日本では公平な裁判が受けられない？

カルロス・ゴーン氏が言う「日本では基本的人権が無視され、有罪を前提として取り調べが行われる」「あそこにいたら公平な裁判が受けられない」とはどういうことなのか。

痴漢冤罪事件で逮捕・勾留された矢田部孝司さんの例をポッドキャストで聴いてみてください。
http://enzaibusters.seesaa.net/article/471644686.html
彼は女性に触れたわけでもないのに痴漢だと言われ、交番まで行って話を聞いてもらえば分かってくれるだろうと、交番まで行ったことろ、「お前がやったんだろ」と最初の段階から犯人扱い。結局、外の世界とは遮断され、90日も拘留されます。

ゴーン氏の行動のすべてを肯定する気持ちはありませんが、彼が言っている基本的人権とは諸外国並みの権利のことです。外国では弁護士立ち合いの下、48時間以内に取り調べが終わります。しかし、日本では･･･最大23日の拘留が可能で、逃亡の恐れ、証拠隠滅の可能性、別件逮捕などいろいろな理由をネタに拘留期間が延期されます。その間、過酷な取り調べが続き、弁護士の立ち合いも許されず、朝から晩まで「お前がやったんだろう」「認めれば出してやる」などとうその自白を誘導されます。想像してみてください。朝から晩まで何時間も（袴田巖さんの場合は最長で17時間取り調べが続いたと言われています）、「お前がやったんだろう」「認めれば出してやる」「被害者に悪いと思わないのか」「お前の家族がどう思っているかな」「会社にももう居場所はないだろう」と追い詰められます。意志の強い人間でも、精神状態はおかしくなります。

また、言ってもいないことが取り調べ調書に書かれ、それが証拠書類として裁判所に提出されます。日本の司法が中世並みと言われる所以です。これはほんの一例にすぎません。また裁判所が再審開始決定（裁判のやり直し）を命じても、検察は不服申し立てをすれば、再審開始決定を中止できます。大崎事件の原口アヤ子さんの場合、3度も再審開始決定を勝ち取っているのに、再審は一度も始まっていません。ドイツでは50年も前に、この検察による不服申し立てができない法律が出来ています。つまり、日本は50年以上遅れているわけです。

では、どうすればよいのか。「再審法」を変える必要があります。

殺人事件でも強盗事件でもなく、痴漢冤罪事件なのに何故こんなに理不尽な目に合わなくてはいけないのか、是非、ポッドキャストを聴いて、一緒に考えてください。