こんにちは,落合です.現在,183人ものたくさんの方々から,8,995,000円ものご支援をいただいており,心より感謝いたします.最終日まであと29日.ゴールまで頑張りますので,引き続き応援をよろしくお願いいたします.

 

今回は,LAVAL Virtual awardでINTERFACES & MULTIPURPOSE EQUIPMENT部門を受賞した,高澤和希くんのインタビューです.

 

(高澤 和希/1994年生まれ。筑波大学 図書館情報メディア研究科 図書館情報メディア専攻1年)

 

 HALを作ってみたくて編入した大学で落合先生に出会った


ー 落合先生の研究室を選んだきっかけは何でしたか。

 

僕が茨城高専の電子制御工学科から2015年3月に編入してきたタイミングで、落合さんも筑波大学に着任してきたんです。橋爪と同じ理由なんですが、学内イベントで初めて落合さんプレゼンを見て、「なんだこの人やばい。面白そう」と(笑)。それで研究室に入るのを決めました。

 

本当は編入当時、ロボットスーツHAL※1の山海嘉之先生の研究室に興味がありました。そもそも高専への入学を決めたのも、父の影響でガンダムが好きだったこともあり、中学2年生の夏休みに参加したワークショップで、ロボットを作ったことがきっかけでした。落合さんの研究室に入るまでは、「HALを作ってみたい」と思っていました。
※1 HAL(Hybrid Assistive Limb)は、人間の身体機能の拡張、及び増幅することを目的として開発されたロボットスーツです。

 

 木材や石材、鏡などほぼすべての材料がディスプレイになる


ー 高澤さんの一番思い入れのある研究を教えてくだい。

 

自分がいちばん最初にやっていた研究、「Leaked Light Field from Everyday Material」ですね。木材や石材、鏡、皮など、従来はディスプレイになり得なかったものをディスプレイにする実験を行いました。前回のクラウドファンディングでの寄付金も活用しています。

 

 

研究では「ディスプレイの質感の表現を多様に、自然な見た目で物体に埋め込むこと」に挑戦しています。素材に微小な穴を開け、バックライトからの光をピンホールに通すことで、今までにない素材への情報表示を可能にしました。

 

 

 落合先生からの「夜中の呼び出し」から始まった研究


ー 「従来にない素材でディスプレイを作ろう」と初めから考えていたんですか。

 

いえ、もともとはピンホールという100マイクロメートルほどの小さい穴を使ってプロジェクターを作ってみよう、というのが本来の目的で。ラボに協力してくれているアイシン精機株式会社さんと一緒に始めた研究だったんですけど。

 

いちばん最初にやったことは、落合さんから、夜10時に呼び出しがあって(笑)、夜中にプロジェクターをバラすところからスタートしたんです。

 

ー なんで夜中に(笑)!

 

場所は、大学の研究室だったんですけど、暗闇の方が都合がよかったのと、落合さんも忙しいスケジュールの合間で、切羽詰まっている時間の中でやる必要がありました。分解中に煙が出たり…、誘ってもらえたおかげで、朝になるまで面白いことを色々できました(笑)。

 

そこからプロジェクターの研究は透明なシートに印刷するタイプのものとか、小さいプロトタイプを色々と作ってみたんですけど、あるところでディスプレイにした方が面白いなって。

 

ー「Leaked Light Field」のアイデアは自然に思いついたのですか?

 

いや…、最初は光源にLEDを使おうと思っていたんです。ディスプレイを作るのに、ピンホール一個に対して光源一個が必要だったので、膨大な穴と同じ数のLEDを一個一個、はんだ付けしていったんです。表示領域をある程度広く保つ必要があったんですが…限界が来る。小さすぎて手で持てないし、こんな数できないと思って、心が折れました(笑)。

 

ラボの仲間と話しながら「これはまずい」と。その時に手元にiPadがあったんです。これなら、バックライトもついてるし、液晶も入っているし、なんなら色も出る。気づいたところで一気に進み始めました。その後は、広告用の液晶とかを使用して明るくしたり、もっと高精細なのを作ったりして、幅を広げていきました。

 

(ポスターセッションで説明中。2016年12月マカオでのシーグラフアジア)

 

 

 技術がより便利でスタイリッシュに生活に溶け込んでいく


ー 今後はどのように研究を進めていきたいですか?

