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木の文化を未来に繋ぎたい~森の恵・木と共生した伝統的な木材加工技術

木の文化を未来に繋ぎたい~森の恵・木と共生した伝統的な木材加工技術
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支援総額

336,000

目標金額 3,000,000円

支援者
22人
募集終了日
2022年8月17日

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プロジェクト本文

▼はじめに(「伝統文化“担い”」の紹介)

 はじめまして。私たちは、社寺建築など伝統的な木造建築物の文化の継承と、その継承のために欠かせない伝統的加工技術の保存と向上を目指し、技術者育成に取り組んでいる「伝統文化“担い”」と申します。

 わが国の木の文化を代表する木造建築は、豊富な森から得られる木材、それを有効に活かす道具、そして木材加工や建築にかかわる技術者の「匠」に支えられてきました。一昔前までは、一般の住宅建築も、木の性質などを知り尽くした大工さんの「匠」が生み出し、建て増し、改築あるいは補修などによって何世代にわたって活かすのが当たり前でした。現に欧米の個別住宅は、英国は築後平均百数十年、米国でも約百年にわたって、世代を超えて活かされています。しかしながら、わが国では、なぜか電動工具や工場加工材の普及に伴って、こうした文化や伝統は一気に姿を消してしまい、一代限りの家屋が当たり前になり、これら「匠」の継承も疎かにされてきました。自然と共生しながら森の恵みをいただいてきた「木の文化を守る『匠』の技の継承」の危機は、自然環境の持続性の危機でもあり、ひいては子どもたちの未来の安全・安心な暮らしの危機でもあります。

 わが国でも、中世以前の木造建築では日本古来の「ヤリガンナ」の跡を見ることができますし、山間部に行けば古民家に「マサカリはつり」の痕跡を見ることができます。民家においても「匠」が生み出した風土に則した木の建物で、日々の暮らしが営まれていました。

  写真:釿始め(京都市・番匠保存会)於:太秦・広隆寺

 

  写真:槍鉋(ヤリガンナ)    

 

「伝統文化“担い”」では、2016年に、マサカリ(鉞)、チョウナ(手斧)、ヤリガンナ(槍鉋)、マエビキノコ(前挽鋸)という日本古来の道具を使った伝統的木材加工技術を習得する場「匠の祭典」を開催し、全国から100名を超える木造建築・木材加工などに関係する職人さんや支援する多くの有志が集結しました。その後毎年開催し、2019年に第4回目を数えました。

 ところが、世界を脅かす新型コロナウイルス感染症の影響により、2020年、2021年はやむなく開催を見送ることになり、ここに来て第5回目はいつ再開できるのか、という危うい状況になっています。

 

▼プロジェクトを立ち上げたきっかけ 

Ⅰ 継承したい伝統的木材加工技術とは

 私たちが継承したいと考えている伝統的木材加工技術は、丸太を建築用材として利用するために形状を整える伝統的な道具を使った「斫り(はつり)」「削る」「切る」という技術です。

 

 

①【鉞( マサカリ)はつり】丸太をマサカリで角材に加工する最初の工程です。

 

 

②【手斧(チョウナ)はつり】マサカリで加工された角材の表面を、ある程度平滑に仕上げるための作業工程です

 

 

槍鉋( ヤリガンナ)】②をさらに精緻に平滑にする作業に使われます。現在ではこの加工は台鉋(ダイガンナ)が使われています。

 

 

④【手斧(チョウナ)はつり2】表面の化粧加工としての技術も含まれます。写真は「蛤(はまぐり)刃」による亀甲模様のはつりです。

 

 

⑤【前挽鋸(マエビキノコ)】大きな丸太から、構造材をはじめ、主に板材を縦に挽く工程に使われます。現在も特殊な板材を挽くために重宝されています。

 

Ⅱ 学びの場を作りたい

 匠の祭典の中心人物である鋸研ぎ名人の長勝鋸・長津勝一さんは、鋸という道具を通して木造建築の現場にかかわる中で、伝統的木材加工技術を守り育てることは絶対に必要だと考えられ、技術者育成の取組を構想しておられました。また、同時に、住宅建築に携わっている大工さんや宮大工さんから、「伝統的な木材加工の技術を学びたいが学ぶ場がない」という声も湧き上がる中で、マサカリ(鉞)ハツリを個人的に再現する方が現れ、各地で技術研鑽の活動が始まり出しました。長津さんは、これらの声に応える場をなんとか作りたいと考え、2015年に有志による「伝統文化“担い”」を立ち上げました。

