戦没学生の音楽作品よ、甦れ!いま戦争の記憶を語り継ぐ

戦没学生の音楽作品よ、甦れ!いま戦争の記憶を語り継ぐ

寄付総額

2,112,000

目標金額 1,500,000円

寄付者
127人
募集終了日
2020年6月12日

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2021年08月14日 14:24

プロジェクト終了報告~「里帰りコンサートin旧奏楽堂」開催

 

ご支援者の皆さまへ

 

 去る8月7日(土)、上野公園内の旧東京音楽学校奏楽堂で「戦後76年・里帰りコンサートin旧奏楽堂」が開催されました。今回「戦没学生のメッセージ」プロジェクトで3回目のクラウドファンディングを行うに当たって、皆さまにお約束したのがこのコンサートの実現でした。本来であれば、戦後75年の節目を迎えた昨年開催される予定でしたが、折からの新型コロナウイルス感染症の蔓延のために、やむなく一年延期したものです。

 

 しかし今年になっても、コロナの流行は収まるどころか、現在、全国的にかつてないスピードで感染者が急増し、第5波の真っ只中です。一時は無観客開催まで覚悟しましたが、国からはイベントの中止は求められず、入場者数を定員の半分以下に制限し、その上で厳重なる感染防止対策を講じることで、タイトルこそ「戦後76年」に変わってしまいましたが、なんとか開催までこぎつけることができました。

 

 これもひとえに、コンサートの開催を辛抱強くお待ちいただいたご支援者の皆さまのご理解と応援の賜物であり、改めて御礼申し上げます。本当にありがとうございました。一部のリターンについては、これから順次実行していくことになりますが、一番大きなイベントであったコンサートが終了いたしましたので、そのご報告をもってプロジェクトの終了報告とさせていただきます。

 

東京音楽学校昭和17年入学組の集合写真(中林敦子氏提供)

 

◆戦後76年・里帰りコンサートin旧奏楽堂

 

 コンサート当日は日本列島の東海上を北上する台風10号の影響で、時折雨が降る不安定な天候でしたが、14時に開場されると次々とお客さまがお見えになりました。開演は15時なので1時間前の開場はかなり早いのですが、旧奏楽堂の展示室をひとつお借りして開催した企画展「戦時下の東京音楽学校生たち」をゆっくりご覧になりたいという方々でした。企画展では、主に今回の演奏会で取り上げる戦没学生たちの手稿譜や写真などの関連資料を展示しました。

 

企画展「戦時下の東京音楽学校生たち」の会場

 

◆第1部「戦没学生たちの多彩な作品、そして学友たちの作品」

 

 コンサートは定刻の15時、旧奏楽堂のオルガンが奏でる鬼頭恭一さんの《鎮魂歌》(オルガン:千田寧子)の優しく深い響きで開幕しました。この曲は、鬼頭さんが仲の良かった従兄弟・佐藤正宏さんが戦死した際に、その魂に捧げるために作曲しました。続いて草川宏さんの《級歌》(コーラス:岡うらら、瀧本真己、岸野裕貴、関口直仁/オルガン:千田寧子)が、やはりオルガンの伴奏によって歌われました。これは草川さんが、同期入学のトランペット専攻の学生の詞に作曲した「クラスの歌」で、昭和15年入学組の仲の良さが伺われるとともに、戦時中とはいえまだ学生生活を楽しむ余裕が残っていたことが推測されます。

 

草川宏作曲《級歌》(コーラス:岡うらら、瀧本真己、岸野裕貴、関口直仁/オルガン:千田寧子)

 

 《級歌》演奏後の舞台転換の時間を利用して、本コンサートのプロデューサーである私(大石)が謝辞を述べた後、村野弘二さんの《重たげの夏》(バリトン:田中俊太郎/チェロ:松本卓以/ピアノ:松岡あさひ)と葛原守さんの《犬と雲》(テノール:澤原行正/ピアノ:筒井紀貴)の2曲が演奏されました。今回のコンサートは全16曲(厳密には大中さんの歌曲を2曲取り上げているので17曲)でプログラムを組みましたが、4曲をワンセットとして構成されていて、ここまでが第1部の前半に当たる部分というわけでした。

 