 

これからは平面にしか情報表示できなかったことを、立体や曲面にもできるようにすることを考えていきたいです。最近の液晶とか薄くて曲げても折っても大丈夫なので、ペラペラな素材の、例えば洋服やバッグに仕込むのは可能だと思います。

 

あとは主に家具ですね。例えば、見た目はこれまで通り木でできたタンスなんだけど、中に入っている洋服の写真が、木目のまま扉に表示されるとか。他には、机の上にニュースや天気予報が出てくるとかも現実にできるといいですね。

 

鏡を使うともっと面白いことができます。同時に鏡を見ている人に対して、それぞれの視点に切り替えて情報を出すことができるんです。ちょっと言葉での説明が難しいのですが、鏡に反射している物体って、視点の角度によって鏡に映し出される位置がずれますよね。しかし誰から見ても、その鏡に映る物体に対して上手に情報を重ねて出すことを可能にしました。なので例えば、車のバックミラーに実装して、運転席と助手席に座っているそれぞれの人がちゃんと見える形で、同じ場所や物体を指して、強調表示したり情報を出したりできるようになると思います。

 

(アイシン精機株式会社との共同研究で車のダッシュボードに情報表示している例)
 

 

 難しい印象を持たれるテクノロジーの楽しさを広めていきたい


ー 高澤さんの夢はありますか?

 

自分はなんとなく研究者タイプではないな…と思っているんです。研究室にいてもイベントで人前に出る機会があるのですが、以前、磁気浮上の機材を持って行ったイベントで、それを観て喜んでいる人たちが印象的で。テクノロジーって結構難しいイメージを持たれますが、そういった難しそうなものを、子どもたちやそれまで興味があまりなかった人たちに対しても、楽しんでもらえるように、多くの人に広めていくことができたらと思っています。

 

(タイ・バンコクでのシーグラフアジア2017に行ったみんなでご飯を食べに行った時)

 

 Q and A


ー 研究室のユニークだと思う部分を教えてください。

 

「論文を出しまくっている」という感じです(笑)。落合さんは放任主義的ではありますが、質問すれば的確に教えてくれるので、あとは噛み砕いて手を動かしていくことにとにかく集中します。

 

ー 落合先生の面白いところや意外な一面は?

 

意外と運動するタイプだと思います。実は空手は黒帯持っているとか…?あとは、研究室でミツカン酢とか普通のお酢をそのまま飲んでいたような時期もありました(笑)。

 

ー 研究室を後輩にすすめるとしたら、どういう人がおすすめでしょうか?

 

先生が常に見ている環境ではないので、簡単にサボろうと思えばそうできてしまう場所。自分で決めたルールを守って自律的に動ける人が向いていると思います。それと協調性が必要だと思います。自分では分からないことがでてきた時、黙っていたら研究は進まないので、コミュニケーションをとって手伝って欲しいことを伝え、周りに頼れる人がいいですね。

 

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高澤和希(Kazuki Takazawa)

筑波大学 図書館情報メディア研究科 図書館情報メディア専攻1年

落合陽一が提唱するデジタルネイチャーの概念に共感し,共に研究を始める.

主著研究のLeaked Light FiedでWIRED Creative Hack AwardとYouFab Global Creative Awardsのファイナリストに選出.また,ヨーロッパで権威あるLAVAL Virtual awardのINTERFACES & MULTIPURPOSE EQUIPMENT部門を受賞.

 

Web: https://kazukitakazawa.myportfolio.com/

Facebook: https://www.facebook.com/Kazuki.Takazawa12

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