プロジェクト概要

持続可能な生産と消費を推進する「未来を変える買い物を」企画


 OPEN 2030 PROJECT(代表:慶應大学 蟹江憲史教授 運営チーム:博報堂bemo! チーム)は、2030年に向けた持続可能な開発目標(SDGs)をソーシャルイノベーションを起こす最大の機会と捉え直し、企業・行政・アカデミア・市民セクターなど多くのセクターが関わり具体的なアクションを創りだすプロジェクトです。


 このプロジェクトの特徴として、マルチステークホルダー型を取っています。社会テーマは、ひとつのセクターでは解決できないことが多く、多様なセクターが集まって共創しながら、問題の本質を理解することで、実効性のあるアクションにつながっていくからです。 

 

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推進チームと戸倉漁協の後藤さん


 

持続可能な生産と消費を進める国際認証の伝えづらさを解消する


<国際認証の課題>

 今回着目した持続可能な生産と消費の問題は、先進国の消費のあり方が連鎖して遠い途上国の社会的な問題や環境破壊に連なっていることから、見えにくい問題となってしまったり、個々人の力では解決できないと感じてしまい合理的無知に陥りがちです。

 例えば、乱獲が問題になっている漁業において、責任ある漁業を推奨する海洋管理協議会(MSC)は、魚種資源の減少から増加への転換、漁業者の生計維持、世界の海洋環境の保全などを目指して活動しています。具体的には、持続可能な漁業のための規準と水産物のトレーサビリティのための基準を設け、それをクリアした商品に青い認証ラベルをつけ、持続可能な認証水産物の普及を推進しています。

 このように認証ラベルがあることで、その意味を知れば持続可能な商品を選択できるようになりました。しかしながら、日本においては、認証の必要性やその仕組みと意味自体がほとんど知られていない(下図参照:現状ではMSCの認知は15%でドイツなどの1/4以下)ことから、そもそも消費者の選択の土台にさえ上がっていない状況です。そして、ここで大切なことは、認証ラベルを盲目的に選択する行動を促すことでなはく、認証ラベルが必要になっている背景やその仕組みを知る事であると思います。

 

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<国際認証の目指す世界観>

 持続可能な生産と消費のもたらす世界は、単に環境に良いということだけではなく、水産資源の生育環境が改善されることで健全な水産物が育つということ、生産サイクルが安定することで、生産者の生計も安定するといった副次効果ももたらします。

 例えば、天然の生産物を扱うMSCに対して、養殖の生産物を扱う ASC認証の事例を紹介します。宮城県の南三陸の戸倉漁協の牡蠣部会は、2016年3月に日本で初となるASC認証を受けました。

 リーダーである後藤さんは、以下のお話をしてくださいました。「震災以前、牡蠣養殖は狭い範囲に多数のカキ筏を設置していました。海の環境にとっても、牡蠣にとっても負荷の高い環境です。ASCの基準では、養殖密度を震災前の3分の1にとし負荷を減らすことが求められました。すると、それまで収穫に牡蠣の成長に3年かかったのが、1年で済むようになったのです。生育環境がよくなることで、牡蠣は伸び伸びと育ち、大ぶりで高い品質の牡蠣を生産できるようになり、震災前よりも結果として利益は向上しています。また、労働環境においても、震災前は収量を上げるために休みなく働いていたのですが、認証取得のためには必ず休みをとることが求められます。実はこのことで、若い漁師たちが続々と戸倉に集まってきているのです。活気もある漁協へと生まれ変わって本当に嬉しいんです。」

 もちろん、そこに至るまでの過程は、大きな決断と並々ならぬ努力があったと思われますが、短期的には漁獲高減少が心配される環境負荷と労働環境を改革することに踏み切ったことで、結果としては、牡蠣の質の向上と漁師の数も増え、漁協全体の利益を向上することにもつながったのです。

 漁業だけでなく、林業の世界でも、国際認証に挑戦している生産者がいます。彼らの生声をぜひ聞いてみてください。



 このように持続可能な生産と消費がもたらすのは、環境や生産物の持続性だけでなく生産者の持続性へも還元されます。結果として、消費者は、健全な生産物を手にし続けることが出来るようになるというわけです。

 ただし、ここまで説明してきたように、このことを簡単に伝えることは難しく、多くの人に伝え興味をもってもらうためにも、分かりやすいツールが必要となってきます。


 

