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海洋プラごみ処分チェーンの実証実験をしたい

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支援総額

22,000

目標金額 1,250,000円

支援者
5人
募集終了日
2023年5月12日

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プロジェクト本文

 

一般社団法人オーシャンスイープ協会

<わたしたちの理念>

プラごみが流出する量より減る量が多い社会をつくろう

 

<私たちのビジョン>

 今の社会構造においては、漁師さんが操業中に海ごみを拾ってくると、海洋投棄規制条約によって処分費用を自己負担することになります。それでも海を汚したくない漁師さんは、海に捨てられているプラスチックごみを積極的に拾っていらっしゃいますが、陸から海へ流出するプラごみの量は多く、とても個人では負担しきれません。

 

 また、海ごみは陸上のごみに比べて処分費用が数十倍もかかるため、海岸の管理を担っている地方自治体もなかなか公共事業化ができずにいます。一方、プラスチックは紫外線や波によってサイズこそ小さくなりますがほとんど分解はされないので、人の手で回収しなければ海にはマイクロプラスチックが増える一方です。

 

 当社団では、滞っている海洋プラごみの回収を推進することや、プラごみが海や川に流出しないような生活習慣を拡めることで、海や川にプラごみが流出する量より減る量(回収量)が多い社会を実現させて、海のプラごみを心配しなくてよい未来を子供たちに引き継ぐために活動しています。

 

<私たちのプロフィール>

名 称:一般社団法人オーシャンスイープ協会

所在地:埼玉県狭山市中新田1083-3

設 立:活動開始2018年10月、法人設立2021年2月

代 表:理事長 山本知子

役 員:理事3名、監事1名、事務局長1名、登録ボランティア約600名

事 業:1、プラごみ流出マップで社会啓発

    2、海洋プラごみ処分チェーンを社会実装させる

    3、流出防止や循環型社会に役立つ情報発信

公式ホームページはこちら

 

 

海洋プラごみの課題

 

1) プラごみ増加が私たちの健康も脅かしている

 プラスチックの分子構造はとても安定していて、紫外線や波によってサイズが小さくなっても分解されているわけではありません。そして、海に漂流するプラスチックは『POPs(残留性有機汚染物質)』と総称される有害物質等を吸着する性質があるため、小さくなったマイクロプラスチックを小魚などの小さな動物が食べ、それを食べる大きな生物の身体にPOPsが濃縮されて蓄積されていきます。

 

この食物連鎖により海洋生物の健康被害が懸念されていますが、食物連鎖の最上位にいるのが私たち人類なので、私たちの健康も危険にさらされています。

 

  POPsは、ヒトのホルモンと構造の一部が似た形をもつ化学物質であることから『環境ホルモン』とも呼ばれ、環境省がリストアップしただけでも70種類あります。

 

環境ホルモンは、本来はホルモンと結合することで信号を受け取る受容体(レセプター)という器官にあたかも本物のホルモンのように結合してしまうため、ホルモンのバランスが崩れ、身体の健康を保つ働きが弱まって生殖機能や甲状腺機能などに重大な影響を及ぼすと言われています。また、性別や年齢によって受ける影響には特徴があります。

 

海の食物連鎖とプラごみ

 

◆懸念されているPOPsによる健康被害

○女性の場合<乳がん・子宮内膜症の増加

 プラスチックから溶け出したノニルフェノールによって乳がん細胞が増殖してしまう。

○男性の場合<生殖機能低下

 精子数の減少・精子の濃度低下してしまう。

○胎児の場合<発育異常・知能への影響

 発育初期に大きく関係するため、水中に残留したPCB(ポリ塩化ビフェニル)は知能発達への影響がある。POPsの蓄積を気にせずに、おいしい魚を安心して食べられる未来のためにも、プラごみを海に放置してはいけません。

 

2)高い処分コストと法律の壁

 漁師さんが操業中に海ごみを拾ってくると、海洋投棄規制条約(ロンドン条約)によって処分費用を自己負担することになっています。それでも海を汚したくない漁師さんは、海に捨てられているプラスチックごみを自費で処分していますが、海ごみは陸上のごみに比べ塩分や水分のために処分費用が数十倍もかかっています。とても個人では負担しきれません。

 

