冤罪の話をすると敬遠する人が多いのですが、話を聞いてくれる人もいらっしゃいます。そして中には、きちんと話を聞いてくれた上で「冤罪って言うけど、その人本当に犯人じゃないんですか?犯人である可能性もありますよね?冤罪かどうか、一般人の我々には判断できないという気がするんですけど・・・」と疑問を投げかけてくれる方もいらっしゃいます。

確かに私たちは捜査機関の人間ではないし、現場を見ているわけでもない。しかし、メディアに掲載される、警察や検察の言い分、裁判所の判決文、などを見て「これはおかしいでしょう。冤罪の可能性が高いと言わざるを得ない」という場合が多いのです。

例えば、狭山事件で殺人犯の汚名を着せられ54年も無実を訴えている石川一雄さん。現場に残された脅迫状の筆跡が石川さんの筆跡と似ている、とされています。しかし、被差別部落出身の石川さんは事件当時(1963年)、文字が書けなかった。読み書きができなかったのです。捜査機関は読み書きできない人に無理やり文字を書かせて、ほら、筆跡が似ている、と無理矢理、石川さんを有罪とする根拠の1つにしましたが、読み書きできない人に「筆跡」だなんてナンセンスだと思いませんか? その後、石川さんは刑務所で独学で文字を覚え、読み書きができるようになり、自分が受けていた差別の内容を理解することになります。最新の科学的鑑定は脅迫状の筆跡は99.9%、石川さんのものではないと結論付けています。

写真の女性は東住吉事件の青木惠子さん。現在は無実を勝ち取り、全国の冤罪被害者の応援に奔走していらっしゃいます。彼女は自宅のガレージにガソリンをまいて火をつけ、娘を殺害したとして、殺人犯の汚名を着せられました。しかし、普通に考えれば、ガレージにガソリンまいて火をつけたら自分が火だるまです。事件が新聞で報道された時点で多くの人が「これって冤罪じゃないの?」と感じたわけです。ところが、警察は科学的根拠は無視して、青木惠子さんを犯人にすることに邁進しました。そして裁判所も警察や検察の言い分を認めました。ガレージにガソリンまいて火をつけたら自分が火だるまだって裁判官は分からないの? そう、分からないんです。勉強ばかりしてきて、火遊びもしたことなかったのでしょう。あるいは警察・検察の言い分に異を唱えて自分の出世を遅らせたくなかったのかもしれません。

これらはほんの一例ですが、誰がどう考えても「おかしい」ことがたくさんあるのです。真犯人かどうかは別にして、とりあえず誰かを捕まえれば警察は一件落着。日本の警察ってそんなにひどい組織なの? 酷い組織だと言わざるを得ません。そうでなければ、こんなにたくさんの冤罪被害者が生まれるわけがありません。こういったことを知っていただくために、『塀の中の白い花~ほんとに何もやってません』は分かりやすい放送を続けていきたいと考えています。

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