関西医科大学｜起立性調節障害の子どもたちへ

いよいよ終了まで残り50時間を切り、支援者は300人を越えました。皆様、ご支援、本当にありがとうございます。起立性調節障害と運動にかこつけて、宇宙、恐竜、ダイビングと私の好きな話を書いてまいりましたが、プロジェクトが終了する前にひとつ、直接運動とは関係ないことを書きたいと思います。

起立性調節障害は精神疾患ですか？...それは違う、と思いますよね。

では起立性調節障害に自立支援医療は使えますか？...あれ、使っている人もいるな、と思うかもしれません。

最近、「この書類を書いて下さい」と自立支援医療や精神障害者保健福祉手帳の診断書をお持ちになる方がよくいらっしゃいます。私が「〇〇さんはこれに該当しませんよ」と申し上げると「でもここに通院している同じクラスの△△さんは書いてもらってますよ」と怪訝な表情をされます。

自立支援医療や精神障害者保健福祉手帳は精神疾患や発達障害に対するものですから、起立性調節障害患者がこれらの問題を合併する場合には、その問題に対して出されます。起立性調節障害のために精神疾患や発達障害になったかどうかという因果関係を問いません。あくまで合併です。また起立性調節障害が重症だから手帳が下りるというものではありません。

精神疾患や発達障害というと大変な病気と思われるかもしれません。しかし自閉症スペクトラム障害や注意欠陥多動障害のような発達障害と診断されているお子さんは学童期の５-8％程度、起立性調節障害を思春期の10%と考えると、両方を合併する方は稀ではないのです。ということで、起立性調節障害の患者さんが精神障害者保健福祉手帳をお持ちであったとしても、起立性調節障害に対して手帳が出ているわけではありません。

さて前述の〇〇さんから「△△さんは、うちより重症の起立性調節障害ってことですか？」と尋ねられても何も答えられません。守秘義務があるため、そもそも△△さんが私のところに通院しているとも言えないし、そのシチュエーションでは「自立支援は精神疾患や発達障害に対するものです」とも説明しにくく、医師としてなかなか辛いものがあります。お察しください！

というわけで今日は「起立性調節障害は精神疾患ではありません」でした。

残り50時間を切って最終ゴール達成まであとわずか。皆様、どうぞ最後まで応援下さいますよう宜しくお願いします。

関西医科大学　起立性調節障害の子どもたちへ

https://readyfor.jp/projects/KMUOD2021