キム・スンヨン 1968年生、滋賀県出身の在日コリアン三世。 バックパッカーの経験から海外を扱ったドキュメンタリーを多く制作。BNN新社刊の映像作家年鑑『映像作家100人2008』に選出される。◯主な作品『Tibet Tibet』(2005再編集版) オレゴン映画映像祭2007最高賞、『雲南Colorfree』(2007)、『ククル~UAやんばるLIVE~』(2009) 、『呼ばれて行く国インド』(2012)、『ヒマラヤ天空を彩る高山植物図鑑』(2014)『桂由美 Mother of Bride』(2014)

 

今回はデリーのスラムとレインボーチルドレンを繋いだキム・スンヨン監督を紹介します。

まずは、監督よりのメッセージです。

『スラムを救うためには教育が有効です。
混沌としたインド社会の中でスラムに生まれた子供たちが生き抜いて行くには考える力が必要です。
レインボーチルドレンの活動を支える事は、僕にとっては世界のスラムをなくすことへの第一歩と考えています。』

 

最初にキム・スンヨン監督のことを知ったのは、監督の「チベット・チベット」という映画でした。2012年1月に初めてインドに向かうことになった私は、知人からこのDVDを観るように勧められました。

(映画チベットチベット作品紹介より)

この作品に描かれているのは、一個人の目線による素顔のチベット。

僕は在日コリアン三世としてこの世に生を受けました。
大人になってバックパッカーになった僕は世界旅行の途中、モンゴル遊牧民のテントの中でダライ・ラマ14世の写真を見つけました。その時は正直、「今の時代に民族性にどれほどの価値があるのか?」と思いました。在日コリアンという自分の民族性を置き去りにして生きてきた僕には、亡命までして民族性を守ろうとするチベット人のことが理解できませんでした。しかし一方では民族性を無視して生きるのも何かが足りない気がしていました。

モンゴルを出て4ヶ月後、ついにインドにたどり着きました。導かれるように亡命チベット人の街、ダラムサラへやって来ました。そこで初めてチベット の人々の想いと現状を知りました。日本でぬくぬくと育ってきた僕は脳天を割られる様なショックを受けました。「今でも先時代的な拷問に耐えてる人がいる、チベットの民族性は消滅の危機にある。」そう感じた僕は、旅の記録用に持っていたビデオカメラでチベット人の現状を撮影し始めました。「少しでも多くの人にこの事実を伝えたい。」その思いはチベット亡命政府にも届き、ダライラマ14世に10日間同行取材させていただきました。
ダラムサラでチベット人の現状を知った僕は、今度は彼らが切望してやまない本当のチベット、中華人民共和国チベット自治区ラサへ行きました。
ラサの街には中国資本のビルが建ち並び、一見中国の地方都市と変わらないぐらい中国化していました。しかしカメラを片手に街を歩いていると、チベット人の素顔と出会うことができるのです。そんな時、ダライラマ 14 世や亡 命者の声を思い出すのでした。
この作品は、「民族性とは?国とは?」という大きな問題を、在日コリアンの僕がチベットを通して考え、やがて自分自身の問題とも向き合っていく過程を追ったドキュメンタリーロードムービーです。

 

初めてチベット問題のことを知り、インド北部の亡命政権のあるダラムサラに興味をもったのがこの作品でした。そしてダラムサラを訪れ、レインボーチルドレン最初のプロジェクトである「チベット奨学金プロジェクト」が誕生します。

そして、3度目のダラムサラ訪問(スタディツアー)の時に、大学生二人を連れていくことになり、二人の経験のためにせっかくのインドで他の体験もさせてあげたいと考えてプランを練りました。結果、南インドのチベット奨学生訪問、コルカタのマザー・テレサの施設でのボランティア体験に加えて、このDVDにも収録されていたスラム街の学校を訪問することになりました。その時は、監督に依頼して映画に登場していた「スラムのボランティアガイド・サージャン」を紹介していただきました。そのサージャンが今では「レインボーチルドレンのデリー支部長」になっているので不思議なご縁です。そして、レインボーチルドレン二番目のプロジェクトである「スラム学校建設プロジェクト」が誕生します。

 

思えば、二つのプロジェクトどちらもキム・スンヨン監督が関わっているのです。

私も意識してなかったので、今回のREADYFORの企画段階まで頭の中でつながっていなかったのですが、監督とのなんとも不思議なご縁です。

 

(2012年冬「呼ばれて行く国インド」上映会@びわ湖ホールにて)

 

今回監督より、「呼ばれて行く国インド」DVDを引換券に提供いただきました。

監督ありがとうございます!こちらはスラムの映像だけを特別に編集いただいたものです。

 

(映画呼ばれて行く国インド作品紹介より)

「インドに呼ばれた!」直感行動派の映像作家、キム・スンヨンはハンディカメラを片手に、一人でインドを歩き始める̶̶。 カメラに映るのは、宗教、貧困、自然、死生観、現地の人々、そしてバックパッカーやゲストハウス「久美子ハウス」の久美子さんなど、インドに魅せられた日本人。キムは、そうしたカオス (混沌)を素直な目線でとらえる。

ありのままのインドを目撃でき、頭と心をシャッフルされる75分。お茶目なインド人たちの姿にちょっと笑うことができたら、あなたはインドと相性がいいかも!?

120時間に及ぶ撮影記録を、キム自身が編集した最新作。旅欲でウズウズしている大人や、海外にちょっと興味のある若者におすすめの作品。

 

このご縁の先には、いつか監督に「レインボーチルドレンの映画」を作って欲しいと考えています。いつか実現できることを夢見て。。

 

最後に、監督の新作が完成しました。桂由美さんのドキュメンタリー映画『YUMI KATSURA Mother of the Bride』です。ブライダル界のパイオニア桂由美さんを一年間追ったドキュメンタリー作品です。ぜひご覧ください。

公開は5月31日。アップリンク渋谷にて。

http://www.uplink.co.jp/movie/2014/25463

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