プロジェクト概要

 

 

 

人の音を「聴く」耳、どうしたら美しいハーモニーが生まれるのか考えながら「弾く」感性。その学びを通して、子どもたちの中に自分で考える力=プロペラが芽生えます。

 

そしていつか、自分のプロペラで、大空を力強く進んでいけるように。そんな願いを込めた『プロペラプロジェクト』が、来春フランスへと飛び立ちます。

 

 

人と一緒により良いものを求めて試行錯誤する機会を通じて、自分で考える力を育む『プロペラプロジェクト』

 

ページをご覧いただきありがとうございます。この度プロペラプロジェクト振興委員会の委託により講師を務めることになりました森悠子です。

 

私は教育者・アーチストとして、日本、アメリカ、ヨーロッパで40年以上にわたりヴァイオリン•室内楽の指導にあたってきました。

 

 

その中で、ヨーロッパでは、子どものうちから人と一緒に演奏するということが当たり前のように取り入れられているのに対し、日本ではそういった機会が圧倒的に少なく、ヴァイオリンのレッスンが個人の技術の鍛錬に傾倒していることに気づきました。

 

優れた技術を持っていても、人の音が聴けない、人とともに音楽を創れない。そして、何より音楽を楽しめないヴァイオリニストが日本に多いのは、この子どもの頃の合奏体験の欠如が原因なのではないかと感じたのです。

 

そして、このことは日本の教育全般にもあてはまるのではないかと思うようになりました。何でも効率よく、先生の言う通りに間違えなくできるようになることに重点がおかれた教育では、本来子どもたちの中に潜んでいる自由な発想力や自分で考える力は伸びません。

 

子どもたちに必要なのは、回り道をしても構わないから、より良いものを求めて仲間と一緒に考え、工夫し、試行錯誤する機会であり、その学びを通して、子どもたちの中に自分で考える力、自分で人生を切り拓いていく力、そして人生を楽しむ力が芽生える。

 

そんな信念から2013年に、子どもを対象とした音楽教育プログラム『プロペラプロジェクト』を立ち上げました。

 

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これまでの歩み

 

■プロジェクトのはじまり

 

プロペラプロジェクトの始まりは、2007年夏。京都で開催されたICOキャンプ(International Children Orchestra Camp)にさかのぼります。

 

世界の様々な地域から集まった小中学生が、一週間親と離れて寝食を共にしつつ、一つのアンサンブルを創りあげるという体験をしました。するとどうでしょう。生まれ育った環境、言葉、演奏経験、全てが異なる子どもたちが、最後には信じられないほど素晴らしい演奏を聴かせてくれたのです。

 

この時の模様は、NHK 「夕べのリサイタル」でも取り上げられ、好評のうちに幕を閉じましたが、宿舎、会場などの問題から残念ながら翌年以降続けることができませんでした。

それから5年の時を経て、ICOキャンプは『プロペラプロジェクト子供音楽道場』として生まれ変わったのです。

 

 

■これまでのプロジェクト

 

夏休みと冬休みを利用して、年2回京都を中心に開催しているこの室内楽講習会にはオーディションがありません。「みなと一緒に弾きたい!」その気持ちがあれば誰でも参加できるのです。そうして集まった年齢も実力もばらばらの子どもたちが、二日間かけて1つの曲を作り上げていきます。

 

これまでに計11回の講習会を開催し、参加した子どもの数は延べ300人以上。それぞれが自分の課題に向き合いつつ、共に音楽を創る喜び、達成感、醍醐味を体験しています。

 

ほんの少しですが、子どもたちが奏でる美しいハーモニーをお聞き下さい。

 

 

 

 

<<これまでの講習会に参加した方々の声>>

 

♪小学校6年生/女子

担当:ヴァイオリン


●参加理由を教えてください

参加したきっかけは、当時習っていた教室では年に1度しか合奏がなく、やむなくその機会を逸したときに「合奏したい」と娘が泣いたことでした。そこで、子どもが弦楽合奏できる機会を探しまわり、やっと出会うことができたのがこのプロジェクトでした。

 

●どんなことが印象に残っていますか?
•モーツァルトのアイネ・クライネ・ナハトムジークをやった時に、メヌエットのリズムを感じるためにみんなで輪になってバロックダンスを踊ったこと。
•グランドピアノに顔を突っ込んだり、ピアノの下に潜り込んで音を聞いたこと。すごく集中して聴くと、実際弾いた鍵盤の音以外の音(倍音)が聞こえてきて驚きました。

 

●特に勉強になったことはどんなことですか?

最初は、先生に「よく聴いて!」と言われても、その意味がよくわからなかったけれど、何度も参加するうちに、自分がちゃんと聴けていなかったことがわかり、自分の音の聴き方や周りを聴く感覚が変わってきました。

 

●これからの夢や目標を教えてください

将来は作家か出版社にお勤めしたいです。

 

●親御さんは、子どもたちのどんな部分に成長を感じましたか?