 第1部は全12曲でしたが、中半の4曲は「作曲課題」や「編曲作品」など、オープンな場では初めて取り上げる曲を紹介しました。それらは従来の意味での「作品」とは呼べないかもしれませんが、習作といえどもそこにはおのずと各作曲家の個性が表れてくるものです。葛原さんの《典則曲(三聲)》(ヴァイオリン:花田和加子/ヴィオラ:中島久美/チェロ:松本卓以)はカノン、草川さんの《Die Doppelfuge》(ピアノ:田中翔平)はフーガの形式で書かれた作曲課題、そして村野さんの《大聖代》(ピアノ:田中翔平)は「紀元二千六百年奉祝曲」と銘打たれていて、彼が東京音楽学校入学を目指して勉強していた昭和15年に書かれた習作です。この年、日本は紀元二千六百年に当たり、国を挙げての祝賀行事が行われました。

 

村野弘二《大聖代》の自筆譜

 

 鬼頭さんの《惜別の譜》(コーラス:岡うらら、瀧本真己、岸野裕貴、関口直仁/ピアノ:松岡あさひ)は、彼の作曲ではなく編曲作品です。作曲者は讃井智恵子さんで、彼女が書いた単旋律のメロディを4声部のコーラスにアレンジしたものと考えられています。二人はかつて東京音楽学校の選科で顔見知りとなり、後に鬼頭さんが配属された福岡県の築城海軍航空隊で、たまたま理事生(事務員)として働いていた讃井さんと再会を果たしたのでした。そして彼女は鬼頭さんの作曲の弟子のような存在となり、この曲が生まれました。歌詞は特攻兵の心情を歌った勇ましいものですが、作曲が女性の手になるものゆえか曲想は抒情的です。

 

讃井智恵子作曲/鬼頭恭一編曲/松岡あさひ補作《惜別の譜》(コーラス:岡、瀧本、岸野、関口/ピアノ:松岡あさひ)

 

 この日のプログラムでは、戦没学生だけでなく当時彼らと机を並べて勉学に励んだ学友たちの作品も取り上げたのが大きな特徴でした。大中恩さんの歌曲《幌馬車》、同じく《母》(以上テノール:澤原行正/ピアノ:筒井紀貴)、團伊玖磨さんの《弦楽三重奏曲》(ヴァイオリン:花田和加子/ヴィオラ:中島久美/チェロ:松本卓以)、畑中良輔さんの歌曲集《「天の夕顔」による四つの歌》(バリトン:田中俊太郎/ピアノ:松岡あさひ)、中田喜直さんの歌曲集《六つの子供の歌》(ソプラノ:金持亜実/ピアノ:筒井紀貴)よりの抜粋がそれで、第1部の最後に演奏されました。

 

 彼らは戦後、それぞれ音楽家として大成した方たちばかりです。團さんはオペラからオーケストラまで、多彩なジャンルで作品を残し、テレビや文筆の世界でも活躍しました。大中さんと中田さんは主に歌曲や合唱曲の分野で、今も多くの人たちに歌われているたくさんの名曲を作曲しました。畑中さんは後年は次第に創作からは離れますが、演奏家・音楽評論家・教育者として大きな足跡を残しました。ただ、今回のコンサートではその趣旨に照らして、彼らが作曲家として名を成した後の作品ではなく、あえて学生時代の作品を取り上げました。

 

大中恩《幌馬車》(テノール:澤原行正/ピアノ:筒井紀貴)

 

 改めて第1部のプログラムは次の通りです。

 鬼頭恭一 《鎮魂歌》

オルガン:千田寧子 

 草川 宏 《級歌》(一色範義詞/風巻景次郎監修)

コーラス:岡うらら、瀧本真己、岸野裕貴、関口直仁/オルガン:千田寧子 

 村野弘二 歌曲《重たげの夢》(三好達治詩) 

バリトン:田中俊太郎/チェロ:松本卓以/ピアノ:松岡あさひ 

 葛原 守 歌曲《犬と雲》(西條八十詩)       