 

 

 

 長津勝一さんは、「現実に学ばずして真実は見えてこない」。これを基本においている方です。長津さんは「鋸刃」を「鋸歯」と書くのは間違いだと言われます。なぜなら鋸は歴とした刃物だからです。「歯」の鋸はいわば引きちぎるようなもので、それでも切り離されれば切れたと表現されます。鋸が切れるという意味について追及され、鋸の理想の切味について、21世紀の切味とはかくあるべきである、との結論を見出されています。また、鋸の切れ味を良くすることを一般的には「目立て」と言いますが、長津さんは鋸は「刃」なのだから「研ぎ」だと言われます。このような理論に基づいた鋸の性能を伝えるため、東京藝術大学美術学部において集中講義を担当するかたわら、日本各地や外国からも依頼を受け、ドイツやチェコなどヨーロッパ諸国に延べ5回渡航され講演と実技指導をされています。テレビ放送にも多数出演され、「超絶 凄ワザ!(NHK)」ではわずか1.5mm厚の切片に成功され、視聴者に驚きを与えました。

 匠の祭典に集結する大工さんなど「匠」の多くは、長津さんの鋸研ぎ技術を信頼し、長勝鋸を愛用している方たちです。また、長勝鋸は、日本はもとより欧米、特にヨーロッパとの関りが深く、匠の祭典に参加するためにベルギーやチェコ、イギリス等から駆けつけてくれました。

 私たちはクラウドファンディングのリターンに長勝鋸を選びました。

 

Ⅲ 森林資源の循環利用と木の文化のかかわり

 私たち日本人はずっと昔から森の木を、伐る~使う~植える~育てる~伐る、のサイクルにより豊かな森林を保全しながら、森林から得られる森の恵み・木材を継続的に得てきました。木の文化を継承するということは、森林の保全と森林資源の持続的利用を両立することです。伝統的木造建築物の未来への継承ととともに、それを支える豊かな森林を次の世代へ引き継ぐことは、今の時代を生きる私たちの責務だと考えています。 

出典:林野庁Webサイト(https://www.rinya.maff.go.jp/j/kikaku/hakusyo/R2hakusyo/attach/pdf/zenbun-92.pdf)

 

Ⅳ 匠の祭典とは

 匠の祭典は、大工さんなど木造建築に関わる技術者が、伝統的な木材加工の技術を学べる場です。2016年から毎年、京都市右京区京北に所在する京北森林組合の協力を得て敷地をお借りし、全国から100名近くの参加を得て開催しています(2020年から開催見合わせ中)。

 1泊2日の日程で、模範演技の見学や熟練者による指導、競技会を行います。夕食後には講師を招いて研究会を実施します。研究会は「チョウナ柄仕込みの基本」「前挽鋸刃の焼き入れ技術」「錦帯橋修復棟梁の講演会」など、ここでしか学べない内容です。

 

 

写真:会場のあちこちで技術や道具について意見交換が・・・

 

 

 匠の祭典には、ベルギーやチェコ、英国などからも参加があります。チェコでは、伝統的木造建築物の修繕には建築当時の道具を使うことがルールになっており、クレーンなども建築当時のものを木材を使って再現するそうです。

 

Ⅴ 最近のトピックス

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)は2020年12月17日、日本が申請した、宮大工や左官職人ら匠(たくみ)が継承する「伝統建築工匠の技 木造建造物を受け継ぐための伝統技術」の無形文化遺産登録を決めました。

 わが国の伝統的な木材加工技術は世界からも注目されています。

 

 

▼プロジェクトの内容  

Ⅰ このプロジェクトで実現したいこと

 技術の取得・向上には継続した取り組みが大切です。正しい技術を伝承することこそ「伝統文化“担い”」の目指すところであることから、匠の祭典の開催を切に願っています。しかしながらコロナ禍で開催がままならない中、これまで培ってきた4年間の成果を活かし、継承すべき技術の記録とするとともに、自主学習的に技術を学べるテキストとなる内容とし、次に開催する「匠の祭典」にしっかりした技術を維持した上で参加してもらえるよう、マサカリ斫り(はつり)など5種の技術の実写と、過去4回の匠の祭典の記録を盛り込んだ動画を収録したDVDを制作しようと考えました。【DVDの内容:45分程度(匠の祭典の記録、マサカリ斫りなど5種の技術)】

 

