プロジェクト概要

バングラデシュの農村に暮らすたくさんの人々に衛生的なトイレを設置したい

 

はじめまして、日本下水文化研究会の酒井彰です。日本下水文化研究会は、1992年に設立し、日本の屎尿処理や排水処理の経験や文化を海外に伝えるため、2004年よりバングラデシュでエコロジカルサニテーション(以下”エコサン”とします)の普及活動を始めました。

 

今回はバングラデシュの農村に暮らす人々のために

衛生的なトイレを普及するためのご支援をお願いします!

 

(新しいトイレを待つ人々 ※この写真はエコサン・トイレ)

 

私たちの取り組みについて

 

まずは、日本下水文化研究会が取組んできたバングラデシュにおけるサニテーション改善活動について紹介させていただきます。われわれの活動は、当初、現地NGOに協力してもらいながら行っていましたが、別組織に依頼したのでは、関わった人の経験をストックとして組織的に積み上げることができないと考え、活動開始から、3年目ぐらいに現地組織をたちあげ、この現地組織(JADE Bangladeshu:JADEは日本下水文化研究会の英文略称)が活動の実質を担っています。

 

(1)エコサン・トイレの導入
エコサンは、子供たちを病気から守るといった衛生(サニテーション)のレベルを向上すること、屎尿の資源価値を活かすことを目指した技術概念です。この概念のもとにつくられたトイレをエコサン・トイレと呼びます。バングラデシュは、世界一の耕地面積率を有する農業国ですが、屎尿を資源として利用する経験はありませんでした。しかし、今では、エコサン・トイレが普及した村のなかのマーケットで、屎尿からつくられた肥料が売られるまでになりました。

 

(エコサン・トイレ)

(エコサン・トイレからつくられた有機肥料の販売)

 

(2)トイレとともに安全な水の供給も

バングラデシュの井戸水の多くは砒素に汚染され(長い年月をかけてヒマラヤの地層からガンジス川が運んできたものです)、皮膚病やがんに罹る人も少なくありません。そこで、ため池の水(砒素は含まれていません)をろ過して飲料水として供給するプロジェクトを行いました。飲料水源と決めた池は、エコサン・トイレを普及することで汚染を防ぎ、飲み水と調理以外の用途には使わず、きれいに保つことを約束してもらいました。

 

 

(3)都市スラムにはバイオガスシステムを導入

また、都市スラムで、共同トイレを改善し、屎尿を消化分解してバイオガスを取り出し、スラムの人たちが台所で燃料として利用し、集めたガス代は、トイレと屎尿処理設備(バイオガス反応槽)を維持するために使っています。

 

           *    *    *

 

今のトイレの何がいけないのか

 

エコサン・トイレを普及することも考えましたが、日本円に換算して3万円ぐらい掛かります。しかし、年収が10万円以下の世帯が大多数を占めているような村がたくさんあります。支出のほとんどは食費なので、そういった村に住む人たちにエコサン・トイレを普及することは、難しいと考えました。

そこで、バングラデシュで普及しているピットラトリンというトイレに色々な改善を加えてみようということになりました。

 

ピットラトリンの普及は進んでいますが、トイレの部屋といったものがないものも多く、便座のまわりに竹の棒を4本立て、ロープを張り、布やジュートを掛けてかろうじてプライベート空間を作っています。穴の大きさもまちまちで、すぐいっぱいになるものも少なくありません。いっぱいになったら、別のピットを掘るのが普通で、使用年限はたいへん短いといえます。

ピットの中の屎尿は、ときに、掘り出されますが、水路などにダンピングされるだけで、資源として利用されることはありません。また、池の近くに作って、生活用水を汚染してしまう例もあります。

(次の写真の(中)と(右))

 

 

どんなトイレを普及させるのか

 

まず、ピットラトリンは本来2つのピットを交互に使いながら、屎尿を土に還すことも考えられたものなのです。しかし、今、バングラデシュで普及しているピットラトリンは、こうした肝心なところが伝わっていないので、改善の余地が大きいのです。新たに設置するトイレでは、衛生機能、ピットの中身の循環利用も考えたものにする予定です。

トイレは、個人のものですが、ピットの中身を収集して、まとめて処理する、できれば利用につなげるといったコミュニティとしての管理も求めていくことが必要だと思います。必要なアフターケアやコミュニティへのサポートもしていくつもりです。そのために地域の拠点づくりも視野に入れていこうと思っています。

 

(トイレの仕組み)

 

 

何をするために資金が足りていないのか

 

活動は、JADE Bangladeshが担います。ピット内部に積み重ねるコンクリートリングの調達やトイレの部屋の材質を具体的に決めたうえで、雨期が明ける10月からトイレ建設を始めたいと思っています。対象地域は、JADEが都市スラムの衛生改善活動を行っているバングラデシュで3番目に大きな都市、クルナ市に近いバゲハット県の農村です。

トイレの建設はほぼ乾期に行いますが、来年の雨期が始まる5月までに、300基の設置を目指したいと思っています。今回はそのうちの約50基分の建設に必要な資金を”READYFOR?”を通じ、集めさせていただきたいと思います。

 

JAD Bangladeshとしては、このプロジェクトが軌道に乗れば、これまで日本の助成金にほぼ依存してきた体質から脱却し、近い将来、組織として自立を視野に入れていくことも十分可能になります。

 

(JADE Bangladesh クルナ事務所のメンバー)

 

 

 

 


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