95の派遣国

50人の帰国隊員と5組の家族の物語・「情熱ライフ探訪記」が『持続する情熱』の縦糸であるとするならば、横糸となるのは95カ国の「国別協力活動」（第Ⅰ部『多様化するニーズ、深まる友好親善と相互理解』）ではないかと思います。

現在、JICAが派遣しているボランティアは青年海外協力隊員の他にシニア海外ボランティア、日系社会青年ボランティア等があり、それらを合わせるとこれまでに派遣された国は95カ国に及びます。
1か国につき1頁、それぞれ①派遣のはじまり、②特色と実績、③成果と課題、そして、その国を象徴する写真とそこで活動している隊員の写真が掲載されています。

本の制作にあたり、JICA「フォトライブラリー」からの使用を許可いただき、数多くの素晴らしい写真を使わせていただきました。
しかし、内紛のため派遣が中止されて久しい国、累計でボランティアが10名にも満たない国などもあり、すべての国の写真を集めることは簡単ではありませんでした。
そんな時に頼りになったのが、やはり協力隊員たちのネットワークでした。「自分は知らないが、あの人なら知っているかも」と僅か一日の間に、遠く離れたアフリカや中南米からも情報が届き、ようやく見つけた写真の所有者の方も協力隊の仕事であればと皆、喜んで協力してくれました。
また、アフリカのレソトはまだ派遣も浅く、どうしても写真が見つからずに困っていたのですが、そんな時アフリカ専門の旅行会社が快く協力してくれました。

出版社から毎回あがってくる草稿を見るたびに、息をのむような美しい風景、そしてそこで活き活きと活動している隊員たちの姿に、改めて世界はまだまだ広くて美しいと心を動かされました。
そして、ほぼすべての国の草稿ができあがった時の打ち合わせの中で、「せっかくその国の地図も載せているので、今隊員がどこで活動しているかわかるようにしてはどうか」という意見があがりました。
95か国、それぞれの国の地図には隊員が活動中の場所（当時）に青い点がうたれています。時間もスタッフも限られた中、その作業は出版社にとって簡単なことではなかった筈で、この仕事に臨む心意気を見た気がしました。

1か国につき僅か1頁、それでも95カ国の「国別協力活動」には様々な人達の熱い思いが込められています。