湖東記念病院人工呼吸器事件の西山美香さんの場合

昨年、驚くべきニュースがありました。滋賀県東近江市の湖東記念病院で2003年、男性患者の人工呼吸器を外して死亡させたとして殺人罪で服役後、再審開始が確定した元看護助手西山美香さん（40）の再審公判に向けた第6回三者協議が大津地裁で開かれました。（殺人ではなく）「たん詰まりで死亡した可能性がある」という解剖医の04年3月の捜査報告書を、滋賀県警が今年7月まで未送致だったことが判明したということです。弁護団は協議後の会見で「滋賀県警が意図的に証拠隠しをしたと疑わざるを得ない」と批判しました。西山さんも「県警は自分たちの都合の悪い証拠は隠して、証拠開示請求をしても全然出さない」と憤りました。

弁護団の説明では、10月末に県警が大津地検に送致していなかった証拠58点が開示されたそうです。「患者はたん詰まりにより死亡した可能性がある」との解剖医の所見の他、西山さんが自筆で記した「故意に人工呼吸器を外していない旨の供述書」なども含まれていたそうです。

つまり、警察は西山さんが人工呼吸器を外して患者を殺害させたのではなく、たん詰まりで死亡した可能性を知りながら、西山さんに殺人犯の汚名を着せ、獄中生活を送らせたわけです。ヤクザよりもタチが悪い組織と言っても良いのではないでしょうか。彼女が失った時間はどうやっても取り戻すことはできません。こんな無茶苦茶なことをやった警察を裁けないなら、日本は法治国家と言えないのではないでしょうか。

このように冤罪は権力を持っている人たちによって作られます。だから声を上げていく必要があります。