 また、漂流しているプラごみは波間を流れているため責任の所在が未確定ですから、海岸を管理している地方自治体も税金を投入する事業として取り組むことには躊躇しています。さらに、漁師の負担にならないように拾ってきた後の処分を第三者が善意で引き受けようと考えても、産廃法の制約があり移動も簡単ではありません。

 

 漁港から処分施設まで運搬するために、拾ってきた海ごみを引き取ろうとすれば「産業廃棄物収集運搬業」の免許が必要になりますし、たとえ無償であっても処分するには「産業廃棄物処分業」の免許がなければ違反になってしまうこともあります。

 

 既にそれらの免許を持っているのは産廃事業者であって、社会問題の解決のためと言っても本業そのものですから安く引き受けてくれることはほとんどありません。

 

 海ごみの処分を格安で処分を引き受けてくれるのは、ごみ処分が本業でない企業であり、当然に他者のごみを引き受けるための産廃免許は持っていません。ボランティア精神で海ごみを引き受けようとしても、そのために免許を取得するという高いハードルがあります。

 

 

3)この10年で状況は急速に悪くなった

 拾った後の処分費用の負担が大きすぎて、地方自治体も漁師さんも本格的な回収に手を出せずにいますが、プラスチックの使用量が年々増えるに従って不法投棄や災害によって陸から海に流れ出る海洋プラごみ量も、この10年で急増してしまいました。今や世界で年間800万トンも流出しています(環境白書およびWWFジャパンのサイトより)。

 

 このままでは海ばかりではなく、地球全体の生態系も危ないと言われ、国連でも「持続可能な開発目標(SDGs)No.14」として取り上げられるほどに状況は悪化してしまいました。そして、流出は今も加速しています。流出する量より減る量が多くなるよう、逆転させるアクションが必要です。

 

溜まったプラごみ

 

4)海洋プラごみは半分以上が家庭ごみ、誰もが他人事ではない

 たとえば、屋外のごみ箱からこぼれ落ちたペットボトルは風や雨に流されて川に流れてしまうことなどがフィールド調査で指摘されています。

 

 消費者のひとり一人が、海洋プラごみの原因になるような生活習慣がないか自己確認して、改善すべきところを改善していくことで、川や用水路を通じて海に流れてしまうプラごみも減らしていくことができます。

 

 調査によると海洋プラごみのうち51%が家庭ごみ、34%が漁業ごみ、15%が農業や工業からのごみです(環境省資料および愛知県海岸漂流物環境学習サイトより)。海ごみの半分以上が街由来の生活ごみなのに、処分費用は海で働く人たちと海岸市区町村だけが負担させられている状況です。特に内陸部では海が身近でないため認識が薄いと言わざるをえません。

 

 

海洋プラごみを減らしていく解決策

 

当社団が取り組んでいること

 

1)漁師さん達が気軽に漂流ごみを拾える体制をつくる

 海ごみを減らしたいというのは海で働く人たちとっても切実な願いです。でも、拾った人が処分費用を全負担する現在の社会構造では、とても個人や小さな市区町村では負担しきれません。

 

 今のままでは気軽に拾うことはできませんが、もしも見つけたときに費用負担を気にせず拾える社会構造(陸揚げ後の無償引き受け体制)がつくれれば、海で働く人たちが操業中に海ごみを回収できる道が開きます。

 

2)低コストで海ごみを分解や再資源化できる処分チェーンをつくる

 上記の社会構造の問題が今まで解決できなかった主な理由は、海ごみは塩分や有機物や水分が含まれているために処分費用が陸上ごみの数十倍かかる、高コストの問題が未解決だったからです。

 

 今までの高コスト構造のまま海ごみの回収処分を本格化すれば費用負担する者は破綻してしまいますが、人の手をかけないとできない分別作業や塩抜きをせずに処分できる技術が確立され、その技術を使った処分チェーンが社会実装されれば、持続力のある回収活動ができます。

 

 さらに、その処分チェーンの終端が廃棄ではなく資源として再利用するサーキュラーエコノミー化できれば処分チェーンは資源のサプライチェーンになります。究極的にはその実現をめざします。

 