「未来を変える」という新しい「買い物のワクワク」を


<「買い物」が「未来を変える力」を持つ>

 生産者から、流通小売りと様々な人の手を経て消費者へ届く。この流れを考えると、「買い物」は一見「川下」にあるように感じます。しかしながら、消費者のニーズを捉えて生産者が生産物を提供しているとすると、「買い物」は実は「川上」にあると捉えることが出来るのではないでしょうか。

 消費者が未来をよりよいものに変える、想いとストーリーの詰まったモノやサービスが欲しいと願ったら、生産者はそれを意識して提供するものを変えるのではないか。

 そこで、買い物を未来を変えるスタートと捉え、未来のことを考えて買い物をすることが、地球での豊かな生活を続けていくことに繋がる。地球というものを一つのショッピングモールと見立てて考えた企画が「Earthmall」です。


<未来を変える買い物を。Earthmall Movie>

 

 このEarthmallの企画を効果的にするために、私たちはこれを説明的なコンテンツではなく、エンターテインメントにして、人に伝えたくなるものにしたいと考え、イラストレーターや映像クリエイターと共にムービーを制作することにしました。


 Earthmallの映像では、意志のない買い物に対して問いを投げかけます。ついつい買い物でやってしまいがちな、商品の成り立ちをそもそも全く考えない、適量を考えずに買いすぎてしまう、使い捨て前提で買ってしまうといったことを、朗らかな絵柄のアニメーションで楽しくもシニカルに訴えかけます。


 後半では、認証商品が擬人化し、自分たちの育ってきた環境や育て親(生産者)について語り、いかに健全に育っているか、そのことによって将来的な持続性にもつながっていくということを伝えます。 今回は、このような持続可能な生産と消費を分かりやすく伝える映像制作費用の一部として資金を使いたいと思っています。
 

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Earthmall キービジュアル

 


<未来を変える仲間を呼びかける。Earthmaller>

 映像の完成後、関係者や興味ある人を集めたお披露目会を10月に行いたいと思っています。この活動を応援してくださる仲間をEarthmaller(アースモーラー)として、持続可能な生産と消費を、共に広げていきたいと考えています。


 

教育教材への活用と、Earthmallをリアルなものへ


<教育への活用>

 この映像は単に動画のコンテンツとして作成されるだけでなく、こどもたち(小学校〜中学生)やその周りの大人たちが、持続可能な生産と消費についての問題認識やその1つの解決策である認証の仕組みについて、学び知っていく教育プログラムへ活用されていきます。今現在、都内のある私立中学校にて、授業が決定しておりプログラムは教育現場の声とともに精緻化され、認証調達を推進する企業の協賛や地域における教育NPOとの連携も図りながら、来年には100校(団体)、五年後には、1000校(団体)への導入を目標としています。

 既にそうした企業やNPOの関係者からは、この映像を活用した教育プログラムの企画に対して賛同の声を頂いている状況です。
 この映像を作成することは、持続可能な生産と消費の理解を深める教育の普及と、認証調達を行う企業の増加という、大きなインパクトへとつながるのです。

 

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ワークショップの様子(未来を変える買い物コミュニティダイアローグより)

 


<映像上のバーチャルなアースモールを実際のものへ>

 未来を変える買い物を実現するために、実際に認証商品を扱っている企業との連携を進めて、具体的な商品紹介を行う、流通と連携してEarthmall対象コーナーや、店頭でのプロモーションなどを展開したいと思っております。
 ゆくゆくは、Earthmallというメディアをつくることも検討したいと思っております。


 

映像への参加、実際に国際認証商品を試せるリターンをご用意しました!


 ご支援いただいたみなさまには、今回制作するアニメーション映像のエンドロールやEarthmallのウェブ・サイトにてお名前を掲載させていただきたます。また、少ない枠ですが、映像で使用する楽曲のコーラスに参加できる権利も提供いたします。
 そして、国際認証商品を試してみたいという方に、各認証ラベルがついた商品をリターンとして用意しております。さらに、2名一組の方に、実際に認証を取得した生産現場を視察するツアーにご招待したいと思っております。
 ぜひ、お楽しみにしてください!

 

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 みなさまのご支援、どうぞよろしくお願いします!
 


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