ツバメの子育てを守る活動2024報告
ツバメの子育てを守る活動に支援をくださり、感謝申し上げます。おかげさまで、120名の皆様から420,500円の支援をいただきました。2024年春夏の活動について、ご報告します。
【フン受けの配布】
ツバメの子育てを受け入れてくれる全国の施設を支援するため、ツバメのイラスト入りのフン受けおよそ1500枚を配布しました。バードリサーチからは主に道の駅、サービスエリア、首都圏の私鉄などへ配布し、フン受けの印刷費を寄付してくださっている株式会社シー・アイ・シーからも全国の鉄道の駅や各種施設に配布していただきました。さらにクラウドファンディングの返礼品としてフン受けをお渡しして、支援者の皆様にも設置にご協力いただきました。
【地域のツバメを増やす活動】
ツバメを守る活動をしているツバノキ(ツバメ-軒下から大空へ)と共同で、東京都八王子市で地域のツバメを増やす活動を行いました。ここはカラスに襲われためにツバメの子育てが難しくなっていた場所です。活動を始めた2021年には5ペアしか営巣していませんでしたが、カラス避けのヒモを張り、カラスの被害をほぼゼロにしたことで年々営巣数が増加。今年は20ペア以上が営巣しました。八王子市と建物の管理者から許可をもらい、すべての巣にフン受けとカラス避けを設置しました。こうした保護活動を行うと、いちど減ってしまったツバメの数を増やすことができます。ツバメが減ってしまった地域で、ぜひ取り組んでいただけたらと思います。カラス避けの付け方などについて、詳しくはツバノキのホームページで紹介しています。
【ツバメをはじめて見た日の調査】
バードリサーチは2005年から、はじめて軒下でツバメを見た日の調査を続けています。今年は全国的にみるとツバメの飛来が遅かった年で、3月26~31日に初認が集中していました。地域別にみると、東北地方は早かったですが、それ以外の場所で遅め、特に中四国から中部太平洋側にかけてが遅くなっていました。この調査を続けることで、気候の温暖化によってツバメの飛来時期が変化するかを明らかにしたいと考えています。
【ツバメの餌昆虫の調査】
ツバメの数が増えるには、安心して巣作りできる場所の確保やカラスなどの天敵対策に加えて、餌になる昆虫がたくさんいることが大切です。そこでツバメがどのような昆虫を食べているかを調べるために、写真撮影による調査を行いました。しかし、撮影した3つの巣ではツバメは主にくちばしに収まってしまうような小さな昆虫を運んでいて、写真で昆虫の種類を判定できないケースがほとんどでした。巣の周囲の環境にもよると思いますが、チョウやハエのようにくちばしからはみ出すサイズの昆虫ではなく、もっと小さな昆虫を主食にしている場合があることが分かったので、今後の調査方法を再検討しています。