娘は第3回からこのプロジェクトに参加させていただいております。このプロジェクトでは、先生の指導に従って子どもたちが一糸乱れず合奏するというスタイルではなく、森先生は子どもたちに道しるべを示してくださるのみ。集まる子どもたちの年齢に違いはあれど、それぞれが、その子なりに考え、それを音に変えていくとすばらしい音楽に仕上がるのです。毎回たった二日間しか集まって練習することができないのですが、とても濃密な時間を過ごしています。そして、その2日間を過ごした後は、普段の練習曲も生き生きとしてくるのです。

また、森先生は、楽譜を読むことの大切さを教えてくださるので、プロジェクトに参加するようになってから、楽譜に書いてあることを一生懸命読んだり、調べたりするようになりました。みんなと一緒に音楽を創り上げる面白さをを経験した娘は、年2回のこのプロジェクトを今か今かと楽しみにしています。

 

「メヌエットは楽譜では3拍子だけど、舞踏譜では6拍子よ」(第8回プロペラプロジェクトより)

 

 

♪小学校6年生/女子

担当:ヴァイオリン

 

●参加理由を教えてください

はじめてプロペラプロジェクトを知ったのは、2年前の春でした。曲はモーツアルトのバイオリン協奏曲第3番で、娘がいつかこの曲を発表会やコンクール等で弾くかもしれない、また、伴奏も知っておくことでスムーズにソロを弾くことができるかもしれない、という親主導の考えで参加しました。

 

●どんなことが印象に残っていますか?
•初めて申し込んだ時、ソロ譜だけではなく、1st、2ndのトゥッティの譜面、スコアも送られてきたこと

•ただ曲をみんなでさらうだけでなく、曲や作曲家についての解説もあり、曲のイメージを参加者一人一人に聞き、全員の考えを聞く時間を設けられたこと
•部屋中を歩き回り、子供の近くで耳をそばだてて一人一人の声や音をよく聞かれる先生の様子
・「弾かなくていいから聴きましょう」という先生の言葉
•先生がお話ししてくださるヨーロッパでの経験談

 

●特に勉強になったことはどんなことですか?

・スコアによってスラーのかかり方やスタッカートが違い、色々な解釈があること。

・弓の使い方や、イメージの仕方、ハーモニーを感じること。
考えることがたくさんあり、毎回頭を使いすぎて、講習会の日の夜は爆睡でした。

 

●これからの夢や目標を教えてください

いろいろなことに興味があってまだ絞れていませんが、ヴァイオリンでお友達とアンサンブルを結成できたらいいなと思っています。

 

●親御さんは、子どもたちのどんな部分に成長を感じましたか?

娘は、1つのことをじっくりと時間をかけてするのが苦手で、15分も同じことをしていたらモチベーションが下がり、体がふらふらして集中力が途切れていくのがわかりますが、先生がいろんな角度から指導してくださるお蔭で、じっくりと深く学んでいく様子がよくわかりました。

講習会の度に必ず先生が言われる言葉「よく聴いて!」は合奏の一番大切なことを伝えているのだと思います。たくさんの音が折り重なってハーモニーができ、それを聴くことで、自分がどんな音を出すのがいいかを考えるようになってきました。また、何度か参加するうちに、一人で練習する時から合奏の中での自分の役割を意識して弾くようになっています。

「考えて」「よく聴いて」「よく見て」という言葉を講習会ではよく耳にします。受け身だった子供が自分で考え聴いて見ている姿を目の当たりにすると、「プロペラ」という言葉がぴったりだと思います。ゆったりとした時間の中で、周りの友達と一緒に頑張って飛んで、楽しい音楽の体験をこれからも積み上げて欲しいと思います。

 

ピアノに頭を突っ込んで。「なんの音が聞こえるかな?」(2018秋 プロペラプラスより)

 

 

 

どうすれば日本の子どもたちの演奏をより自由で豊かなものにできるだろう、という問いから生まれた『プロペラプロジェクト in フランス』


2019年春、このプロペラプロジェクトがいよいよフランスに飛び出すことになりました。

 

 

プロペラの講習会でとても大切にしていることの一つに楽譜を読むことがあります。それは楽譜が単なる音符の羅列ではなく、作曲家が音楽を通して伝えようとしていたストーリーであるということを子どもたちに理解して欲しいと思っているからです。

 

ストーリーを想像することによって、子どもたちは、楽譜に書いてあるように「正しく」弾くロボットから、お話を語るストーリーテラーになり、そこに自分の演奏が生まれます。では、楽譜からストーリーを想像する力はどうやって養っていけばよいのでしょうか?

