【避難した山中で、未来の生活を模索する】

 

福島県大熊町の木村さんは、震災と原発事故の後、長女とともに長野県白馬村に移住しました。

そして「持続可能な生活」を目指し、試行錯誤しています。

お金を稼ぎ、そのお金で電気やガスを消費する。何の疑問もなく続けてきたそういう普通の生活を省みるようになったのは、原発事故があったからだと言います。

長野では幸運なことに、その持続可能な生活を一緒に目指してくれる様々な人に出会いました。そして、自分たちだけでなく、いろんな人に今の生活を考え直すきっかけになって欲しいと、イベントなども行うようになりました。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

■ー火おこしから始まるー■

 

8月。「原点回帰」と銘打ち、棒で火をおこすことからご飯を作るイベントを開きました。火を起こし、石臼でそば粉を挽き、木を切り倒し、その気から作った薪で調理し、竹で食器を作るーー。

すべて一から始めて、最終的に自分たちの食事を作る。

大変なことですが、参加した多くの子どもたちも歓声をあげながらすべての作業に没頭していました。

 

 

実際にこの生活を毎日することは困難でしょう。しかし、何気なく使っている火はこれほど大切なもので、エネルギーはこうして作られて、自然から恩恵をもらってそのエネルギーを使っている。そういうことがなんとなくでも、わかった体験だったと思います。

 

棒をこすり、火をおこす

そば粉や、コーヒー豆を石臼で挽く

a

挽いたそば粉を入れてつくった、長野名物の「おやき」

 

 

つくった火種に空気を吹きかけ、火が生まれる
斧などを使い、薪のための木を伐採する

a

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

■ー命を無駄にしないー■

 

2月。雪に覆われた白馬の木村さん宅で行われたのは、鹿の解体の体験イベント。長野県では年間4万頭近い鹿が有害動物として駆除されています。人間の都合による駆除。しかも人間の作った法律のために、そのほとんどの鹿の命がゴミとして処理されています。

自然の中のサイクルにさえならずまさになんの意味もない命になってしまう現実。その命を生かし、実際に解体を通して自分たちが自然から恩恵を受けて生きていることを学ぼうとするものでした。

 

解体された鹿

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

徐々に実践している白馬での「持続可能な生活」もまだまだ完璧にはできていません。今の時代、すべての「便利さ」に頼らないというのはとても大変なことでしょう。それでも、その便利さにまず疑問を持ち、自然と命のことを考えながら生きていくことは、未来が「持続」するために人間がやらなければならないことだと感じました。

 

この白馬での「持続可能な生活」を模索すること、大熊町で汐凪ちゃんを捜すこと、両方とも協力してくれる人たちがいるからこそ続けられていると木村さんは常に言っています。

そして、その人たちとのつながりは、震災があったことでできたつながりで、汐凪ちゃんがまだ見つからないからできたつながりだとも言っています。逆説的ではありますが、「汐凪がつくってくれたつながり」だと木村さんは考えています。その汐凪ちゃんの命を無駄にしないという思いが、今の生活につながっているのだと感じます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

【ご連絡】

写真集は鋭意制作中の段階です。先日のご報告を同じく、現在も完成の期日はまだ決まっておりません。特に取材は、応じていただく相手様のご都合に合わせなければならず、自分の都合で思うように進みません。その追加取材はようやくほぼ終わりとなってきて同時進行している編集も進めていますが、今時点での完成期日の不確定をご理解頂けると幸いです。よろしくお願致します。

 

新着情報一覧へ