テノール:澤原行正/ピアノ:筒井紀貴 

 葛原 守 《典則曲(三聲)》

ヴァイオリン:花田和加子/ヴィオラ:中島久美/チェロ:松本卓以 

 草川 宏 《Die Doppelfuge》

ピアノ:田中翔平 

 村野弘二 紀元二千六百年奉祝曲《大聖代》

ピアノ:田中翔平 

 鬼頭恭一 歌曲《惜別の譜》(讃井智恵子作曲/鬼頭恭一編曲)

コーラス:岡うらら、瀧本真己、岸野裕貴、関口直仁/ピアノ:松岡あさひ 

 大中 恩 歌曲《幌馬車》(西條八十詩)、歌曲《母》(高村民子詩)

テノール:澤原行正/ピアノ:筒井紀貴 

 團伊玖磨 《弦楽三重奏曲》

ヴァイオリン:花田和加子/ヴィオラ:中島久美/チェロ:松本卓以 

 畑中良輔 歌曲集《「天の夕顔」による四つの歌》(中河與一詩)

バリトン:田中俊太郎/ピアノ:松岡あさひ 

 中田喜直 歌曲集《六つの子供の歌》より

 〈風の子供〉(竹久夢二詩)〈たあんき ぽーんき〉(山村暮鳥詩)〈おやすみ〉(三木露風詩)

ソプラノ:金持亜実/ピアノ:筒井紀貴 

 

團伊玖磨《弦楽三重奏曲》(ヴァイオリン:花田和加子/ヴィオラ:中島久美/チェロ:松本卓以)

 

◆運命の分かれ道

 

 学友たちのうち、畑中良輔さんと中田喜直さんは葛原さん、草川さんと同期の昭和15年入学組、そして大中恩さん、團伊玖磨さんの二人は、鬼頭さん、村野さんと同期の昭和17年入学組でした。昭和15年入学の葛原さんと中田さんは同じピアノ専攻で先生も同じ、また声楽専攻の畑中さんは伴奏のピアノを中田さんが弾くことになり意気投合。畑中さんらはさらに声楽専攻の二人の学生を加えて5人の仲良しグループを結成。自分たちを「五人組」と呼んで、お互いの家を行き来するなど交流を深めました。戦時中といえども、束の間の青春を謳歌したと言えるかもしれません。

 

 一方戦況は日に日に悪化し、昭和18年10月、「在学徴集延期臨時特例」により、たとえ在学中であっても、20歳で兵隊として徴集されることになります。同じ昭和17年入学組でも、現役合格の大中さんと團さんはまだ20歳に達しておらず、それぞれ海軍予備学生と陸軍戸山学校軍学生となり徴集を免れます。しかし浪人して入学した鬼頭さんと村野さんは、20歳になっていたため仮卒業となり、12月に鬼頭さんは海軍に入団、村野さんは陸軍に入隊します。

 

 昭和15年入学組の4人は、昭和18年9月に繰上げ卒業となり、徴兵検査に丙種合格であった草川さんを除き、葛原さん、畑中さん、中田さんの3名は、その年の暮れから翌年にかけて次々に徴兵されます。結局、昭和19年6月には研究科で学んでいた草川さんの元にも赤紙が届き、翌20年には4名とも戦地に送られています。葛原さんと草川さんはフィリピンへ、畑中さんは陸軍一等兵として中国へ、中田さんは帝国陸軍航空部隊の少尉としてフィリピン戦線に従軍しました。

 

 こうして8人の音楽学生たちは学業半ばで東京音楽学校を離れ、それぞれの軍隊生活を送ることになりました。そして葛原さん(フィリピンで罹病し台北の病院で戦病死)、草川さん(フィリピンで戦死)、鬼頭さん(霞ケ浦海軍航空隊で飛行訓練中に殉職)、村野さん(フィリピンで自決)の4名は、戦争で還らぬ人となったのでした。一方、大中さんと團さんは戦地へ行くことはなく、中田さんと畑中さんの二人も生きて戻ってくることができました。生還できるか否か…そこには運、不運が作用したかもしれません。いずれにしても、それはほんの紙一重の運命といえるでしょう。

 

軍事教練中の集合写真、2列目の左から2番目葛原さん、以下右へ畑中さん、中田さん(ナカダ音楽事務所提供)

 

◆第2部「戦没学生の代表作」

 

