
寄付総額
目標金額 2,000,000円
- 寄付者
- 217人
- 募集終了日
- 2019年12月26日
【最終日です!】漱石文庫デジタルアーカイブの展望
ついに最終日、本日23時が御支援の期限です(銀行振込みは15時まで)。
よろしくお願いします。
今回は、漱石文庫のデジタルアーカイブ構築にむけた展望と具体的なポイントについて、簡単にですが説明したいと思います。
今まで、このあたりは意識的にフワーッと書いていたので、具体的にどうするのかちゃんと考えてるの?と思われている方もいたのではないかと思います。一度は説明しておかなければと思っていましたが、最終日になってしまい、かつ、少しゴリゴリした感じになってしまいました。
というわけでさて、今回の漱石文庫デジタルアーカイブプロジェクトでは、漱石文庫の資料のデジタル化をクラウドファンディングで御支援いただいた資金で実施します。
デジタル化については
1) 自筆資料は全点専門業者による撮影、解像度は400DPIを予定しています。ただし公開する画像の解像度および画像フォーマットはデジタルアーカイブシステムのレスポンスと画質のバランスを見て調整(注1)
2)蔵書の書き込みのデジタル化については、全点全ページの調査を実施した上で
・アンダーライン等の軽微な書き込みは調査時点で撮影
・書き込みが多く、特に重要な資料については全ページ専門業者による電子化
・数は少ないが、重要と判断される書き込みは専門業者による電子化(注2)
ここまでを今回のプロジェクト実施しますが、業者撮影のコマ数は最終的な御支援金額によって決まります。また自筆資料と違って、蔵書自体にも著作権があるので、インターネット公開可否の調査もあわせて行います(漱石が購入してから、どう考えても100年以上経過しているので、基本的には大丈夫だとは思うのですが・・・)。また目録もあわせて見直します。漱石文庫の目録は、目録システムやデジタルコレクション、冊子版など何種類かあり、これらの整合性が上手くとれていないという問題点は以前から指摘されていましたが、この機会に整理したいと思います。
デジタル化した画像を公開するプラットフォームについても、今まで具体的なことは、ほとんど書かなかったのですが(柔らかく書くのが難しい・・)、現時点の展望について御説明します。
まずデジタルアーカイブのシステム運用の考え方としては
「プラットフォームは大学予算で運用する、プラットフォームに載せるコンテンツの整備は多様な財源を活用する」
という方向で考えています。コンテンツ整備を「多様な財源」で、としました。これはコンテンツを最もお使いになられる方にも御支援いただきたいと考えているからです。図書館の限られた予算では、当館が所蔵する膨大なコレクション(古典資料・貴重資料等で約20万点)を全面的にデジタル化することは困難です。図書館予算でもデジタル化を進めたいとは思っているのですが、厳しい財政事情から、十分な予算は確保できずにいます。今回のプロジェクトは図書館にとっても大きなチャレンジですが、広く愛されている漱石のコンテンツであるからこそ広く御支援を呼びかけました。一方で、例えば地域に密着したコンテンツの場合は、その地域に絞って御支援を御願いする方が適切かもしれません。また特定の研究分野の場合には、公的研究助成を活用する方が適切かもしれません。コレクションを最も活用される方の要望を受けとめ、柔軟に対応できる体制を整えていきたいと思います。
デジタルアーカイブのシステム構築で、ポイントとして考えているのは
1. 国際標準(IIIF)対応のデジタルアーカイブプラットフォームであること。
2. IIIF対応アーカイブとの相互運用、特にJapan Searchとの連携ができること。
3. 多様な形態のコンテンツへの適切なメタデータ付与(図書、雑誌、手帳、メモ、書簡、立体物等)が可能で、シームレスな検索ができること(注3)。
4. コンテンツへの永久識別子(DOI)の付与ができること。
5. コンテンツの二次利用はCC-BYライクとし、それに基づいた運用管理ができること。
いきなりシステム開発の基本要件のような事を書いてしまいましたが、すべて、これからのデジタルアーカイブには必須の要素と考えていますし、一見難しそうですが、技術的には十分対応です。
デジタルアーカイブのプラットフォームの検討は既に開始しています。今回のクラウドファンディングで実施したデジタルコンテンツの公開は2020年12月を予定しています。システムの開発状況により、その時点では、上記要件で実装できていないものもあると思われますが、順次進めていきます。
デジタル画像の公開データベースについて、実は、技術的な標準があるようでなく、国内外で様々なシステムにより膨大な画像が公開されているものの、システムによって使い勝手はバラバラ、システム間の連携も簡単ではありませんでした。また標準が定まっていない、ということはシステムの継承性にも課題があり、かなりのお金を使って作りこんでは見たものの、リプレースに苦労する、という事例がいろいろなところでありました。
近年、IIIFが出てきて、ようやくシステム間の連携が本格的に進んできました。特にヨーロッパでは、Europeana(注4)という、ヨーロッパ諸国のデジタルアーカイブを横断的に連携する巨大なデジタルアーカイブが出てきています。国内では、国会図書館を中心にジャパンサーチ(注5)が進められています。漱石文庫のデジタルアーカイブもジャパンサーチなどを介して「世界につなげていく」ということは必須であると考えています。
今回の漱石文庫デジタルアーカイブが、文学者の自筆資料コレクションのデジタルアーカイブの一つのモデルになれたらとも考えています。まとまったコレクションを所蔵している文学館や大学はいくつもあり、デジタル化し公開している例もありますが、網羅的にデジタル化し、IIIf対応のデジタルアーカイブで公開している例はほとんどないようです。漱石文庫のデジタルアーカイブを、コンテンツのギャラリーでなく、研究ツールとして育てていくためには、「出せるものは片端からデジタル化して公開する」「参照できるよう画像のURLは永続的に固定する」「画像の利用手続きはできるだけシンプルにする」といったことがポイントになるかと考えています。
また当館以外の漱石資料所蔵館のシステムとの相互運用も積極的に進めて行くべきである、とも考えています(注6)。
以上、簡単ですが、説明させていただきました。
システムの実装状況については、このプロジェクトページで御報告していきたいと思います。よろしくお願いいたします。
注1)デジタル化については、以下に詳しいです。
注2)岩波書店の「定本漱石全集 第27巻」で代表的な書き込みが翻刻されますが(最新の漱石全集では未刊行)、少なくとも、その書き込み部分はデジタル化します。もちろん、まだ翻刻されていない書き込みにこそ新たな発見があるかと思いますし、それ以外の部分の書き込みも可能な限りデジタル化を進めたいと思いますが、どこまで出来るかは、ヒトとカネ次第です。
注3)例えば漱石文庫の場合、現状では独自データベースでメタデータ+画像を公開し、蔵書の方は図書館の目録システムでも公開し、マイクロフィルムは冊子の目録で、という状態で、シームレスにはほど遠い状態です。何とかしなければ!と考えています。
注4)Europeana
注6) 京都大学図書館機構と慶應義塾大学メディアセンター は、それそれが持つ富士川文庫のデジタルコレクションを仮想的に連携させるプロジェクトを進めています。漱石文庫についても、全国に分散するコレクションを連携できるといいな、と思っています。
ギフト
3,000円
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・サンクスメール
・寄附金領収書
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- 2020年3月
10,000円

1万円コース(漱石文庫オリジナルグッズ)
・サンクスメール
・ポストカード3枚セット
・漱石文庫クリアファイル
・寄附金領収書
ポストカードの柄は全8種類から、3種類をセレクトいたします。
※柄はお選びいただけませんのでご了承ください。
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