ご寄付いただいたみなさまへ感謝と報告書【新潟大学 山崎将紀】
ご寄付いただいた方へ
みなさまご機嫌いかがでしょうか?
2023年の2〜3月にクラウドファンディングに挑戦し、おかげさまで皆さんの支援を得られました。支援で得られた結果をお示しします。
その一方で、クラウドファンディングに挑戦していたころから、予想以上の異常気象になりました。
まずは2023年の夏場の気候を振り返ってみましょう。新潟県を例にします。8月の平均気温は、新潟市が日本で一番暑いこと(30.6℃のタイ記録、平年26.5℃)がわかりました。さらに、この8月の降水量は全国最少、日照時間は全国最多、新潟沖の海水温度は日本一、フェーン現象と呼ばれる乾燥熱風が8月から9月にかけて計4回吹き荒れました。いくつかの災害級の異常気象のために、新潟県産の「コシヒカリ」の一等米比率が過去最低4.9%(平年75.3%)となってしまいました(下図参照)。
新潟大学理学部の本田先生(気象学がご専門)は、2023年8月の新潟市の気象を(良くない意味での)四冠王と表現し、2024年の夏期も高温を予想しています。

2023年は暑かったですが、みんなで栽培や調査を頑張りました。
まずは「コシヒカリ」と多様な29品種との交雑した系統から、高温に強い新品種を探しました(下図参照)。

新潟の高温にも強い系統RILXを発見できました(下図参照)。
この系統は兵庫県加西市でも過去に栽培されていて、そこでも高温に強い結果でした。5ヵ年の栽培の結果、「コシヒカリ」よりも高品質のお米をRILXが生産できることがわかりました。酷暑だった2023年の新潟市の環境でも、整粒率という指標を使ってRILXが57.6%と「コシヒカリ」が13.6%で差があります。

また、稲わらから化学物質を生産しながら、お米の収量や食味の良さをもった新系統も選抜でき、新潟を含む東日本用での栽培を目指していきます。
一方、2023年の新潟県産米の品質が悪かった原因を解明するために、新潟県主催の研究会の座長をしました。数多くのデータとお米の生産者からのアンケートから、高温に対する対策を見出すことができました。これは新品種開発とは別であり、肥料などの活用になります。しかしまだ研究を重ねていく必要があり、新品種と新たな栽培対策をどちらも研究する必要があると考えています。研究することはまだまだありそうです。
ご寄付いただいた、総計448万円の使途について
・今回のクラウドファンディング研究のために3人の人件費 1,264,882円
・返礼としての講演会のための旅費 62,230円
・クラウドファンディングの手数料など 788,480円
・残金 2,364,408円 この寄付金は引き続き、クラウドファンディング研究のための人件費等に活用していきます。
ひとまず報告書は書き終えますが、
2024年も高温が予想され始めました。新品種や栽培方法の改善については引き続き研究していく必要があります。美味しいお米を生産し、イネ生産者を支えていきたいです。
そこで6/10より、クラウドファンディングに挑戦することにしました。みなさまの引き続きの応援どうかお願いします!
明日5/17から2024年の田植えが始まります。圃場見学などご興味ある方はどうぞご連絡ください。みなさんとの交流できることも楽しみです。
新潟大学農学部 山崎将紀




