 

その鍵となるのが「体験」なのではないか、というのが私たちの出した答えです。

 

 

プロペラプロジェクトに参加している子どもたちのほとんどは、クラシック音楽の本場であるヨーロッパに行った経験がありません。

 

情報技術の進歩により、現地に行かなくても世界中の情報を簡単に入手できるようになりましたが、その土地の空気、色、匂いといったものは、実際に足を運ばなければ知る事はできません。

 

作曲家の生まれ育った環境を知らずに、その作曲家が音楽を通して伝えようとしていたことを読み取ることができるでしょうか?テレビ、インターネットなどから得た体験を伴わない知識から豊かなストーリーを描くことができるでしょうか?

 

そして、これは音楽に限った話ではないと思います。ただ知識をつめこむだけでは、感受性の乏しい頭でっかちの子どもを増やすばかりです。まだ頭の柔らかい子どものうちにいろいろな体験をさせ、豊かな知識と感性を育みたい。そんな想いから今回のフランス行きを企画しました。

 

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<<プロジェクト概要>>

 

今回のプロジェクトでは、皆様から頂いたご支援で、8人の子どもたちとともにクラシック音楽の本場であり、本プロジェクト創始者・森悠子ゆかりの地であるフランスに遊学し、室内楽の講習会および現地の子どもたちとの交流を行います。
 

今回の滞在先 『ラ・ロワンテーヌ』の中庭

 

滞在先は、パリ郊外にある音楽と芸術の館『ラ・ロワンテーヌ』で、子どもたちは、フォンテーヌブローの森の豊かな自然に囲まれながら、9日間にわたり、森悠子そして今回の講習会のために特別に招いた子どもの指導に定評のある現地講師とともに室内楽を学びます。

 

今回の滞在先 『ラ・ロワンテーヌ』内のコンサートホール

 

さらに、今回のプロジェクトでは現地法人Schubertiades Associationの協力により、上述の室内楽の講習会に加え、コンサート、現地の小学校やコンサバトリー(音楽院)の見学、現地の子どもたちとの合奏も企画しています。また、講習会には、近隣のモントルー市内でヴァイオリンの貸与を受けている低所得者層の子どもたちも招待する予定です。

 

なお、講習会には、子どもの指導に携わる方で、森悠子の指導法に興味のある方の見学・参加も受け付けます。

(見学ご希望の方はpropellerfrance@gmail.comまでご連絡下さい)

 


ーいただいたご支援金の使い道についてー

いただいたご支援は、下記の費用として大切に活用させていただきます。


♢ 参加者滞在費(全食事付き) 446,000円
♢ 参加者現地交通費 46,000円
♢ 講師謝礼 240,000円
♢ 随行講師交通費・滞在費 240,000円
♢ 現地講師交通費・滞在費 150,000円
♢ ポスター・プログラム印刷費 15,000円
♢ クラウドファンディング手数料153,000円

 

将来的には、プロジェクトに参加した日本、ヨーロッパの子どもたちを集め、国際子どもアンサンブルを作りあげるのが私たちの夢です。このプロジェクトは、その第一歩だと考えています。

 

 

 

異文化を理解する感性、そして自分で考える力の種を蒔いていきたい

 

技術を鍛錬する事によって、正確な演奏は出来るようになるかもしれません。けれど、楽譜に書かれた音符だけを追った演奏は、いかに流暢であっても底が浅く、説得力がありません。

 

多くのクラシック音楽家が生まれたヨーロッパに足を運び、そこの風景を実際に目にし、そこに行き交う人々の言葉に耳を傾け、肌に空気を感じ、食べ物を味わい、匂いを嗅き、あの作曲家たちはこんなところで曲をかいたのだなあ、と思いを馳せることにより、技術から表現へ、楽譜の上から楽譜の後ろへ目がむくようになってくると思うのです。

 


また、音楽だけではなく、言語・文化の異なる国・人々の中に身を置くことは、人間形成にも大きな影響を及ぼします。

 

まず、いつも自分が慣れ親しんでいる環境から離れて外国に行ってみると、それまで自分が「常識」だと思っていた考えが覆されるようなことが起こります。そういった体験をすることで、ものごとを別の角度から考えられるようになります。

 

また、ひとつの文化の中に留まっていると、異文化に接した時、どちらかが「正しく」「優れている」、どちらかが「間違っている」「劣っている」といった判断をしがちですが、色々な文化に触れることによって、文化の違いを上下で考えるのではなく、単なる違いとして受け入れられるようになります。

 

更には、言語や文化の異なる人々になんとかして自分の想いや考えを伝えようと試行錯誤するうちに、自分の頭の中で考えを整理してから伝える力がつきます。


すぐには実をむすばないかもしれません。けれども、このような体験が種となり、子どもたちの中に自分で考える力というプロペラが芽生え、いつか大空に自分の力で力強く飛び立っていくー。

 

私たちはその種を蒔く人でありたい。この取り組みに皆さまの力を貸していただけませんか?温かい応援・ご支援をお願いいたします。

 

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