3)プラごみ流出の原因になる生活習慣を変えていく

 現在はプラごみの流出量が回収量よりも多いという、まるで赤字会計のような状態で持続性がありません。現代に生きる私たちは、海にプラごみが流出しない生活習慣を身につける必要があります。たとえば、できるだけプラスチックを使わないとか、使うときはリサイクルしやすい単一素材のものを選ぶとか、再資源化できる処分方法を選ぶなどサーキュラーエコノミーに合致した習慣です。

 

 それは、利便性を求めて行き着いた直線型経済(リニアエコノミー)を覆していくことですから、我慢を受け容れることでもあり、現状の危うさが一般認知されなければ実現できません。

 

 

今回のプロジェクトについて

 

 海で拾ってきてもらったプラごみを材料種類による分別や塩抜きすることなく処分設備のある場所に運搬し、マイクロプラスチックにならないよう分解または再資源化する「海洋プラごみ処分チェーン」の実証実験(暫定的な仮設設備を用いて行う期間限定トライアル)を行います。この実験結果が良好であれば、持続可能な海洋プラごみ解決策の実証ができることになります。また、実験の結果はレポートにまとめ報告会で発表します。

 

<実験で確認すること>

1、材料種類による分別や塩抜きすることなく処分することができるか

2、処分した残渣(灰や油など)は資源として再利用できる状態になるか

3、海洋プラごみ処分チェーンの運用にかかる実態コストを積算

 

<資金の使途>

 集まった資金は、プラごみ保管設備の調達費、保管設備の仮設工事費、運搬車両レンタル費、運搬車両の法定表示費、収集運搬の許可申請費(必要に応じて処分の許可申請費)、許可申請に伴う講習参加費、熱分解や再資源化に伴う委託費および消費エネルギー費、保管場所近隣住民等への配布物印刷費・ポスティング費、人件費、消耗品費(プラごみを入れるガラ袋等)等に使用します。

 また、本プロジェクトの実行以上に資金が集まった場合は、海洋プラごみ処分チェーンの社会実装に向けた当社団の活動資金として活用させていただきます。

 

<プロジェクト中止の可能性について>

 コロナウィルスや戦乱等の影響により政府からの自粛・中止要請が発令される場合など、ご支援いただいた実証実験そのものや実証実験結果の報告会が中止またはリモート開催を余儀なくされる場合もございますので、予めご了承ください。なお、実証実験そのものが中止になった場合は原則返金致します。

 

海洋プラごみ処分チェーンイメージ図

 

 

テーマ「海洋プラごみ処分チェーンの実証実験をしたい」

 

 当社団は、持続可能であり、全国各地で再現可能な 流出プラごみを減らしていく「海洋プラごみ処分チェーン」が社会実装されるよう活動しています。

 

「海洋プラごみ処分チェーン」は、プラごみを予分別や塩抜き工程なしで分解または再資源化できる設備を中心に、トラック等でルート回収が可能な圏内にある漁港を定期巡回便でつなぎ、海で働く人たちが業務中に拾ってきたプラごみを、大きな個人負担なく分解や再資源化のプロセスに送り出していけるしくみで、当社団はそれを社会実装させていくための活動をしています。

 

そこで今回取り組むプロジェクトは、持続的に利用できる海洋プラごみ処分チェーンを稼働させる前に、まずは処分費用や実態、問題点を確認する実証実験(暫定的な仮設設備を用いて行う期間限定トライアル)をする費用を募集するものです。なお、今回は期間限定の実験なので持続性より問題点の洗い出しが重要であるため、海ごみ陸揚地(漁港)から処分設備までの距離が少々離れていても実施する計画です。

 

熱分解設備(例)
熱分解設備の例

 

 

実証実験後のビジョン

 

 実証実験で処分費用や実態、問題点を把握したら、得られた知見をもとに持続的に利用できる海洋プラごみ処分チェーンを構築していきます。

 

持続的に利用できる処分チェーンが1ヶ所構築できたら、それをモデルケースにして同様のものを全国各地に増やしていく活動を進めます。いつの日か、全国2780ヶ所のすべての漁港が、どこかの海洋プラごみ処分チェーンにつながっている状態をめざします。

 

処分チェーンの社会実装計画イメージ

 