 コンサートの第2部は次のようなプログラムでした。

 葛原 守 歌曲《かなしひものよ》

ソプラノ:金持亜実/ピアノ:筒井紀貴 

 鬼頭恭一 歌曲《雨》(清水史子詩)

メゾソプラノ:山下裕賀/ピアノ:松岡あさひ 

 草川 宏 《ピアノソナタ第2番》

ピアノ:秋場敬浩 

 村野弘二 オペラ《白狐》より第二幕〈こるはの独唱〉(岡倉天心台本)

メゾソプラノ:山下裕賀/ピアノ:松岡あさひ 

 

 第2部では、4人の戦没学生の作品を1曲ずつ取り上げました。葛原さん、鬼頭さん、村野さんの歌曲は、過去の「戦没学生のメッセージ」プロジェクトでも必ず演奏してきた曲で、いわば定番と言えるかもしれません。しかしそれだけ印象深い曲ということでもあります。また、草川さんの《ピアノソナタ第2番》はこのプロジェクトでは初めて取り上げますが、ピアノの秋場敬浩さんは18年前、信州国際音楽村で開催された「第1回戦没音楽学生慰霊のコンサート」(「戦没学生のメッセージ」プロジェクトとは無関係)でこの曲を演奏しています。2017年の第1回トークイン・コンサートで、秋場さんに草川さんの《ピアノソナタ第1番》を弾いていただいた際、その素晴らしい演奏に触れて、次回は是非《第2番》をお願いしたいと考えていたものです。

 

葛原守《かなしひものよ》(ソプラノ:金持亜実/ピアノ:筒井紀貴)

 

 葛原守さんの《かなしひものよ》(ソプラノ:金持亜実/ピアノ:筒井紀貴)は、恐らく自作と思われる短い詩に作曲された小品で、「かなしひものよ わかれとは」と3度繰り返される美しいメロディが心に響きます。彼はこのメロディがよほど気に入っていたのか、別のオーボエの曲でも同じ旋律をオーボエに歌わせています。

 

 鬼頭恭一さんの《雨》(メゾソプラノ:山下裕賀/ピアノ:松岡あさひ)は、小雨にけむる初夏の一日、南方で戦死した兵士の形見の品が故郷の家に届くというシチュエーションで、静謐な情景描写の中に最愛の人を失った女性の悲しみがにじみ出る佳曲です。戦死した兵士は果たして彼女の夫、それとも息子なのでしょうか…

 

 草川宏さんの《ピアノソナタ第2番》(ピアノ:秋場敬浩)は彼の卒業作品で、3楽章形式、演奏時間16分ほどの力作です。昭和18年9月24日、大島正泰さんによってこの奏楽堂で演奏されていて、この度、実に78年ぶりにその同じホールに響き渡ったことになります。前述したように草川さんにはもう一つピアノソナタがあり、その両方を演奏している秋場さんは、両者を比較すると2番のソナタには、明らかに作曲家としての成長の跡が伺えるとおっしゃっていました。

 

草川宏《ピアノソナタ第2番》(ピアノ:秋場敬浩)

 

 そしてコンサートの締めくくりは、村野弘二さんのオペラ《白狐》より第二幕〈こるはの独唱〉(メゾソプラノ:山下裕賀/ピアノ:松岡あさひ)でした。オペラ《白狐》は岡倉天心の英語台本の日本語訳をテキストに作曲された村野さんの代表曲です。戦争で命を落とすことがなければ、もっともっと多くの曲を残したであろう村野さんに対して、「代表曲」という言い方は相応しくないかもしれません。しかしそう呼びたくなるほど、高い表現力に満ちた曲で、白狐こるはが人間に姿を変えてほしいと神に祈る痛切な願いが伝わってきます。

 

 〈こるはの独唱〉はオペラ《白狐》の一部であり、村野さんが出征前に録音した私家版SPレコードに収録した曲のひとつです。そのため譜面が神戸の家に残っていたので、空襲を免れました。しかし手稿譜に記入されたページ数から、他の部分も作曲されていた可能性が高く、それらの譜面は村野さんの福井の実家に疎開させられていたと思われます。ところが福井が空襲にあい、かえってそれが裏目に出て、今回演奏した部分以外の譜面が失われてしまったことが、返す返すも残念でなりません。

 

