終了報告という名の進捗報告:実証データの取得を開始します!
「関西医科大学|起立性調節障害の子どもたちへ」にご支援頂きました皆様へ
皆様には、プロジェクトに格別のご高配を賜りお礼申し上げます。
2023年7月7日から2年3か月、終了報告という名の進捗報告をさせて頂きます。この間、①起立性調節障害(OD)の運動療法のデータを取得して学会発表を行い、②開発に関する特許を取得し、③運動療法機器のプロトタイプを開発しました。いよいよ開発した機器を用いた実証データの取得を開始します。
【現在までの経過】
ここでクラウドファンディングの終了から現在までを振り返ります。
2021年
クラウドファンディング開始に先立つ5月に大阪商工会議所によるウェブカンファレンスでプレゼンテーションを行い、5社が興味を示して下さいました。
8月31日 クラウドファンディングの終了。ここから、関連企業5社とアカデミア(大阪府立大学工業高等専門学校)との共創が始まりました。
11月7日 『ひらかた市民大学』で『起立性調節障害(OD)の知識』の講演を行い、プロジェクトを紹介しました。
12月20日 5社とアカデミアとによるコンソーシアムを立ち上げ、キックオフミ―ティングを行いました。
2022年
この冬、私たちと所属機関は新型コロナウイルス診療の最前線に立っていました。
4月13日 第2回コンソーシアム会議。
4月15日 第125回日本小児科学会学術集会のシンポジウムでODの運動療法を紹介。
5月30日 第3回コンソーシアム会議。関西医科大学産学知財統括部、5社が参集し、運動療法機器に必要な機能やあったら便利な企画、クリアすべき条件などについて話し合いました。
この会議以降、月に1回程度、数社もしくは全社による会議が続きます。
7月7日 1年後の進捗報告の際に、アンケートへの協力をお願いしました。
9月23日 第40回日本小児心身医学会学術集会(オンライン)にバナー広告を出して、医療者のアンケートへの協力をお願いしました。
2023年
4月15日 第126回日本小児科学会学術集会で、運動療法により、OD児の起立耐性と自律神経調整機能を改善することを報告しました。
8月1日 雑誌『チャイルドヘルス』特集「起立性調節障害(OD)を知ろう」で、ODの最新の知識を取り上げ、その中での運動療法を紹介しました。
10月 ベッド上にエルゴメーターを固定する装置と運動をモニターできるペダルができあがり、データ収集を開始します。
<運動療法機器のイメージ図>
<会議風景>
機器はまだお見せできませんが、公表の際には活動報告でお知らせします。
【クラウドファンディングで行った調査結果】
2022年秋に実施した医療者対象のアンケートの結果の一部をご紹介します。
まず、OD児に対してどのような取り組みが有効と考えるかについては、9割の回答者が「規則正しい生活習慣」、「適度な運動」、「規則正しい睡眠」、「1日1.5~2リットルの水分摂取」、「薬物療法」を挙げていました。
OD児の運動療法機器に望まれること(医療機関用、家庭用)をお尋ねしました。
医療機関用、家庭用ともに「取り扱いが理解しやすい」、「楽しく運動できるアプリがある」、「運動の効果がわかしやすい」、「リース、レンタルによる使用」といった回答が多かったです。
この意見を活かし、家庭用機器ではレンタル、リースも考えて参りたいと思います。
【寄付金の使途について】
現在までに使用した資金の主だった使途は以下の通りです。
- クラウドファンディング手数料 約1,700,000円
- 正しい運動がわかるセンサーアプリの制作 約1,800,000円
- 運動療法機器の固定装置(昇降キャリー) 約1,000,000円
- 小児科医療機関調査ならびに専門職対象への調査 約1,750,000円
- 機器材料費 約 500,000円
- 記念品、各種郵送料、資料その他 約1,000,000円
現在の残金 約2,400,000円
残金については、家庭用機器を視野に入れて開発をすすめる予定です。
運動療法機器を公表する際には、こちらの進捗情報ならびに報告書を郵送いたします。また引き続き、進捗報告は、この新着情報ならびフェイスブックページで行います。
関西医科大学|起立性調節障害の子どもたちへ―運動療法と機器の開発で支援します― | Facebook
引き続きご支援をお願いいたします。
2023年10月16日 石﨑優子