 また、海洋プラごみ処分チェーンが持続的に稼働するためには、保管、運搬、処分(分解や再資源化)の費用、消耗品補充費、カーボンニュートラルにかかる費用、人件費など、発生するコストをまかなえる経済的な支えが必要です。当社団では海洋プラごみ処分チェーンが回り続けられるよう、継続的な寄付の募集等を行っていきます。

社団の活動
海洋プラごみを減らしていくための活動

 

 

 併せて、海のプラごみの流出は、人びとの流出しないような生活習慣や意識が伴わなければ減っていきません。そのためには、現状やこれまでの再資源化せずに廃棄する直線的な経済システムの危うさを知っていただく必要がありますので、当社団は積極的に「広める」情報発信活動を続けてまいります。

 

そのために取り組んでいる活動が、2023年2月13日に環境省から「プラスチック・スマート優良事例アワード」の令和4年度年間最優秀事例賞をいただいた、写真ボランティアの募集と「プラごみ流出マップ」の公開です。

 

プラスマ表彰式
環境省によるプラスチック・スマート表彰式のようす

 

プラごみ流出マップタイトル

 

 

 海洋プラごみ問題の現状を考えれば、私たちのビジョンはイチ民間団体には荷が重い壮大な夢のようにも思えますが、微力であっても行動することに意味があると思っています。ひとり一人の小さな積み重ねや微力が集まることによって世の中が良くなっていくと思います。

また、わたしたちの活動は、持続可能で豊かな海を取り戻そうとする活動であり、国連が推進するSDGs14番目の目標「海の豊かさを守ろう」を達成しようとするものです。

 

次世代の子供たちに、よりよい環境を引き継いでいくため、あなたも是非プラごみ問題解決に向けた運動にご参加ください。よろしくお願いします!

 

プロジェクト実行責任者:
山本知子(一般社団法人オーシャンスイープ協会)
プロジェクト実施完了日:
2024年3月31日

プロジェクト概要と集めた資金の使途

プラごみ回収に協力していただく漁師や漁協、分解または再資源化処理を引き受けてくれる企業と交渉し、海で拾ってきてもらったプラごみを港で水抜きしてから設備のある場所に運搬して処理する「海洋プラごみ処分チェーン」の実証実験を行います。実証実験の結果はレポートにまとめ、報告会を開催します。 集まった資金は、プラごみ保管設備の調達費用、保管設備の仮設費用、プラごみの運搬・保管に使用するガラ袋費、運搬車両レンタル費、運搬車両の法定表示費、収集運搬の許可申請費(必要に応じて処分の許可申請費)、申請に伴う講習参加費、処分に伴う委託費、近隣住民等への告知物印刷・ポスティング費、人件費等に使用します。また、本プロジェクトの実行以上に資金が集まった場合は、海洋プラごみ処分チェーンの社会実装に向けた当社団の活動資金として活用させていただきます。

リスク&チャレンジ

プロジェクトを実施する上で必要になる資格や許認可について
当社団がプラごみの収集運搬するには管轄行政の判断により産業廃棄物収集運搬の許可が必要な場合があり、その許可申請には事前に法定講習を受ける必要があります。この申請をするために当社団のメンバーが受講準備を進めており、2023年12月までに実証実験に必要な許可取得ができる見込です。
プロジェクトを実施する上でのリスクについて
プラごみ保管箱を漁港敷地内に設置させていただいたり、熱分解設備または再資源化設備を保有している企業に処分を委託することになりますが、現段階では引き受けの確約は取れていません。実証実験の実行時期までには確保できる見込です。 また、コロナウィルスや戦乱等の影響により政府からの自粛・中止要請が発令されるなど、ご支援いただいた実証実験そのものが中止になった場合は原則返金致します。

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プロフィール

オーシャンスイープ協会は、プラごみ流出の現状を写真で社会に共有し、海からプラごみを回収する処分チェーンを社会実装することで海洋プラごみを減少させます。 それによってマイクロプラスチック汚染から海洋生物と海産物の安全を守る一般社団法人です。 <わたしたちのスローガン> ぼくらの海をプラ汚染から守ろう! <わたしたちのミッション> 1)プラごみ流出マップで現状を社会に共有 2)海洋プラごみ処分チェーンを社会実装 3)流出防止や循環型社会に役立つ情報発信

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1 ~ 1/ 15

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