村野弘二 オペラ《白狐》より第二幕〈こるはの独唱〉(メゾソプラノ:山下裕賀/ピアノ:松岡あさひ)

 

 今回のコンサートのタイトルは「里帰りコンサートin旧奏楽堂」でした。「里帰り」というのは、会場となった旧奏楽堂が東京音楽学校で学んだ学生たちにとって「ふるさと」とも呼べる特別な場所であり、そこに戦没学生の魂が返ってくるというイメージから命名したものです。そしてもうひとつ、今は鬼籍に入られてしまいましたが、幸運にも戦争から生還した学友たちとの再会を果たすという意味合いを込めました。もし葛原さん、鬼頭さん、草川さん、村野さんにそれぞれの戦後があったなら、どのような音楽家になっていたか…そんな想像を巡らせずにはいられません。

 

◆収支報告

 

 今回のクラウドファンディングでは、150万円の目標金額に対して、2,112,000円のご支援を頂戴しました。現時点ではまだ経費の最終的な締めが出ていないため概算ではありますが、今回の事業に要した経費は次の通りです。

 

【コンサート制作費】

・楽譜浄書編曲等音楽費………………………  80,000円

・演奏者出演費………………………………………530,000円

・会場整理等スタッフ人件費………………370,000円

・チラシ&プログラム等印刷費………… 200,000円

・チケット販売手数料……………………………50,000円

【展示関連費用】

・資料複製費……………………………………………30,000円

・写真パネル製作代……………………………… 70,000円

【その他】

・クラウドファンディング諸経費………200,000円

・リターングッズ制作費………………………100,000円

・リターン等郵送代………………………………  70,000円

 合計             1,700,000円

 

 なお、今回は(公財)台東区芸術文化財団の共催が得られたため、旧奏楽堂の会場使用料・付帯設備使用料等は免除されました。そんなこともあり、40万円ほどの剰余金が出る見込みとなりましたが、これは本プロジェクトの今後の活動に充てさせていただきますので、ご理解のほどお願い申し上げます。詳しくは本終了報告の最後、「「戦没学生のメッセージ」プロジェクトのこれから」をご覧ください。

 

◆リターンの実行状況

 

 今回のクラウドファンディングではご支援金額に応じて、以下のaからgの7つのコースを設定いたしました。このうちbとeは遠隔地にお住まいなどの理由で、コンサートにおいでになるのが難しい方のために設定した「コンサート不参加」のコースです。

 

 a「戦没学生のメッセージ」プロジェクト応援コース(支援金額 3,000円)

 b「里帰りコンサートin旧奏楽堂」応援コース➀(コンサート不参加)(支援金額 10,000円)

 c「里帰りコンサートin旧奏楽堂」コンサート参加コース(支援金額 10,000円)

 d Webアーカイブズ「声聴館」応援コース(支援金額 30,000円)

 e「里帰りコンサートin旧奏楽堂」応援コース②(コンサート不参加)(支援金額 30,000円)

 f「里帰りコンサートin旧奏楽堂」の記憶を永遠に(支援金額 50,000円)

 g 藝大奏楽堂のコンサートをお楽しみください(支援金額 100,000円)

 

 そして、ご支援者の皆さまにお約束したリターンは以下のとおりです。カッコ内のアルファベットは、そのリターンが適用される上記の支援コースを示しています。たとえば➀の「お礼状とクリアファイル」は、ご支援者の皆さま全員ということになります。

 

 ➀お礼状とクリアファイル(a~g)

 ②コンサートのプログラムに希望者のお名前を記載(b~g)

 ③コンサートプログラムの贈呈(コンサート不参加のb、e)

 ④当日のコンサートのご招待チケット(c、d、f、g)

 ⑤声聴館CD「アーカイブ推進コンサート」2枚組の贈呈(d、f、g)

 ⑥当日のコンサート記録DVDの贈呈(e、f、g)

 ⑦演奏藝術センター主催コンサートへのご招待(g)

 

 このうち➀、②、④、⑤、⑦のリターンは、すでに送付済みあるいは実行済みですが、③と⑥はコンサートを開催しないことには実行できないものであったため、現時点で未発送となっています。それぞれ実行の予定をお知らせいたしますので、どうぞご理解のほどお願い申し上げます。

