世界初、レーザ視覚支援機器を盲学校に届けたい！

　昨日の新着情報「２０１５年１１月の第16回ロービジョン学会発表」に、　RETISSAが目指すのは“「移動」「就労」「楽しみ」「勉学」「読書と筆記」を通して、より多くの「自由」を提供することだ”と書きました。このような、見え方の改善を通してロービジョンの方々のより豊かな生活を目指す機器は、医療機器なのでしょうか、それとも、民生機器・福祉機器なのでしょうか？実は、私たちが日常的に使っている近視や老眼の眼鏡は、医療機器なのです。

　医療機器は、医薬品医療機器法（薬機法）第２条第４項において、次のように定義されています：「人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等（再生医療等製品を除く。）であって、政令で定めるものをいう。」

　レーザ網膜投影技術と装置は、視覚障碍者支援、眼疾患予防、視覚拡張という３つの広い適用領域を持ちます（図１）。医療機器の定義に照らして医療機器に該当するのは、どの領域のどの部分でしょう？

図１　レーザ網膜投影技術と装置の広い適用領域

　この点について、2015年９月から監督官庁（県薬務課、ＰＭＤＡ、厚労省）と臨床試験を経由する長い議論がありました。結論として、レーザ網膜走査型眼鏡という新規医療機器分類が作られ、202０年１月、この分類に該当する当社製品「RETISSA メディカル」が医療機器製造販売承認を取得しました。

表１　レーザ網膜走査型眼鏡の医療機器分類と定義

　ポイントは、RETISSA メディカルが視力補正を目的とすることです。これは、目的性該当と呼ばれます。私たちが 日常生活で使っている矯正眼鏡が、視力補正用眼鏡と分類されていることを背景とした、順当な結論であったと思います。活躍した当社宮内氏の力量に感服するとともに、監督官庁の専門家の方々による、優れたそして真摯な対応に感謝します。

　医療機器RETISSA メディカルはドイツの臨床試験でも使いました（写真１）。

写真１　医療機器RETISSA メディカル　@ドイツ。視力補正を測っています。

　RETISSA Diplayシリーズ、そして当クラウドファンディングに登場しているRETISSA SUPER CAPTURE （写真２）は、人々に「自由」を提供し豊かな生活送って頂くための、民生機器・福祉機器です。そう、iPadやiPhoneのように。

　CSUNではiPadやiPhoneがアクセシビリティ機器として大活躍しています。今年３月のCSUNでは、QDレーザはデジタルカメラメーカと共同で、RETISSA SUPER CAPTUREをアクセシビリティ機器として出展します。

写真2　RETISSA SUPER CAPTURE  With My Eyes: Short Versionより