支援総額
目標金額 470,000円
- 支援者
- 35人
- 募集終了日
- 2020年8月5日
土壌研究者が考える土壌炭素(腐植)の価値
土壌腐植の農業としての価値、を、考える前に、土壌研究者が考える農業の価値について、お話しておきたいと思います。
土壌研究者は、地球温暖化を土壌の力によって、抑えることができるのか? と言ったところから、土壌腐植を考えています。腐植は炭素の塊ですので、土に腐植が増えると土に炭素が増える、土の炭素が増えると大気中の二酸化炭素が減るかもしれない、そんな議論がされていて、研究が進められています。
実は、地球上に存在する炭素の大部分は、土壌に腐植として存在します。地球上全体では2000Gtにもなります。一方、大気中は二酸化炭素などとして760Gtです。土壌には、大気中の3倍近くの炭素が、腐植として存在しています。
二酸化炭素の濃度としては、今400ppmを超えるぐらいです。産業革命以前は、250ppmでした。400ppmから250ppmにするためには、大気中から300Gtぐらいの二酸化炭素を減らす必要があります。
さて、これは可能なのか? と言うことですが、土壌の腐植としての炭素を、今の2000Gtから2300Gtに増やせるか? と言うことになります。今よりも1.2倍にする、と言うことです。腐植としての炭素の含量としては、2%アップできれば、実はそれは可能になります。
大気中の二酸化炭素が、土壌の腐植になるルートは、植物の光合成で、二酸化炭素を吸収することがスタートになります。例えば、酪農でしたら、二酸化炭素を吸収して育った草は、牛に食べられて、堆肥になる。その堆肥が草地に戻ると、土の中で腐植になっていくわけです。その他にも、枯草が直接土に戻ることや、植物の根から糖分を出して土壌微生物がそれを食べることによっても、腐植が出来ていきます。
現在、北海道の土壌の腐植は、炭素に換算すると、平均で4%ぐらいです。根釧地方はもう少し多くて10%ぐらいになります。でも火山性土壌に立地する持続型酪農では15%を超える草地が多いです。持続的な農業を広く世界で行うことができれば、炭素の含量2%アップは可能になります。
持続型酪農・農業が世界に普及できれば、地球温暖化は止まることになります。このような意味からも、持続型農業は世の中にとって大きな存在意義がある、と言い切ってよいと思います。
土壌に腐植が増えることの、農業としての意義については、また改めてお話ししたいと思います。
リターン
10,000円
土と水を保全する研究成果2020
このプロジェクトで明らかになった研究成果・データを,支援者の皆様にご提供いたします。データの活用は特に制限を設けないこととします。メール添付をご希望の場合は、メールをご選択ください。郵送をご希望の方は、郵送をご選択ください。郵送でお送りします。
- 支援者
- 34人
- 在庫数
- 50
- 発送完了予定月
- 2021年3月
10,000円
ニシベツ伝記(小説)
今までの研究成果を小説化してみました。
架空の根釧原野に存在する、付属短期大学を持つニシベツ実業高校を舞台として、地域の課題を生徒たちが解決していく、と言ったストーリーです。
- 支援者
- 1人
- 在庫数
- 99
- 発送完了予定月
- 2020年10月