Ⅱ 資金の使い道/スケジュール

●資金の使い道

・動画撮影/編集/DVD制作・・・・・・・・・・・100万円

・模範演技設営/材料調達/人件費・・・・・・・・100万円

・リターン作成/調達/配送/雑費等・・・・・・・・60万円

上記の必要経費に、クラウドファンディング手数料を上乗せして目標金額を設定しています。

 

●スケジュール

・2022年6月~7月:クラウドファンディング、7月下旬~動画制作、2023年4月~ DVD完成/リターン配送

 

▼プロジェクトの展望・ビジョン 

 日本には木の文化が根づき、息づいています。その象徴は、全国各地にある寺社仏閣の荘厳な建築物で、そこから醸し出されるものは、日本人の心そのものではないでしょうか。私たちがやろうとしていることは、地道で小さな活動に過ぎませんが、4回を数える「匠の祭典」で、全国各地から手弁当で参加する多くの大工さんの熱い職人気質が、この祭典を成功させてきました。この成果をしっかり未来につないでいくには、活動を継続的に前進させることだと思います。全国の皆さんにこれらの思いをご理解いただき、ご賛同いただけましたなら、私たちは、日本の伝統文化をしっかり守り続ける技術伝承の一助となるよう粉骨砕身の努力をする覚悟です。このクラウドファンディングの成功に向けて、絶大なるご協力をお願いします。

  

 

▼リターンについて 

 

【A】ヤリガンナの削り片コース  2,000円

  ・ヤリガンナの削り片/お礼状送付

【B】京都・北山杉の輪切りコース 2,000円

  ・京都・北山杉の輪切り(直径9~10cm程度)/お礼状送付

【C】京都・北山杉の切片コース  2,000円

  ・京都・北山杉の切片(直径5cm程度)・お礼状送付

【D】匠の祭典DVDコース  5,000円

  ・DVD/お礼状送付

【E】匠の祭典DVDプラス「木」コース  10,000円

  ・DVD/ヤリガンナの削り片/京都・北山杉の輪切り(直径9~10cm程度)

   / 京都・北山杉の切片(直径5cm程度)/お礼状送付

【F】長勝鋸(枝切用)コース  20,000円 ★アウトドアのお供に!

  ・長勝鋸(剪定用27cm、窓鋸)/DVD/お礼状送付

【G】長勝鋸(折り込み)コース  20,000円 ★アウトドアのお供、災害時の備えに!

  ・長勝鋸(折り込み21cm、窓鋸)/DVD/お礼状送付

【H】長勝鋸(両刃)コース  40,000円 ※プロ用

  ・長勝鋸(両刃(9寸、尺、尺一)、窓鋸、銘入り)/DVD/お礼状送付

 

▼募集型式について 

 本プロジェクトはAll_or_Nothing 型で実施します。目標金額を達成した場合に計画を実行し、リターンをお届けします。

 

 

 

 

プロジェクト実行責任者:
長津勝一(伝統文化”担い”)
プロジェクト実施完了日:
2023年2月28日

プロジェクト概要と集めた資金の使途

 伝統文化”担い”が、過去に行った技術者育成のイベント「匠の祭典」及びチョウナ斫り・ヤリガンナなど伝統的木材技術の模範演技を収録した動画(DVD)を製作します。資金は動画制作費用およびリターンに使用します。

リスク&チャレンジ

プロジェクトに必要な金額と目標金額の差額について
 必要金額と目標金額の差額は自己資金にて補填いたします。万が一自己資金でも確保できなかった場合は、プロジェクトの内容が大きく変わらない範囲で縮小するなどして対応し、返金は致しかねます。

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リターン

2,000+システム利用料


宮大工さんが削ったヤリガンナの削り片

宮大工さんが削ったヤリガンナの削り片

●ヤリガンナの削り片(20~25cm、3~5片)
●お礼状送付

申込数
1
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年4月

2,000+システム利用料


京都・北山杉の輪切り

京都・北山杉の輪切り

●京都・北山杉の輪切り(直径9~10cm程度)
●お礼状送付

申込数
1
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年4月

2,000+システム利用料


宮大工さんが削ったヤリガンナの削り片

宮大工さんが削ったヤリガンナの削り片

●ヤリガンナの削り片(20~25cm、3~5片)
●お礼状送付

申込数
1
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年4月

2,000+システム利用料


京都・北山杉の輪切り

京都・北山杉の輪切り

●京都・北山杉の輪切り(直径9~10cm程度)
●お礼状送付

申込数
1
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年4月
1 ~ 1/ 8

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