 ③コンサートプログラムの贈呈………………今後2週間以内に発送予定

 ⑥当日のコンサート記録DVDの贈呈………10月初旬発送予定

 

 また今回、コロナ禍でのコンサート開催となったため、参加資格をお持ちのご支援者の中にも、感染を心配して参加を見合わせた方がいらっしゃいました。その方たちには当日のプログラムを、やはり2週間以内にお送りします。また、コンサートの模様は3台のカメラで収録しました。コンサートの記録DVDについては、今後編集作業などを行い、10月初旬の発送を予定しております。ご支援者の皆さまには申し訳ありませんが、今しばらくお待ちくださいますようお願い申し上げます。

 

会場内に3台のカメラを設置し別室で収録しました

 

◆「戦没学生のメッセージ」プロジェクトのこれから
 

 終了報告の最後に、これからの活動について少し書かせていただきます。「戦没学生のメッセージ」プロジェクトは、本学大学史史料室の橋本久美子先生が戦時中の東京音楽学校の実態解明の一環として行ってきた、戦没学生や消息不明の学生についての調査・研究の成果報告を兼ねたコンサートを企画したのが発端でした。2017年にスタートし今年で5年目を迎えましたが、その間、3回のクラウドファンディングの実施により皆さまからのご支援を募り、大小取り混ぜて6回のコンサートやシンポジウムを開催してまいりました。また2018年にはCD「戦没学生のメッセージ~戦争に散った若き音楽学徒たち」をリリース、そして2019年4月には戦時音楽学生Webアーカイブズ「声聴館」を、大学史史料室のホームページ上にオープンさせました。

 

 これらの活動には戦没学生のご遺族のご理解とご協力が不可欠であり、さらにクラウドファンディングによる皆さまのご支援がなければ、ここまで続けてくることはできなかったでしょう。本当にありがとうございました。継続性は大切ですが、いつまでもご遺族、そしてご支援者の皆さまに頼っているわけにもいきません。スタートから5年が経過し、この活動もひとつの曲がり角に差し掛かっているのではという思いがあります。今回のような規模の大きなコンサートは、ひとまず区切りをつけ、その代わり「声聴館」をベースに小さなコンサートを続けて行こうと考えています。過去に3回「アーカイブ推進コンサート」(3回目はタイトルを「声聴館アーカイブコンサート」と変更)を開催しましたが、あのようなイメージのコンサートです。

 

2020年11月開催の「声聴館アーカイブコンサート」

 

 「声聴館」は戦没学生の資料や音源に、誰もが気軽にアクセスできることを目指しています。しかし現状は聴くことのできる音源はまだまだ少なく、決して使い勝手がいいとは言えないでしょう。このように今はまだ小さな存在かもしれませんが、将来的には戦没学生に限らず、また学校も藝大以外にも広げて、広く戦時中の芸術状況を伝えることのできる資料館として、その内容を充実させて行きたいと考えています。そのために、今回のクラウドファンディングの残金を、是非使わせていただきたくことをお許しいただきたいのです。

 

 「戦没学生のメッセージ」プロジェクトは終了するわけではありません。しかし、少し形を変えていくことになります。活動については、適宜「新着情報」などを利用してお知らせしていきますので、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

「戦没学生のメッセージ」プロジェクト代表実行者 大石 泰(東京藝術大学名誉教授)

 

 

 

 

ギフト

3,000


「戦没学生のメッセージ」プロジェクト応援コース

「戦没学生のメッセージ」プロジェクト応援コース

お礼状、クリアファイル

申込数
34
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2020年6月

10,000


「里帰りコンサートin旧奏楽堂」応援コース①(コンサート不参加)

「里帰りコンサートin旧奏楽堂」応援コース①(コンサート不参加)

お礼状、クリアファイル
コンサートプログラムにお名前記載(希望者のみ)
当日のコンサートプログラム

申込数
20
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2020年8月

3,000


「戦没学生のメッセージ」プロジェクト応援コース

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34
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発送完了予定月
2020年6月

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「里帰りコンサートin旧奏楽堂」応援コース①(コンサート不参加)

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コンサートプログラムにお名前記載(希望者のみ)
当日のコンサートプログラム

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