このページをご覧いただき、ありがとうございます。見どころ紹介4回目は、今回の展示のなかで唯一化石を扱った展示です。

 

今回のTheme 0では、この2点の標本を除くすべての標本が、現生生物を扱っていますが、この脊椎骨の標本だけは、化石の展示となります。

 

 

一つ目の写真は、イクチオサウルスの脊椎骨化石です。非常に小さな脊椎骨なので、しっぽに近い脊椎骨ではないかと思います。イクチオサウルスは、鯨類と同様に、もともと陸棲だった爬虫類のなかで、再度海に戻っていった爬虫類の仲間です。陸から海に戻ると、それまでと異なる生活環境なため、ある程度適応しなければなりません。形からわかることは、少し魚に似ていることと、水を泳ぐということが、脊椎骨にどのような影響を与えるかということだと思います。例えば、この写真は、頭尾軸(頭からしっぽを見る、もしくはしっぽから頭を見る方向)で撮影したものですが、魚の脊椎骨のように、中央がくぼんでいます。爬虫類でも、海の中で生活するようになると、魚に似た形になってくる、一般に収斂と呼ばれる状態が出てくることが観察できます。収斂とは、進化の過程のなかで、同じような環境などにより、ある一定の状態に似てくることをいうのですが、また、横方見ると、上下に細長いのですが、これも、沿岸域に棲んでいるか、外洋に棲んでいるかで、上下に長い、左右に長いなどの違いがあるようです。

 

 

2枚目の写真は、クジラ類の脊椎骨(尾椎:しっぽの骨)化石です。クジラの尾椎には、しっぽの力が強い、カンガルーやワニなどと同じように、V字骨と呼ばれる脊椎骨の下につくV字型の骨がつく場所があります。

 

だいぶん削れてしまっていて明確には見えないのですが、この標本にもその痕跡があり、背中側の突起の形態と合わせて考えると、しっぽの骨だということが推測されます。この骨も、陸生哺乳類のしっぽの骨に比べ、横から見ると、上下に細長く、1枚目のイクチオサウルスの骨に似ている、と感じます。さきほど記載した、収斂の一部なのかな、と思います。

 

展示では、この二つの骨を並べます。頭骨の標本よりは地味な存在ではありますが(笑)、ぜひ二つとも手に取って、似ているところを見つけてみてください。あなただけが知っている収斂としての特徴が見つかるかもしれません。また、化石となった標本の手ごたえ(重さ)も感じてみて下さい。

 

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