お早うございます。松竹大谷図書館の武藤です。


平成も残すところあと6日となり、ゴールデンウイークが明けると、いよいよ令和時代が始まりますね。このプロジェクトは令和の時代もまだまだ続きますので、引き続きどうぞよろしくお願い致します!

 

■GW中の休館のお知らせ■
2019年4/27(土)~5/6(月)※5/7(火)より通常通り開館いたします。
くわしくは、こちらのカレンダーでご確認下さい。
https://www.shochiku.co.jp/shochiku-otani-toshokan/pdf/2019_calendar.pdf

 

さて、このプロジェクトのご支援で進めております【音貞アルバム】のデジタル化作業ですが、先日株式会社インフォマージュにお邪魔してデジタル撮影の様子を見学させて頂きました!

 

インフォマージュさんは、企業資料の電子化はもちろんのこと、国立公文書館や国会図書館、そして早稲田大学演劇博物館などが所蔵する多様な貴重資料のデジタル化を手掛ける、電子化サービスのプロフェッショナルです。2016年に当館が実行した第5弾のプロジェクトでは、「組上燈籠絵」をデジタル撮影して頂きました。

 

第5弾の新着情報での紹介記事はこちら
【デジタル化を担当して下さる(株)インフォマージュさんについて】
この紹介記事では、インフォマージュさんと松竹の付き合いが、なんと戦前まで遡る事が分かります!

 

また、「組上燈籠絵」の撮影時にお邪魔した際の見学報告はこちら
【インフォマージュ撮影見学】

 

インフォマージュさんは、可動橋として有名な勝鬨橋から徒歩5分程の、運河沿いのビルの中にあります。ちなみに勝鬨橋は昭和45(1970)年を最後に、現在は開かずの橋となっていますが、『魚河岸帝国』(1952年)や『ゴジラ』(1954年)、『こちら葛飾区亀有公園前派出所THEMOVIE勝どき橋を封鎖せよ!』(2011年)など数々の映画の中に描かれてきた名橋で、2007年には国の重要文化財に指定されています。

第6弾の新着情報での、築地や勝どき界隈を舞台とした演劇・映画の資料展示の紹介はこちら
【9-10月の展示「演劇や映画のなかの築地、その界隈」展】

 

さて、インフォマージュさんの見学に話を戻しましょう。

こちらが、株式会社インフォマージュの入口です。貴重資料や企業文書などを預かるためセキュリティは万全で、社員の方にお願いしないとドアは開きません。

 

撮影を行うフロアです。天井から下がる暗幕で仕切られた撮影スペースがいくつもあり、その一つにご案内頂きました。

 

4月の初めにお預けした【音貞アルバム】が、我々を出迎えてくれました。

 


今回の撮影では、台紙全体のほか、貼り込み資料も一点ずつ撮影して頂きます。以前の「【音貞アルバム】撮影打ち合わせと搬出」の新着情報でもご報告しましたが、【音貞アルバム】は1枚の台紙に対して貼り込み資料の点数が多く、また貼り込み資料の裏側にも情報が存在する場合もあるので、撮影順序を決定するのは、なかなか骨が折れる作業です。基本的なルールは定めましたが、台紙によって様々な資料が順不同に貼り込まれているため、撮影漏れが無い事を第一に、撮影の都度モニターや打ち合わせ資料で確認して頂きます。

 

撮影の際は、資料の大きさや色を再現するため、資料と一緒にスケールとカラーチャート(カラーセパレーション)を写します。カラーチャートはデジタル写真の色の基準となるものです。デジタル画像を印刷などで再現する場合でも、カラーチャートの実物の色との差を比較し分析することで、実際の色に近づくよう調整し再現することができます。

 

撮影台の支えには、脚立を組み合わせたものが利用されていました。形がきっちり決まっていない道具の方が、撮影するものや条件に合わせて細かく調整がきく上に、持ち運びやセッティングもしやすいとの事で、出張撮影だけでなく社内撮影でもこうした台がよく利用されるそうです。また、持ち運びという点では、部分撮影などの際、台の方を動かして撮影位置の微調整を行う事も簡単に出来るというという利点もあるそうです。資料の方は負担が掛からないよう、一度セッティングしたらなるべく動かさないようにしているとの事です。

 

資料を置いている撮影台は、被写体を上からガラス板で押さえて撮影が出来る台です。撮影台の下のチェーンは、回すと資料の厚みに合わせて撮影台の高さを微調整する事が出来ます。そうする事で、ガラス板の圧力が資料の負担とならないように圧を減らす事が出来るそうです。もちろん、貼り込み資料などの浮きをより平坦にして撮影する事も出来ます。今回の見学中も、折り込まれた資料を開いて撮影した際、折り目の部分を伸ばすため、チェーンで台を動かし、資料に少し圧をかけて浮きを抑えていました。

 

撮影台に取り付けられたこの紙は、今回の撮影用に作られた、資料の置き位置を決めるための「見当(けんとう)」です。この見当を内側に倒した所に資料を置く事で、撮影時の資料の置き位置を一定に保ちます。資料の位置が決まったら、写真に写り込まないよう外側に倒します。

 

こちらは第5弾の見学報告でも詳しくご紹介したフレームライトです、通常デジタル撮影ではモニターによって撮影範囲を確認しますが、ファインダーを通して光を撮影対象に向けて投射するフレームライトを使用する事で、撮影範囲が照らし出されるので、いちいちモニターを見なくても撮影範囲が確認でき、カメラの位置や角度などを微調整する事が出来ます。

 

カメラのレンズの周りには、資料を抑えるガラス面にカメラの姿が写り込まないよう、黒い厚紙が取り付けられています。

 

写真資料が貼り込まれた台紙の撮影です。当館ではこれまで、クラウドファンディングのご支援により紙資料のデジタル化は行った事がありますが、今回初めて紙焼写真のデジタル化を行います。【音貞アルバム】に貼り込まれた写真は、酸性劣化による銀鏡化(ぎんきょうか)で表面が光沢を帯びたようになっているため、デジタル写真でどのように写るかが心配でした。

 

こちらが、テスト撮影して頂いた画像をモニターで確認したところです。このアルバムの元の持ち主である青木鶴子(右)と、鶴子を引き取った青木年雄(左)と推定される人物が写っています。アルバムに貼られた紙焼写真は退色が進み、肉眼では細かいところまで確認しづらかったのですが、撮影して頂いた画像を拡大して見ると、二人の細かい表情だけでなく、着物の柄や、髪飾りまでよく見る事が出来、これだけでもデジタル化の恩恵を感じる事が出来ました。デジタル撮影する事によって、退色した写真でも、より鮮明な画像を甦らせる事が期待出来そうです。インフォマージュさんでの撮影は、これからしばらく続きますが、全ての資料のデジタル画像の出来上がりが楽しみです!

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