多く作られています。「雑誌=Magazine」が語源と言われており、同人誌と同様に自費で制作した小部数のオリジナルの出版物で、テーマや体裁も自由、内容もテキストやイラスト、写真など多様な作品が制作され、ひとつの創作文化となっています。これら「ZINE」に見られる活動は、まさに大正時代『朱欒』の制作を通じて行われていた活動と同じとも言えます。表現者の意欲や情熱は、形は違えど時代を超えて脈々と受け継がれてきているのです。

 

このサイトでは『朱欒』同様、メンバーが作品を発表し、お互いの批評やコメントを投稿できる仕組みを検討中です。多くのグループが参加し、現代の表現の場として盛り上がることを期待しています。これらの活動によって、現代版『朱欒』が生まれ、愛媛・松山に脈々と伝わる文化・知的土壌が未来へ引き継がれていく、またこの地から新しい文化芸術のアクションが起こる一助になることを期待しています。我々は、『朱欒』の翻刻を通じて当時の著者たちの活動を伝え、またWebサイトを通じて「表現の場」を提供することは、現代の若者の共感を呼び、文化芸術活動の促進、発展に寄与できるものと考えています。

 

愛媛・松山に大正時代を生きた先人たちの文化芸術を後世に受け継ぎ、今後、この活動を広げていくためには、皆様のお力添えが必要です。今回、ご支援いただいた皆様には実際に翻刻版『朱欒』を受け取っていただけるリターンもご用意しております。どうぞご支援のほどよろしくお願い申し上げます。

 

 

リターンについて

 

同人誌『朱欒』9冊を収録した翻刻版やプロジェクトチームからの感謝状のほか、書籍への支援者氏名掲載や松山市、久万高原町の特産品もご用意しました。

 

※リターンのお届けは10月を予定しておりますが、一部遅れる商品もございます。

 

支援額5,000円に対して、

  • 『朱欒』プロジェクトメンバーからの感謝状
  • 翻刻版『朱欒』の支援者一覧にお名前を掲載します。

 

支援額10,000円に対して、

  • 『朱欒』プロジェクトメンバーからの感謝状
  • 翻刻版『朱欒』(予価5,400円=税込み)1冊贈呈します。
  • 翻刻版『朱欒』の支援者一覧にお名前を掲載します。

 

支援額30,000円に対して、

  • 『朱欒』プロジェクトメンバーからの感謝状
  • 『朱欒』(予価5,400円=税込み)1冊贈呈します。
  • 翻刻版『朱欒』の支援者一覧にお名前を掲載します。
  • 久万高原町の特産品詰め合わせ(2,000円相当)贈呈。
  • 「まつやま農林水産物ブランド」から「瀬戸内の銀鱗煮干し」

 

支援額50,000円に対して、

  • 『朱欒』プロジェクトメンバーからの感謝状
  • 『朱欒』(予価5,400円=税込み)1冊贈呈します。
  • 翻刻版『朱欒』の支援者一覧にお名前を掲載します。
  • 久万高原町の特産品詰め合わせ(5,000円相当)贈呈。
  • 「まつやま農林水産物ブランド」から「紅まどんな」赤秀2L3㎏化粧箱 1ケース

※お届けは11月下旬~12月となります。(出荷の都合により発送時期が変更となることがあります。)

 

支援額100,000円に対して、

  • 『朱欒』プロジェクトメンバーからの感謝状
  • 『朱欒』(予価5,400円=税込み)1冊贈呈します。
  • 翻刻版『朱欒』の支援者一覧にお名前を掲載します。
  • 久万高原町の特産品詰め合わせ(5,000円相当)贈呈。
  • 「まつやま農林水産物ブランド」から「ぼっちゃん島あわび」

※漁獲の状況によっては、同等価格の別の水産物に変更となることがあります。

  • 「まつやま農林水産物ブランド」から「紅まどんな」赤秀2L3㎏化粧箱 1ケース

※お届けは11月下旬~12月となります。(出荷の都合により発送時期が変更となることがあります。)

 

このプロジェクトについて

 

このプロジェクトは、松山市、久万高原町、町立久万美術館、愛媛新聞社の連携による連携文化事業です。

 

松山市

松山市は古くから多くの文学者を輩出し、また「坂の上の雲」や「坊っちゃん」などの小説の舞台にもなった文学のまちです。温暖でおだやかな気候で、城や温泉など観光資源にも恵まれ古き良き雰囲気を持った街でもあります。

[松山市]http://www.city.matsuyama.ehime.jp/

 

松山市の名所の一つ、道後温泉本館

 

 

町立久万美術館

町立久万美術館は、四国山脈に抱かれた高原にある「小さな町の、小さな美術館」です。オープンして約30年、独自のポリシーに基づく常設展と手づくりの企画展を開催しています。『朱欒』プロジェクトは、久万美術館の調査・研究活動の一つ「愛媛の文化土壌の掘り起こし」の一環として取り組んでいる事業です。

[町立久万美術館]http://www.kumakogen.jp/culture/muse/

 

町立久万美術館 外観

 

 

愛媛新聞社

愛媛新聞社は、明治9年創刊の地元紙で2016年には創刊140周年を迎えました。地域、住民の皆様とともに歩み、地域を見つめながら多くの情報を発信し続けてきました。これからも地元の資源を掘り起こし、発信することで地域を作っていく役割を果たしたいと考えています。

「愛媛新聞社」https://www.ehime-np.co.jp/

 

愛媛新聞社本社

 


最新の新着情報