【Cage Wine】　グルナッシュ・ノワール物語

世界最大のシュナン・ブラン栽培面積を誇るのが南アフリカ。つまり、南アフリカと言えば『シュナン・ブラン』といわれるほど。

 

南アフリカワイン発祥の地『冷涼なコンスタンシア』や、ボルドーを彷彿させる『ステレンボッシュ』、そして温暖な地中海性気候の『スワートランド』。シュナン・ブランは、その気候と土壌によって様々な味わいや風味を醸し出す素晴らしさがあり、同国の多くの地域で栽培されています。

 

まさに南アフリカを代表するに相応しい品種であり、同国の象徴。そして株仕立ての古木が数多く存在する南アフリカはスワートランドから、シュナン・ブランを使用した本物のテロワールワインが2007年頃から造られるようになり、一躍世界中から脚光を浴びるようになったのです。

※スワートランド・インディペンデント・プロデューサーズ（SIP）やスワートランド・レヴォリューション（Swartland Revolution）で検索してみてください

 

 

そんなスワートランドを象徴するのが『グルナッシュ』。乾燥した地中海性気候にぴったり。サンソーやシラー、ティンタ・バロッカなどなどスペイン・ポルトガル系の品種もありますが、「郷に入っては郷に従え」です。

 

グルナッシュは本当にエレガント。食事に合わせても素敵だしワイン単体でも親しみやすいと思いますが、日本のみならず、世界でもアンダーレーティングされている品種のひとつ。そんなブドウの本当の素晴らしさを知ってほしい、とも思っております。

 

スワートランドの土地・風土に合ったブドウだから尚更です！！

ちなみに師匠アディのグルナッシュの古木は南アフリカで最も古い樹齢70年（1952に植樹）。

 

愛情を込めて、大切に栽培をしているアディを見ていたら、やはり同じ畑ではなくとも、せめて同じ品種からワインを造ってみたい。などと思っていつづけていたとある収穫、アディが「ケイジちょっと畑見に行くぞ」と契約畑まで出かけ、食しながら状態の確認や、糖度の言いあてっこなどサンプリング的なことをしていたら「いつ収穫したい？」と。

 

僕が「サンプル持って帰って糖度測定しないとはっきりは言えないけど、この状況なら来週の水曜日くらいじゃない」と言ったら、「好きにしていいぞ」。

 

ここで大好きな師匠【アディあるある】

その①

彼の大切なブドウを、ワインの管理を平然と人に任せる。

※大学卒業してたてのインターンにも同じことします（笑）

 

その②

レコードが止まり、音楽がなくなると怒る（笑）

 

その③

僕が入れたコーヒーが彼のお眼鏡にかなわないと「ありがとう」と受け取るが、必ず一口で終わる（涙）

 

その④

収穫期、冷蔵庫にビールがないと「準備が足りない！」とブツブツ言う（笑）

 

その⑤

セラーから、すぐにいなくなる！

※人の２倍、いやいや３倍は畑にいるのでご安心を（笑）

 

さて、そんないつものアディのことと。セラーに帰ってブドウの糖度測定し「21.8度だよ」と伝えたら、「好きにしろって、言ったじゃん」と。

 

？？？？

「お前のブドウだ」

 

涙出るやん。いつも粋。

僕のグルナッシュはそんな師匠の粋な計らいで生まれたワインなのです。

 

PS

【Cage Wine】のグルナッシュのみならず、どこかでスワートランドのグルナッシュを見かけたら、ぜひぜひです！！